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竹取物語は宝物に関するキーワードの集大成のようなところがある。
最初から光と輝きが宝物の存在を暗示する。 かぐや姫は竹取の翁とその妻の唯一、最高の宝物になる。 最後にかぐや姫から与えられた宝物である不死の薬を、かぐや姫がいなければ意味がない、とふじの山に捨てる。 ほかに、工芸品や天然の珍しい宝物の話題が色々と持ち出される。
月世界,つまり、かぐや姫の本来の世界は、かぐや姫が宝であるとすれば宝の源泉、宝を生み出した源であるけれども、それは謎であり、翁らには興味を持つ事さえ出来ない。
宝を生み出したというより、地上の人間にとって宝となるような人物を生み出すようなということであるかも知れないが。
それでもそこにも罪や罰のある世界である事になっているが、その罰し方が興味深い。

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私が源氏物語を一応読んだのは比較的最近で、インターネットの無料サイトで提供されていた与謝野晶子訳である。