at 2002 09/02 03:21 編集
高校2年の時の話。
砂原まゆみさん(仮称)はショートカットで小柄で大人しい女の子だった。
僕にとってはその程度の印象しかなかった。
砂原さんとは1年生のときから同じクラスだった。
でも彼女と喋ったことはほとんど無かった。
1年生から2年生に上がるときにクラス替えがあって、
だいたいの友人はバラバラになった。
僕と同じ「元1年10組」は、その砂原さんだけだった。
2年生になった初日、廊下に貼り出されたクラス割り名簿を見て、
新しいクラスに1年生の時の友人が一人もいないのを知った僕は
かなり落ち込んでいた。
人見知りの激しい僕は、この友人のいないクラスでこれから1年間
過ごすことを思うと、落胆と不安でいっぱいだった。
そして友達作りが下手な僕は、また新たにこのクラスで友人を
作らなきゃならないと思うと、足取りも重かった。
教室に入り席に座る。 殺伐とした空気。
最初はアイウエオ順の出席番号に沿っての席。
そしてその席順で、僕の席の隣は偶然にも砂原さんだった。
顔を合わせるなり
「また同じクラスだね、よろしくねー」と、砂原さんが笑顔で僕に言う。
「そうだね、また・・・ね。 うん。 どうもどうも。」
みたいな返事をする僕。 ダメな僕。
1年生のときはほとんど喋ったことが無かったんだもの。
なのに2年で偶然また同じクラスになり、席が偶然隣になったからって、
笑顔で「よろしくね」と言われても、僕には「どうも」としか言い様が無かった。
そして僕には昔からネガティブ思考があったから
「なんでコイツと一緒なんだよ」って思われていたらヤだなぁと
薄々感じている部分もあったし、
あと、その時の彼女の笑顔に、ちょっとだけドキっとしていた
ってのも、無いことは無い。 というか、ある。
クラス替え直後の最初のひと月くらいは、みんなまだそんなに
打ち解けていなくて、まだみんな「さぁこれから気の合う奴を探すか」
みたいな空気を教室中に漂わせている。
僕も、そして砂原さんも例外ではなく、まだ新しい友人も出来てないし、
席も隣だし、とりあえず元同じクラスだったこの人となら
少しは話しやすいな、なんてお互い思っていた。
選択科目は何にするか、放課後の講習は何を受けるか、
数学の宿題って何だったっけか、英語の教科書訳を見せてくれだとか、
そんなようなことを喋った。
クラスがまだ打ち解けていない空気の中、僕と彼女だけは
なんだか妙に打ち解けていた。
そんなある日、朝学校に来て教室に入るやいなや、
「彼氏じゃないよぅ」
という声が聞こえた。
砂原さんだった。
彼女の席の周りに集まって話していた女子が
「始業式のときから2人で喋ってたから、彼氏だと思ってた〜」
と言っている。
僕が自分の席(彼女の隣の席)に座ろうとすると、
その話は終わったようで、みんな散っていった。
・・・なんとなく話しづらい。
さっきの話はきっと僕のことだと思った。
様子を伺おうと思ったけど、特になんにも伝わってこない。
砂原さんは普通に普段通りに「おはよう」と僕に言う。
僕も「おはよう」と言う。
その後、僕にも彼女にもそれぞれクラスに新しい友人が出来て、
席替えで隣同士だったのもバラバラになり、
彼女とはあまり喋らなくなった。
それから少しして、彼女には付き合っている男(他のクラスの奴)が
いることをなんとなく知り
(もともと前から付き合っていたのか、
新しく付き合いだしたのかは知らないけど)、
1学期が終わる頃には僕と砂原さんが喋ることはもうほとんど無かった。
まあ1年生のときだってほとんど喋っていなかったわけだし、
ただその頃の関係に戻ったっていうだけなんだけど。
こーゆーのって結構ダメージがある。
2学期の僕は結構落ち込んでいたような記憶がある。
別に振られたっていうわけでもないし、
これからゆくゆくは告白しようと思っていたわけでもなかったんだけど。
ただなんとなく、あの1学期はなんだったんだろうとか、
あの1学期が、あの隣同士だった席順が、
このままいつまでも続いてほしかったなとか、
そんなようなことを漠然と思いながら、僕は残りの高校生活を送った。
今から11年も前の話だ。
あいかわらずな僕。
実際のところ、チャンスってのは意外とそこらじゅうに転がっているのかもしれない。
終わってゆく。
at 2002 09/03 00:54 編集
北の国から、もうすぐですね。
楽しみです。
