先週水曜の「ためしてガッテン」のテーマはかぶれでした。 原因物質に接触してから発疹の出現まで1日のタイムラグがあるⅣ型アレルギーの機序を、 樹状細胞まで登場させて、説明していました。
樹状細胞がリンパ球に渡すのは、指名手配のポスター、というのはなかなか分かりやすい例えでした。
では、診察中に、樹状細胞や指名手配のポスターを登場させて説明したら、 湿疹のメカニズムを理解してもらえるでしょうか?
5年前に作ったうろでるプレス。 この中では、
「皮膚は、外敵の進入を阻むため、何重もの防衛機構を備えています。 これらは寄生虫や細菌が体に進入しようとしたときには非常に有効な防衛軍です。 しかし、本来体に害をなさない物質が入ってきたときにも防衛軍は作戦を開始してしまいます。」
と説明していますが、これだけの説明でも、短い診察時間中に理解してもらうのはまず無理。
「本来体に害をなさない物質が入ってきたとき」の後を、 「樹状細胞がこれを凶悪犯人と判断した時には、指名手配のポスターをリンパ球に渡します。」 「するとリンパ球は鉄砲を持って出動してしまいます。本来戦う必要のない相手に対して。」
と、書きなおすと、ますます説明が煩雑になりそうです。 登場人物を増やさずに、湿疹のメカニズムを説明できないものか、ちょっと考えてみます。
2013年5月22日の院長ブログ原稿