Святослав Рихитер
リヒテルさんが
演奏した作曲家たち
演奏しなかった作曲家たち
English name 日本名      リヒテルさんの評価と演奏曲目
                  
                      リヒテルさんが演奏した作曲家
 
J.S.Bach
バッハ 『古い伝統の源泉がロマン主義的なものであったせいで、ソ連ではバッハを弾くピアニストがほとんどいませんでした。《平均率クrヴィア曲集》はコンサートの演目にはけっして入りませんでした。オルガン曲をリストやブゾーニが編曲したものだけが市民権をもち、四十八の〈前奏曲〉と〈フーガ〉はただ音楽院の試験科目に適した曲とみなされていました。私以前に(のちにはマリア・ユージナがいますが)プログラムに入れたのは、サムイル・フェインベルクくらいしか思いあたりません』(『リヒテル』90n
 リヒテルさんは、全曲録音や全曲演奏にまったくこだわらなかったピアニストです。そのリヒテルさんは、平均率クラヴィーア集第1巻・第2巻の全曲録音を残しておられます。
 その他、ピアノ協奏曲も数曲、トッカータ、イギリス組曲、フランス組曲、イタリア協奏曲など多数の演奏をCDできくことができますが、パルティータをきくことはできません。演奏記録もありません。なぜでしょうか?
Bela Bartok
バルトーク ピアノ協奏曲第2番、二台のピアノと打楽器のためのソナタ、バイオリン・ソナタなど
Ludwig van Beethoven
ベートーヴェン ベートーヴェンの演奏で傑出したDISCをリヒテルさんは残しています。作品10の3,テンペスト、アパッショナータ...。しかし、月光やワルトシュタインや皇帝協奏曲は頼まれても演奏されませんでした。自分の気に入らない曲は一切演奏しないことをつらぬいてきたリヒテルさんがつくった唯一の例外が、ピアノ・ソナタ作品110だったそうです。
 主な演目は、ピアノ協奏曲1番と3番、三重協奏曲、ピアノ・ソナタ第1,3,4,6,7,8,9,10,11,12,17,19,20,22,23,27,28,29,30,31,32番、チェロ・ソナタ、バイオリン・ソナタ、ディアヴェリ変奏曲、バガテルなど
Alban Berg
ベルク リヒテルさん自身のことば―――『ベルクでもユーモアは顕著ではありません。彼の《室内協奏曲》をさらうのに、ほとんど一年を費やしてしまいます。他に類を見ないこの曲にはおそろしくむずかしい箇所があって、それを克服するには実際に百回ほどのリハーサルが必要であることがわかりました。さもないと演奏不可能だったでしょう。共演したのは音楽院の学生オーケストラで、指揮はユーリー・ニコラエフスキー、無名の指揮者ですが、正確で、彼とはストラヴィンスキーの《ムーヴメンツ》も演奏しました。...われわれの録音は、パリのアテネ劇場での実況録音でした。録音技師がこの曲を知らなかったので、音量を下げるべきところで上げてしまうという誤りを犯しました。この欠陥を除けば、これは私が最も誇りに思っている録音のひとつです。』(「リヒテル」210n)
 室内内協奏曲
Johannes Brahms
ブラームス  ピアノ協奏曲第2番は、リヒテルさんが頻繁に演奏された曲目だと思います。しかし、第1番は演奏されていません。なぜ?
