なにものか(以下な):いやー、どうすか? ぷうさん。
ぷう太さん(以下ぷ):暑いですな。
な:ああ、今日は暑かったですね。
ぷ:犬のように暑かった。
な:・・・犬? 犬のように?
ぷ:カツカレーのように。
な:それは昨日のハナシですね。
そんなことよりぷうさん、
ぷ:そんなこととは。 なんともおざなりな。
な:すいません。 いやぁね、実はね、買ったんですよ、ついに。
ぷ:女をか?
な:何言っちゃってるんですか。 なんで女なんですか。 ちがいますよ。
なんと、ついに自転車をね、買ったんです。
買い替えたんです。
ぷ:ああ、自転車。 乗り物という点で共通項。
な:そーゆーおやじみたいなコトゆーのやめなさいよ。
自転車をですね、前の自転車は僕が津田沼でひとり暮らしを始めたときですから
6年間使ってたんですけどね、もうボロボロになっちゃって。
ぷ:ボロボロか。
な:そう、ボロボロ。
ぷ:・・・・・・・・・・・・・・・
な:・・・・・・・・・・・・・・・
ぷ:・・・・・・・・・・・・・・・
な:なんすか。 何か言うのかと思ったら。
ぷ:私をかいかぶりなさるな。
な:6年の間に、パンク修理数十回(その内、チューブ交換2〜3回、
タイヤ交換4〜5回、ライト交換数回、ブレーキパイプ交換数回、
チェーン調整数回・・・・・あとは・・・
ぷ:フーやれやれ。 不幸自慢か。
な:いや別に・・・不幸ってわけじゃ・・・
ぷ:じゃあ何かい?
な:・・・・・・・・・・・・・・・・
ぷ:いや、『じゃあ何かい?』って言ってみたかっただけー。
な:とにかくね、この自転車は6年前、僕が仕事を始めて最初に得た収入で
買ったものなんですよ。 津田沼のサンペディックで。
ぷ:ほほう。
な:その頃はまだね、夢と希望に燃えていましてね、
ぷ:ふむふむ。
な:自分への御褒美として、まぁ安いママチャリなんですけどね、
ぷ:ははーん。
な:あいや、ぷうさん、相づちがうっとーしいです。
ぷ:なんですと!?
な:・・・・・・まぁ、そんなわけでね、その時の思いを忘れないためにもね、
壊れても壊れても修理して、6年も大事に使ってたんですけどもね。
ぷ:いわゆるアレですな、『傷心』ですな。
な:いや、『初心』です。
ぷ:そーそー、傷心。
な:いや、初心ですってば。 し・ょ・し・ん。 初心忘るべからず。
ぷ:ああ、傷心ね。
な:・・・・・・・・まぁ、いいとして。
とにかくこの自転車には思い出がね、いろいろと・・・
ぷ:トマトのようにね。
な:走馬灯。
雨の日も風の日も大学まで乗っていってね、
あとは仕事の完成原稿を手に、ドキドキしながら駅に向かったりね、
ときには彼女を駅まで迎えに行ったりね、はふーん。
ぷ:ああ、でも君は雨の日は学校サボってたよね。
な:・・・まぁね。
ぷ:そのときの彼女はどうなったの?
な:・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぷ:・・・・・・・・・・・・・・・・・
な:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぷ:・・・・傷心・・・か。
な:とにかくまぁね、いろいろ思い出が詰まった自転車なんですよ。
ぷ:トマトのようにね。
な:でも最近になって、チェーンはすぐ外れるわ、サドルの布は剥がれるわで、
そんで昨日、それにパンクも重なってね、
ぷ:さんざんだね。
な:んでもう、「新しいの買おう」と思ってね。
心機一転。 ね。
ぷ:いつまでも過去の女を引きずるのは君の悪いクセだよね。
な:うるさいなー。
ぷ:君、そういえばついこの前も、初恋の娘のこと引きずってたでしょう。
なんだっけ? ほげみちゃんだっけ?
な:よしみちゃん。
ぷ:そーそー、それ。
な:それってゆーなよ。
ぷ:君はそーゆーの、やめたほーがいいよ、ホントに。 いやまじで。
な:ほっといてちょーだい。
ぷ:いつか身を滅ぼす。
な:まーそれはおいといて、とにかく自転車がね、
ぷ:過去にすがりつくダメ人間。
な:嫌なこと言いますね。
ぷ:で? 自転車がどーしたって?
な:今日近所の西武に見に行ったんですよ。
ぷ:君はいつも、なにかっちゃあ西武だね。
じゃあ何かい? 君はアレかい?
な:だって近所なんですもん。
んでね、せっかく買うんだから、カッコいいのにしようと思いましてね。
ぷ:A(c)。
な:・・・へ?
ぷ:えーかっこしーだっていってんの!
な:あああああ。 それ、この日記の中で昔やったネタですね。
たしかヤン白浜で。
ぷ:うるさいなー。 みんなそんな昔のなんて見てないから大丈Vなの!
な:でね、カッコいいのって言っても基本はママチャリなのね。 乗りやすいから。
最初に無印良品のところを見に行ったの。
ぷ:無地ルーシーね。
な:無印ってシンプルでいい感じですよね。
とりあえず26インチの普通のヤツが13500円だったの。
ぷ:いちさんごーですな。 いわゆる。
な:なんにもひねってないですね。
そんで次に西武の自転車売り場に行ったら、なんと今日、明日限定で
9800円のママチャリが売ってたんですよ。
ぷ:きゅっぱーね。
な:別にそんなに悪いやつでもないんだけど、今まで乗ってたやつと、
ほぼ似たようなデザインのなんですよ。
やっぱね、せっかく買うんだからそれじゃあつまんないなと思って。
それに、6年前のペーペーな新人のときと同じデザイン、
それもあの時より安いのを買うっていうのもね。
あの頃よりはお金に余裕もあるわけだし。
ぷ:ん〜、ヤラしいですなァ。 金もってるスカー。
な:そーゆー言い方やめなさいよ。 あの頃と比べればってことですよ。
んでね、結局19800円のやつにしました。
青いボディーでね、タイヤカバーの部分が銀なの。
んで、ライトが自動でつくやつ。 27インチ。
ぷ:自動で?
な:そうそう、ライトがね、暗くなったら自動でつくんですよ。
技術の進歩を感じますよね。
ぷ:ああ、君は鬱のことが多いし、ネガ思考だから、すぐ暗くなるから、
ライトつきっぱなしなんじゃないのぅ?
な:その『暗い』じゃなくてね・・・
ぷ:よしみちゃん。
な:・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぷ:あ、ついたついた。 おもろい。