森本によると、「半導体レーザーは劣化してくると光が弱くなり、多少多めに電圧をかけないと必要なパワーが出ない。書き込み中に徐々にピックアップ装置が温まり、本来のレベルで出力できるようになる為、結果として時間の経過と共にC1エラーが右下がりになる。」そうですので、記録後のエラーチェックなどでドライブの劣化を探ってみたいと思います。

今回使用したドライブ、PLEXTOR 「PX-W5224A」

使用するのは使用(焼き)時間の異なる3台の「PX-W5224A」。ファームウェアは3台とも同じv.1.03。
なるべく同じ記録条件下で比較するため、4BAY外付けケース+玄人志向のIEEE1394a変換基盤「X4HD-1394S」を用い、同ロットのメディアに記録しました。

但し、ドライブは「使用(焼き)時間の異なる3台」を使用していますので、ドライブの個体差による影響は考慮していません。

いずれのドライブも、主に、データ焼き・40倍速記録で使用し、メディアは殆ど海外製で違うメーカーのものをランダムに食わせてきました。

2005.12.18 検証

  ファームウェア 使用(焼き)時間 推定焼き枚数
ドライブ(1) v.1.03 11時間47分27秒 約 250枚?
ドライブ(2) v.1.03 36時間27分37秒 約 850枚?
ドライブ(3) v.1.03 101時間9分8秒 約 2500枚?

ドライブ(1) - 使用(焼き)時間約10時間、推定焼き枚数250枚?

pxinfoによると、焼き時間は11時間47分27秒。

まずは、Nero CD Speedで「データディスク作成」をチェック。記録速度は16倍。

平均速度16.02倍速、経過時間5分13秒。

続いてはエラーチェック。

ドライブ(2) - 使用(焼き)時間約35時間、推定焼き枚数850枚?

pxinfoによると、焼き時間は36時間27分37秒。

まずは、Nero CD Speedで「データディスク作成」をチェック。

平均速度16.00倍速、経過時間5分13秒。かかった時間はドライブ(1)と全く同じ。

続いてエラーチェック。

計測誤差の範囲内ですが、使用時間の少ないドライブ(1)よりもC1エラー・ジッターともに低いです。劣化は感じられません。

ドライブ(3) - 使用(焼き)時間約100時間、推定焼き枚数2500枚?

pxinfoによると、焼き時間は101時間9分8秒。このドライブの劣化が気になるところ。

まずは、Nero CD Speedで「データディスク作成」をチェック。

平均速度15.99倍速、経過時間5分42秒。先の2台が5分13秒だったのに対し、なぜか30秒近く時間がかかっている。

続いてはエラーチェック。

先の2台よりC1エラー・ジッター変動共に数値がほんの少し高くなっていますが、C1エラー・ジッター値からは明らかに劣化と言える程の違いは 読み取れません。

しかし、Beta値は明らかに違いが出ています。Beta測定ではレーザーパワーの変動を視覚的に判別できるので、今回の検証には非常に有効な手段。この結果では、変動は少なく問題なさそうに見えますが、明らかに数値が高くなっているのでレーザーパワーが劣化しているのかもしれません。しかし、pxscanのマニュアルによれば、-5%〜+15%の範囲内で急激な変動がなければ問題なしとのことなので、今のところ問題はなさそう。

中間報告

結果的には、使用時間100時間超・2500枚程焼いても、Beta値の上昇以外は目立った変化はありませんでした。思った以上に丈夫で、さすがプレクスター製といったところでしょうか。
この企画的には、変化があったほうが面白かったのですが、1ユーザーとしては非常に嬉しい結果です。

もちろんこれで検証を終わらせてしまっては意味がないので、10〜20時間使用(250〜500枚)毎に今回と同じテストを行い、結果をUPしていこうと思います。

今回少し気になった点としては、「データディスク作成」テストで経過時間に違いが出たことですが、これについても以後のテストで変化を確認していくつもりです。

 

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