 その他、バラード、インテルメッツォ、ピアノ五重奏曲、ピアノ・ソナタ第1,2番、チェロ・ソナタ第1番、バイオリン・ソナタ第1,2,3番など
Benjamin Britten
ブリテン  ブリテンとリヒテルさんは、ロストロポーヴィッチさんを介して、知り合いとなり、オールドバラ音楽祭への出演なでを通じて、心からの友人関係が生まれたそうです。ブリテンさんとリヒテルさんは連弾もされていますが、リヒテルさんはやりにくかった(笑)そうです。
 リヒテルさん自身のことば―――『ロシア以外の同時代音楽としては、主にブリテン、ヒンデミット、ストラヴィンスキー、ベルク、ウェーベルンに取り組みました。ブリテンのもので最初に弾いたのはチェロ・ソナタで、まずロストロポーヴィッチと演奏し、のちにナターシャ・グートマンという非凡な音楽家と共演しました。...そのあと、ピアノ協奏曲を弾きました。ラヴェルとプロコフィエフの影響を受けて書かれた若さあふれる曲で、ちょっと未熟かもしれませんが、イギリス風でとても好感がもてます。』(「リヒテル」206-207n)
ピアノ協奏曲作品13,チェロ・ソナタなど
Alexander Borodin
ボロディン Au Couvent, Mazurka in C and Serenade from "Petite Suite"
Frederic Chopin
ショパン ショパンは演奏家としてのリヒテルさんの中心をしめる作曲家だと思います。はじめてのレッスンで弾いた曲は、ショパンのノクターン第1番と練習曲作品10の4。オデッサでの19歳の初リサイタルは、オールショパンのプログラム。お得意は、バラード第4番みたいです。
 その他、舟歌、ピアノ協奏曲第2番、練習曲、マズルカ、ポロネーズ、夜想曲、スケルツォ、ワルツなどなど
Copland
コープランド リヒテルさんは、コープランドのピアノ四重奏曲を演奏したといっています(「リヒテル」206n)
Alexander Dargomizhsky
ダルゴミシュキー ドリアクさんの歌曲の伴奏で演奏しただけみたいです。
Claude Debussy
ドビュッシー  リヒテルさんは、絵画を自分で描かれます。もちろん、プロについて習ってもいたそうですが。それと関係あるかないのか、ドビュッシーさんもリサイタルで頻繁に取り上げておられます。
 前奏奏曲集、練習曲集、映像、喜びの島、ベルガマスク組曲など
Antonin Dvorak
ドヴォルザーク ピアノ協奏曲ト長調、ピアノ五重奏曲第1番と第2番
Manuel Falla ファリャ リヒテルさん自身のことば―――『ラヴェルとドビュッシーが、スペイン音楽を当地の作曲家よりもうまく代弁し、それにいっそう普遍的な意味を与えていると思われました。ですから、この方面ではそれ以上の冒険はしませんでした。例外といえば、ニーナ・ドルリアークがマヌエル・デ・ファリャの《スペイン組曲》を歌ったときに伴奏したくらいです』(「リヒテル」211n)
妻ドリアークさんの伴奏での《スペイン組曲》
→録音はないと思います
Cesar Frank
フランク 前奏曲・コラールとフーガ、バイオリン・ソナタ、ピアノ五重奏曲など
George Gershwin
ガーシュイン ピアノ協奏曲ヘ長調
Alexander Glazunov
グラズノフ  リヒテルさん自身のことば―――『今日ではほとんど忘れられてしまったロシアの二人の作曲家、グラズノフとミャスコフスキーも、私のレパートリーに入っています。グラズノフは優れた作曲家であり何でも知っている音楽家で、最後は流浪の身となってパリで死ぬのですが、当時のロシアの音楽生活に大きな影響を及ぼしました。私はオデッサで会いました。ときどき自作を振りにきたのです。完璧な出来ばえの、とても優美な交響曲とバレエでした。彼のコンチェルトを弾きましたが、きわめて複雑な対位法を含む曲です。それもまた、五日間で習得しなければなりませんでした。当時私はバッハに没頭していて、いつも時間が足りなかったからです。』(「リヒテル」206n)
