04『長沼編』

札幌からちょっと外れたところに、長沼町というところがあります。
ながぬま。
まーなんでしょう、「長沼ジンギスカン」とか、
ゴルフ場とかスキー場とかあります。

あ、たしか「ハイジ牧場」というのもあったか。

そんな、なにもない町。
母方の墓がありますので、墓参りに。

「ははがたのはか・・・クスッ!」

なにやら言うぷう太氏。
しかしなにものかの耳には届かず。


こんな感じで、なにもない。

「本当にこんなところにぷう子が?」

「え? いや、別にココにぷう子がいるなんて誰も言ってないすよ。」

「へ? じゃあなんでココへ?」

「墓参り。」

「ははがたのはか・・・クススッ!」

だんだんと本来の目的からそれてくる一行。
 

こんなのを食べたりしながら、なかなか楽しげ。
 
 
 
 
 

と、そこへ・・・・

「ちょっと、お待ちなさいな。」
 
 

「・・・・へ? 誰?」
 
 
 
 
 
 


「ここよ、ここ。」
 
 


「私よ、わたし。」

「・・・・・誰ですか?」
 

「足もとの立て札を御覧になって?」
 
 

「私、めぐちゃん。 いらっしゃいませ。」
 

「・・・・・アレェ? ・・・コレって・・・・・・・・・・ウラ・・・」

「ダメ! そんなこと言っちゃダメよ!
著作権とか、いろいろあるんだから!」

「・・・で? 私に何の用なの?」

「・・・別に用なんて無いですが。」

「あ、そう。」
 
 
 

・・・・やれやれ・・・まいったなぁ・・・
またヘンなのにつかまったようだ・・・

「ねーねー、そこのカメラ持ったお兄さん?
ちょっとココから・・・このアングルで撮ってみなさいな。」

「・・・・へ?」
 
 
 
 
 
 
 
 


「いっやぁ〜〜〜〜ん!」
 
 


「どう? ミニにタコができたって感じ?」
 

ネタが微妙に古い。


「あっ! いや〜〜〜ん! まってぇ〜〜〜〜〜!!」
 
 
 

そーこーしてるうちに、
我がドッペル一行は林に迷い込んでしまったようだった。

林の奥から音楽が聴こえてきた。


それほど大きな音ではない。
聞こえるか聞こえないか、そんな遠い音楽の響きだ。
しかしその響きは顔のない水夫が夜の海に沈んだ碇をゆっくりと
たぐりよせるように、徐々に、しかし確実にぷう太を覚醒させた。

ひょっとしてぷう子はこの今、どこかで、
この同じ音楽を耳にしているのではあるまいか?
ぷう太はふとそう思う。

音楽の聞こえる方に向かって、少し歩いてみることにした。
歩いて行けるところまで行ってみよう。
 

・・・なーんていう、村上節をブツブツと言いつつ、
ぷう太さんは林の中を進んだ。
 

と、そこには・・・
 
 
 
 
 


ヤギ一家が。

「メェ〜〜〜。 コンニチハ、ヤギです。」

「こんにちはヤギさん。 このへんにペンギンの娘は来ませんでしたか?」

「メェ〜〜〜。 ペンギンかなにかは知らんけどもがな、なんか鳥みたいなのなら
この先の広場で見たような、見ないような。
そんな噂を聞いたとか、聞かないとか。」
 

「はっきりしないヤギだなぁ・・・」

とりあえず、その広場とやらに行ってみることに。

全てが確信に近づきつつあった。

やっとぷう子に・・・
 


















 
 
 
 
 
 


なにっ!?
なんですとっ!?
 


ぷう子がこんな姿にっ!?
あの優しかったぷう子がっ!?
 
 

んなわきゃあ無いよね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

その頃ぷう子は・・・
 


家で「ザ・トップテン」を録音していた。

「兄さん達、どこへ行ってしまったのやら。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 


・・・・にやり。
 
 
 

〜おわり〜


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