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尿の勢いを調べる方法

ー病院での検査ー
ー自宅での検査ー




病院での検査

尿流測定

専用の装置を用いて尿の勢いを正確に調べます。尿流率だけでなく、尿線が途切れたりする様子も記録されます。
計測値のうち最大尿流率の値が最も重要視されます。ただ、排尿量が多いほど,尿流率が高くなることが知られており、 最大尿流率の正常値は明確には規定されていません。排尿量と年齢に応じておおよその目安が示されているだけです。

この図はある入院患者さんに、一日中の排尿を記録してもらったものです。決して毎回同じではないことがわかると思います。
ですから、病院の外来で一回だけ行った尿流測定の値が、さっきのおおよその目安より低くても、それで尿の勢いが悪いと判定することはできないのです。

自宅での検査


最大尿流率は専用の機械がないと測定できませんが、平均尿流率は尿量と排尿時間から計算できます。

最大尿流率と平均尿流率は相関していますから、平均尿流率からでも排尿障害の有無は判定可能です。

トイレに、秒針つきの時計と 計量カップを用意しましょう。 計量カップは、紙コップにご自 分で100ミリリットルと200ミ リリットルのところに目盛りを つけるのでも十分です。
さて、紙コップに排尿して、 出始めから出きるまでの時間を 測ります。そして、尿の量を排 尿の時間(秒)で割ります。
 たとえば、200ミリリットル 排尿するのに30秒かかれば、 200割る30で6・7。つまり、 1秒あたり尿が流れる量(平均 尿流率)は6・7ミリリットル というわけです。
この数字が毎秒5ミリリット ル以上であれば、まず安心です が、5未満だったら、要注意です。

尿の勢いは、尿量に影響されます。あまりおしっこがたまっていないのに、例えば映画の始まる前に無理にしようとすると、ちょろちょろ しか出ないのはどなたでも経験されたことがあると思います。

左のグラフは、私が自宅でコップに時計を見ながら排尿し、200回、平均尿流率を測定した時のものです。横軸は尿量、縦軸は平均尿流率です。

排尿量が多いほど,尿流率が高くなることが知られていますが、そのとおりの結果になっています。

特に、尿量が200ml以下のときは、尿流率が毎秒5ミリリットル未満のことがあることにご注目ください。

Microsoft Excelを用いれば、どなたでもこの図を作ることができます。第1列に尿量、第2列に排尿時間を入力し、第3列に平均尿流率(第1列/第2列)を計算させ、第1列を横軸に、第3列を縦軸にした散布図を描かせれば良いのです。

私と尿の勢いの力比べをしてみてください。病院の外来で一回だけ行った尿流測定の値より、このグラフの方がデータとしてはるかに有用だと私は思います。
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