Mikhail Glinka
グリンカ 歌曲集の伴奏
Edvard Grieg
グリーグ ピアノ協奏曲作品16,叙情小曲集、チェロ・ソナタ、バイオリン・ソナタ第2番など
G.F.Handel
ヘンデル リヒテルさん自身のことば―――『ヘンデルの《組曲》には愛着を寄せていますが、これは私には、バッハの大部分の作品よりも習得しにくい作品です。それはおそらく、〈平均率クラヴィア曲集〉や〈イギリス組曲〉に比べて、「音楽」が少ないせいでしょう。』(「リヒテル」200n)
ピアノ組曲2,3,5,8,9,12,14,16番
Franz Josef Haydn
ハイドン ハイドンは晩年のお気に入りの作曲家のように思えます。ご本人は、モーツァルトよりもハイドンが好きだっておっしゃっています。
 演奏曲目は、ピアノ・ソナタ第11,31,32,33,37,39,44,47,54,55,58,59,60番など
Paul Hindemith
ヒンデミット リヒテルさん自身のことば―――『ヒンデミットはおそらく、音楽における「ゲルマン性」の最後の巨匠です。...ヒンデミットにはそれに加えて、人が見過ごしているユーモアがあります。彼の作品は十ばかり弾きました。四曲のヴァイオリン・ソナタをオレグ・カガンと、ヴィオラ・ソナタをユーリー・バシュメットと弾きました。しかし私にとっての傑作は、超人的力強さをはらんだピアノ組曲〈1922年〉と、パリでナディア・ブーランジュが私に弾くように勧めた《ルードゥス・トナリス》です。音楽は驚異的です。...彼はまじめな音楽家でしたが、作品にはまったく意想外の第二の面があります。根が途方もなく明るくて、言うまでもなく天才的な頭脳をもつ人間の、反映なのです。』(「リヒテル」207-210n)
 ピアノ・ソナタピアノ・ソナタ第2番、ビオラ・ソナタ作品11など
Liszt Ferenc
リスト ソ連映画「グリンカ」のなかで、リヒテルさんはリストの役で出演しています。ぎこちなさがなくって、いい演技に思えました。セリフがほとんどないせいでしょうか。
 リヒテルさんのリストはスケールの大きい演奏です。
 ピアノ協奏曲第1番と第2番、ピアノ・ソナタなど
Nicokai Medtner
メトネル バイオリン・ソナタ第1番作品21
Felix Mendelssohn
メンデルスゾーン 無言歌集から
Nicolai Miaskovsky ミヤスコフスキー 『今日ではほとんど忘れられてしまったロシアの二人の作曲家、グラズノフとミャスコフスキーも、私のレパートリーに入っています。...ミャスコフスキーは古い流派の人で、まじめで閉鎖的でした。プロコフィエフの友人でしたが、チャイコフスキーとスクリャービンを混ぜたような音楽を書きました。三十近くの交響曲を作りましたが、そのなかのいくつか、四番、五番、六番、それに二十一番(「学生サークル」で私たちが弾いた曲です)は注目に値します。彼のものとしては、第三・ソナタを弾きました。雄弁でないにしても情緒的な作品ですが、健全な複雑さをはらんでいます。』(「リヒテル」206n)
W.A.Mozart
モーツァルト ピアノ協奏曲第1,5,9,15,17,18,20,22,24,25,27番、ピアノ・ソナタ第2,4,5,7,8,13,14,15,16番、バイオリン・ソナタなど
Modest Mussorgsky
ムソルグスキー きっと「展覧会の絵」はお気に入りの演目だったと思います。ヴィルトーゾぶりが発揮されたDISCは、何種類も残されていますが、どれもすばらしいものです。
 ほかには、歌曲の伴奏など。
Francis Poulenc プーランク Aubade
Sergei Prokofiev
プロコフィエフ  プロコフィエフさんとリヒテルさんの出会いをつくったのは、先生のネイガウスさんです。プロコフィエフさんのプライベートな演奏会で、ピアノ・ソナタ第6番の作曲者自身の演奏をきいたあと、演奏会でそれを初演します。その初演に立ち会ったプロコフィエフさん自身からピアノ協奏曲第5番の演奏を依頼されます。そして、「伝説」が生まれます。つまり、その演奏会での大成功がリヒテルさんの名声を確立するのです。第7番と第9番のソナタを献呈されています。
