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僕が夜型から抜け出せない理由。
at 2000 04/17 02:17

        ある雨の降る夜中。 午前3時くらいだったろうか。

        僕は仕事の気分転換のために傘をさしながらコンビニへ、
        軽い夜食とタバコを買いに行った。
        雨は結構な激しさだった。
        夜中の住宅街、それもこんな雨だと、人は全く歩いていなかった。

        僕が帰ってきてドアのカギをかけ、サンドイッチを食べようかと
        コンビニの袋をあさっていたら、玄関のベルが鳴った。 
        午前3時半、それもこんな雨降りに。

        最初は酔っぱらいかなにかのイタズラかと思って無視したけど、
        ベルは鳴りやまなかった。
        ドア越しに「どなたですか?」と尋ねてみた。

        「開けて! とにかく開けてください!」

        女の人の声だった。
        僕はカギを開けると、そこにはビショ濡れの、髪の長い女の人
        (20代半ばくらい)が立っていた。

        「ゴメンなさい、雨宿りさせてくれない?」

        「・・・へ?」
 

        タオルを貸し、コーヒーを入れた。
        彼女は勝手にコタツに入ってテレビのリモコンをパチパチやっていた。

        「こんなに降るとは思ってなかったのよ。 傘持って出ればよかったわ。」

        「家は遠いんですか? 雨宿りならコンビニに行きゃあいいのに。 
         こんな夜中に・・・」

        「だって、キミが家に入っていくのが見えたもんだから。 
         私、ココの前の道路、仕事場から家までの通り道なのよ。 
         いつも夜中にココの電気がついてるのを見てるからさ、
         きっとまだ起きているだろうなと思って。」

        「・・・まぁ起きてるけど・・・でもそんな、いきなり
         知らない人の家によく・・・」

        「知らなくないよ。 
         ココの前通るときに何度かキミが家を出たり入ったりしてるの見てたし。
         そんな悪い人じゃなさそうだなと思ってたし。 
         私結構そーゆーの、鼻が利くのよね。」

        「・・・はぁ・・・」

        「だからいつかこんな事があったときにはココで雨宿りさせてもらおうと
         チェックしてたのよ。 フフフ。」

        「フフフって・・・はぁ・・・」

        「いつもこんな夜中まで起きてるの? なんで?」

        「なんで・・・って、別に・・・夜型の生活なんですよ。」

        「ふ〜ん、私も夜型。 仕事がどうしても夜遅くまでかかっちゃってね。 
         あ、多摩川くんは・・・」

        「へ? なんで僕の名前知ってんの!?」

        「だって表札に書いてあるじゃない。」

        「あ、そうか。」

        「多摩川くんはひとり暮らしなんだね。 
         彼女・・・も・・・居なそうだし・・・」

        「はぁ、すいませんねぇ。」

        「いや、都合いいなと思って。 これからたまに寄らせてもらっていいかな?
         この時間だと友達も寝ちゃってるし、話相手がいないのよね。」
 

        そんなこんなで、それから彼女は毎晩のように夜中3時にうちに寄るようになった。
        特に何をするというわけでもなく、ふたりで夜食を食べながら、どうでもいいことを喋った。
        最初は迷惑だなと思っていた僕も、だんだんとこの習慣が好きになってきた。
        僕も彼女も、こんな場を求めていたんだ。

        僕と彼女の「夜型の会」は今でも続いている。

        だから僕は夜型生活から抜け出せないのだ。
 
 
 
 
 
 

        というのは嘘で。
         
        はぁ〜、朝型生活に戻したいなぁ・・・
        こんなくだらないこと書いてないで、とっとと寝りゃあいいんだろうな。(笑)



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