IEEE1394aの理論上の転送速度は、「50MB/s(400Mbps)」、USB2.0は理論上「60MB/s(480Mbps)」。
それに対し、CDやDVDの転送速度は、DVD16倍速でさえ1/2以下の「22.2MB/s(177.3Mbps)」となっています。

DVD12倍(16.6MB/s) >DVD8倍(11.1MB/s) >DVD6倍(8.31MB/s) >CD52倍(7.8MB/s) >DVD4倍(5.54MB/s)

しかし、さまざまな要因から理論値どおりの速度が出ることはなく、DVD16倍速というのはなかなか高いハードルであるのが実情のようです。

YAMAHA 「CRW2100IX-VK」

今回使用したのは、前回の「YAMAHA CRW8824IX-VK」に続き、2001年1月発売の16倍速記録対応ドライブ「YAMAHA CRW2100IX-VK」のケース。
背面端子の配置が変更されているほか、吸気スリットやゴム製の制振パーツが省略されており、コストダウンの形跡が・・・。
基盤のリビジョンも変わっている。
 

YAMAHA CRW2100IX-VKのケース (左上)、IEEE1394a-IDE変換基盤 (右上)

基盤のリビジョンは「XZ686 YAMAHA V682410」、変換チップ(右)には「F00410105」、MPU(中央)には「F00380134」と記載されている。 製造番号なのか、リビジョンなのか、私にはわかりませんが・・・。


EPSON製 IEEE1394a変換チップ 「SPC7282F0A」の概要

・ATA/ATAPI-4(UATA/33)に対応。
・IEEE1394-1995準拠。
・MPUであるE0C33208Fとセットで動作


転送レートテスト

読み込み速度:16x

13倍速あたりで頭打ちのようです。バーストレートが19MB/sなので、16倍速(22.2MB/s)は無理。

読み込み速度:12x

きれいに12倍速出ています。

読み込み速度:8x

当然8倍速も問題なし。


書き込みテスト

記録速度:16x

エラーで記録できず・・・。数回試したものの結果は同じ。

記録速度:12x

12倍速もエラー・・・。数回試したものの結果は同じ。
そこで、「Disc Juggler」を使用してデータディスクを作成してみました。
この「Disc Juggler」は、書き込み中に記録速度の変化がリアルタイム表示されるので、どれ位の速度が出ているかの確認ができます。

最高速度の地点で画面をキャプチャ。ご覧のとおり、10.3倍が最高でした。
サイクル25%(1GB周辺)で8倍速、50%(2GB周辺)で9.5倍速、画像の60%の時点で最高速の10.3%に達し、それから速度は安定せず、4〜10倍速の間を上下して終了時10.1倍速となりました。

記録速度:8x

後半少しうねっていますが、8倍速は問題なさそう。
 

まとめ

なんか気になったのは、「Nero CD-DVD Speed」の書き込みテストでエラーが起きたこと。

メモ:手持ちドライブでの動作確認状況(相性・制限等)

※ NEC「ND-3520A(v3.06)」は認識OK、「Nero CD-DVD Speed」テスト書き込み時に16倍速・12倍速は動作せず。DiscJugglerでは12倍速を選択して書き込みできたが、12倍速は出ない。

※ PLEXTOR「PX-712A(v1.07)」「PX-W5224A(v1.03)」は取り付けても認識せず。PLEXTORドライブは独自機能実装の弊害か、私が確認した限りでは、変換チップ・ケースとの相性が非常にシビア。おそらく他のドライブでも認識しないと思われる。

※ PIONEER「DVR-107D(v1.20)」は認識するが、速度に関係なく書き込み不可。(Nero CD-DVD Speedテストライト、DiscJugglerでの書き込み不可。)

※ MITSUMI「CR-485GTE」は認識OKだが、書き込み時に速度が出ず不安定。(供給電力不足が原因)
  途中で速度が一気に上がるZ-CLVだと特に顕著。