僕は初期のドラマシリーズもだいたい見ましたけど、
特に初恋編からが好きです。
初恋編、いいですねぇ。
当時僕も、いざというときのためにドライバーを持ち歩こうか
とか思ったものです。
そして下校の道で自転車のチェーンが外れて困っている
クラスメイトの女の子とかを助けてみたいという妄想を
抱いておりました。
ペンチって呼ばれたいなと思っておりました。
長い間、初恋編がベストだったんだけど、
レイちゃんとの電話デートもいいなと思ったり、
裕木 奈江との出会いもいいなぁと思ったり、
宮沢りえを許す純に感動したり・・・
という感じで、結局どれもいいですね。
そんな北の国からもとうとう最終回です。
うう、悲しいなぁ。
最終回と言えば、
北海道のローカル番組「水曜どうでしょう」も
とうとう終わるらしいですね。
僕は東京なので、帰省したときくらいしか見れなかったんですが
(有料ネット配信も結局申し込まなかった)
うーん、悲しい。
パパパパパフィーも終わったし、もう大泉洋からかなり離れて
しまうことに・・・
でも今年末か来年にDVD「どうでしょう全集」が出るらしいです。
これは嬉しい。
絶対手に入れなくては。
そんな感じで、好きなものが終わっていくのは寂しいものですね。
そのものだけじゃなく、それと一緒に歩んだ自分の生活も
微妙に色褪せる感じで、つらいものがあります。
ところで、話は変わりますが、
犬を飼い始める夢を見ました。
舞台は実家(それも昔の家)、実家では実際にシェルティーを
飼っているんですが、洋犬は大人になるにつれ鼻のあたりが長く
なってくるのでイマイチなんですよ。(いやまーかわいいけど)
それで夢の中の僕は、「じゃあ僕は日本犬にしよう」とか思って、
日本犬っぽい雑種の黒い子犬を入手。
んで飼い始めるわけですが、それがすごいかわいくて。
で、飼っているうちに、親が「その子もシェルティーだね」
と言うわけです。
雑種だと思っていたらシェルティーだった。 ちょっとガッカリ。
という夢です。
まーどーでもいい夢なんですけどね。
犬がかわいかったなぁと。
いつかそのうち飼いたいなぁ、犬。
コンビニのあの子。
at 2002 09/17 00:57 編集
とりあえず、ビデオに録ってあった「北の国から2002遺言」を
見ました。
面白かったです。 ここで終わりなのはなんか悲しいなー。
村上春樹の新刊『海辺のカフカ』を買いましたがまだ読んでないです。
サターンのゲーム『街』、まだ「2日目」の途中です。
面白いんだけど、2週間に1度の休みの間だけでは「1日分」しか進めない。
最後までいくころには冬になってるかもなぁ。
見たい映画・ビデオも貯まってきています。
遠出もしたいです。
仕事関係も忙しいです。
うーんやりたいことだらけだ。
幸せというか、なんというか。
北の国からと言えば、
今回は内田有紀が出てくるんですが、
まーコンビニでバイトしてるわけです。
そしてコンビニバイトと言えば・・・・
僕は小学1年から6年までずーっと片思いしていた女の子がいました。
まあ小学生なので、ほのかなものだったんですけど。
その子は明るくて活発で、それでいて大人っぽくてショートカットで
目が切れ長で、いつも黒っぽい服を着ていたような記憶があります。
同じクラスだったのは1〜3年だけだったと思います。
彼女にはお姉さんがいて、僕の姉と同学年でした。
小学生のクラスメイト程度のお喋りや一緒に遊ぶなどしましたが、
まあその程度の間柄です。
中学はたしか別々になりました。
いや、一緒だったかな、よく憶えてません。
中学に入ってからはその程度の気持ちだったんでしょう。
そして高校に入り、もちろん高校も別々。
冬(多分高校2年の冬)になり、学校のスキー授業のために、
前日に近所のコンビニにお菓子や携帯カイロを買いに行ったんですよ。
そしたらレジにいたわけです。
彼女が。
そこのコンビニでバイトしてたわけです。
学校は別だけど、一応近所(というか同じ地区)には住んでいたんです。
だからこうして近所でバッタリ会うのは、別に珍しいことでもなんでも
ないんですけどね。
でも彼女にはそれでも数年振りに会いました。
僕が店に入って、彼女は「いらっしゃいませ」と言う。
そこでふたり同時に「あっ」と言いました。
「うわ、久しぶり!」「だねー!」という話になりました。
でも別に、それくらいで。
他に特に話すこともなく。
確か・・・
