札幌からちょっと外れたところに、長沼町というところがあります。
ながぬま。
まーなんでしょう、「長沼ジンギスカン」とか、
ゴルフ場とかスキー場とかあります。
あ、たしか「ハイジ牧場」というのもあったか。
そんな、なにもない町。
母方の墓がありますので、墓参りに。
「ははがたのはか・・・クスッ!」
なにやら言うぷう太氏。
しかしなにものかの耳には届かず。
こんな感じで、なにもない。
「本当にこんなところにぷう子が?」
「え? いや、別にココにぷう子がいるなんて誰も言ってないすよ。」
「へ? じゃあなんでココへ?」
「墓参り。」
「ははがたのはか・・・クススッ!」
だんだんと本来の目的からそれてくる一行。
こんなのを食べたりしながら、なかなか楽しげ。
と、そこへ・・・・
「ちょっと、お待ちなさいな。」
「・・・・へ? 誰?」
「ここよ、ここ。」
「私よ、わたし。」
「・・・・・誰ですか?」
「足もとの立て札を御覧になって?」
「私、めぐちゃん。 いらっしゃいませ。」
「・・・・・アレェ? ・・・コレって・・・・・・・・・・ウラ・・・」
「ダメ! そんなこと言っちゃダメよ!
著作権とか、いろいろあるんだから!」
「・・・で? 私に何の用なの?」
「・・・別に用なんて無いですが。」
「あ、そう。」
・・・・やれやれ・・・まいったなぁ・・・
またヘンなのにつかまったようだ・・・
「ねーねー、そこのカメラ持ったお兄さん?
ちょっとココから・・・このアングルで撮ってみなさいな。」
「・・・・へ?」
「いっやぁ〜〜〜〜ん!」
「どう? ミニにタコができたって感じ?」
ネタが微妙に古い。
「あっ! いや〜〜〜ん! まってぇ〜〜〜〜〜!!」
そーこーしてるうちに、
我がドッペル一行は林に迷い込んでしまったようだった。
林の奥から音楽が聴こえてきた。
それほど大きな音ではない。
聞こえるか聞こえないか、そんな遠い音楽の響きだ。
しかしその響きは顔のない水夫が夜の海に沈んだ碇をゆっくりと
たぐりよせるように、徐々に、しかし確実にぷう太を覚醒させた。
ひょっとしてぷう子はこの今、どこかで、
この同じ音楽を耳にしているのではあるまいか?
ぷう太はふとそう思う。
音楽の聞こえる方に向かって、少し歩いてみることにした。
歩いて行けるところまで行ってみよう。
・・・なーんていう、村上節をブツブツと言いつつ、
ぷう太さんは林の中を進んだ。
と、そこには・・・
ヤギ一家が。
「メェ〜〜〜。 コンニチハ、ヤギです。」
「こんにちはヤギさん。 このへんにペンギンの娘は来ませんでしたか?」
「メェ〜〜〜。 ペンギンかなにかは知らんけどもがな、なんか鳥みたいなのなら
この先の広場で見たような、見ないような。
そんな噂を聞いたとか、聞かないとか。」
「はっきりしないヤギだなぁ・・・」
とりあえず、その広場とやらに行ってみることに。
全てが確信に近づきつつあった。
やっとぷう子に・・・
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なにっ!?
なんですとっ!?
ぷう子がこんな姿にっ!?
あの優しかったぷう子がっ!?
んなわきゃあ無いよね。
その頃ぷう子は・・・
家で「ザ・トップテン」を録音していた。
「兄さん達、どこへ行ってしまったのやら。」
・・・・にやり。
〜おわり〜