彼女「お姉ちゃん元気?」
僕「うん、元気。 いつからココでバイトしてんの?」
彼女「最近」
僕「ふーん。 毎日?」
彼女「うーん、結構、週4〜5日くらい」
僕「ふーん」
程度の話。
僕はカゴにテキトーにお菓子を入れ
(もうお菓子のことなんてどうでもよくなっている)、
カイロを探したけど見つからなくて、彼女に
「カイロって売ってないの?」と聞いて、
彼女は「あ、カイロね、そこにあるよ」
と案内してくれて。
レジで清算を済まし、「んじゃね」と言って店を出た。
『近所のコンビニであの子がバイトしてる』
そう思うと、つまんない日常が一気にドキドキするものとなった。
そのコンビニは、家から一番近いというわけではなく、
2番目か3番目だったんだけど、彼女を見るために
週に1回は行くようになった。
その頃買ってた少年ジャンプかスピリッツかも、
その店まで買いに行った。
高校生になった彼女はあいかわらずかわいくて、大人っぽくて、
たしか中学あたりから、その頃で言う「不良」っぽくなって
高校も留年して僕は2年だけど彼女は今まだ1年だという
噂も耳にしていたけど、そんなことはどうでもいい。
僕はただ彼女とちょっと顔を合わせて挨拶して
ちょっと世間話をして、冗談を言って笑って、
ただそれだけで良かったんだ。
店に行くたびに「彼女いるかな」とドキドキしながら、
レジのほうをチラチラと確認した。
3割くらいしか彼女に会うことはできなかった。
そのうち数カ月したら、彼女をまったく見なくなり、
僕もいつのまにかその店に行くこともなくなり
家から一番近い店で用を済ますようになった。
高校を卒業して僕は北海道を出た。
彼女は今頃どうしているだろう。
まー、普通に結婚してるんだろうな。
KAN好きの僕としては。
at 2002 09/29 23:54 編集
この前のミュージックステーションのスペシャルで、
名曲ベスト100みたいのをやっていたんですけど、
KANの「愛は勝つ」が55位に。
そしてタモさんが「ああ、KANね、いたね、最近どうしてるんだろうね」
みたいなコメントを。
うう、悲しいー、くそー。
今だってコンスタントにアルバムだって出してるってのに。
そしてその扱いよりなにより、まずやっぱり「愛は勝つ」が選ばれちゃってる
っていうのがね・・・
いや、選ばれるだけでもたいしたもんなんだけどね。
複雑な気分ですな、KANファンとしては。
僕の中では「愛は勝つ」はKANの曲のベスト30にも入ってこないから。
そんな中、出演アーティスト個人のベスト3ってのもやってて、
そこで矢井田瞳が「まゆみ」を上げていました。
「大好きなんですよねこの曲。すばらしい曲だと思うんですけど。
なんか質感とかも大好きやし、詞のはまり、詞のはめ方とかも
ほれぼれしちゃう。大好きです。」
みたいなことを言うヤイコ。 おーサイコーだー。
そこに平井堅も
「僕も偶然選んでいて、大好きですね。KANさんすごい好きなんですけど、
KAN好きとしては、こう愛は勝つよりまゆみっていう。ルールがある。」
おおーいいぞー平井堅〜! もっと言ってやれー!
そんな感じで、痛快でした。
あの場にaikoやミスチル(桜井)なんかもいれば
もっとKANをフォローしてくれただろうなぁ。
そして「愛は勝つの人」だったKANが見直されるようになってくれると
嬉しいなぁ〜〜。
結構業界人からの評価が高いみたいですね、KAN。
どうしても愛勝のイメージがなぁ・・・
いや、まーそれでも100曲の中に選ばれるだけでも
スゴイことなんですけどね、もちろん。
ちなみに、番組見た方で、
「まゆみって曲知らないケド、平井堅やヤイコがあんなにベタ誉めするん
だからきっとすごく良い曲なんだろうなー、聴いてみたいなー」
という人がいましたら、
『TOKYO MAN』というアルバムの2曲目に入っています。
1993年に出たアルバムで、もう店で見つけるのは困難かもしれません。
中古屋やレンタルで探してみてくだされ。
このアルバムの1曲目の「丸いお尻が許せない」という曲で
引いたりせずに、どうか全部聴いてみてくだされ。
ベスト盤
『THE BEST SINGLE FIRST DECADE』や
『TREASURE COLLECTION KAN BEST』にも入っています。
あ、そうそう、でも「まゆみ」もいいけど、
KANはそれが一番ってわけでもないと思う。 KAN好きの僕としては。