 モンサンジョンさんの作品で紹介されているリヒテルさんのプロコフィエフ論も興味深いです。
 ピアノ協奏曲第1,5番、ピアノ・ソナタ第2,4,6,7,8,9番、チェロ・ソナタ、バイオリン・ソナタなど
Sergei Rachmaninoff
ラフマニノフ  リヒテルさんのラフマニノフさんの評価は高いと思います。それは、ピアニストとしての評価かも知れませんが。
ピアノ協奏曲は、第1番と第2番しか演奏されていません。お気に入りは前奏曲ト短調作品23の5。その他、「音の絵」練習曲などDISCで聴けます。
Maurice Ravel
ラヴェル 左手のための協奏曲、鏡、亡き王女のためのパヴァーヌ、バイオリン・ソナタ、ピアノ三重奏曲、神聖で感傷的なワルツなど
Max Reger
レーガー リヒテルさんが生涯最後の演奏会のプログラムで取り上げていたのが、レーガーさんの「ベートーヴェンの主題による変奏曲とフーガ」でした。
リヒテルさん自身のことば―――『それからマックス・レーガーも好きです。まれにしか演奏されない作曲家ですが、若いアンドレィ・ルツェヴィチと、壮大な《ベートーヴェンの主題による変奏曲とフーガ》を二台にピアノで弾きました。何とかものにするのに数ヶ月のリハーサルを要しました。』(「リヒテル」207n)
Teofil Richter
リヒテル(父) ワルツ
N.Rimsky−Korsakov
リムスキー=コルサコフ  リヒテルさん自身のことば―――『私以外にほとんど誰も弾かない作品のなかに、私が心から隙でない曲はとにかく一曲もありません。たとえば、リムスキー=コルサコフの協奏曲は、私がオーケストラと共演した最初の録音のひとつですが、つつましいながらとてもよくできた曲です。作曲家への熱烈な称賛の気持ちから弾きました。もちろんチャイコフスキーのほうが重要で、彼よりも高いところに位置づけたりしませんが、リムスキーのほうが私の好みには適っています。夢中になるほど好きです。』(「リヒテル」205n)
Camille Saint−Saens
サン=サーンス ピアノ協奏曲第5番、チェロとピアノのためのソナタ第1番
Franz Schubert
シューベルト  シューベルトのピアノ・ソナタをソ連のピアノのレパートリーにもちこんだ功績はリヒテルさんのものです。といっても、例によって全曲を演奏されているわけではありません。遺作となった三つのソナタも二つだけ演奏されています。とくに、D960は絶品。フィルム「エニグマ」のオープニングを飾る音楽ともなっています。
さすらい人幻想曲、即興曲、楽興の時、「ます」、ピアノ・ソナタ第6,9,11,13,14,15,16,17,18,19,21番など
Robert Schumann
シューマン ピアノ協奏曲、幻想曲、幻想小曲集、フモレスケ、ノヴェレッテ、蝶々、ピアノ五重奏曲、ピアノ・ソナタ第2番、交響的練習曲、トッカータ、ピアノ三重奏曲など
Alexander Scriabin
スクリャービン 練習曲、前奏曲、ピアノ・ソナタ2,5,6,7,9番など
『スクリャービンはソフロニツキーのために存在し、同様にソフロニツキーはスクリャービンのために存在する。
 若い頃は、こういう音楽がいかにも「サロン向け」のように思えてあまり惹かれなかったが、ソフロニツキーとそれから言うまでもなくネイガウスのおかげで、徐々にこの作曲家のことを理解するようになり、終いには心から好きになることができた。もっとも自分は掛値なしのスクリャービン教徒であったことは決してないことも事実だ。ときに、大きな悦楽を感じつつ改宗を受け容れる時期もあるのだが、やがてまたそういう気分がすっかり失せてしまう時期がくるのだ。
 スクリャービンは日々の糧となるものではなく、むしろときに飲んで酩酊をきたす酒、詩的阿片、壊れ易い水晶のごときものなのである。
 ノヴォジェーヴィ墓地の彼の墓には、かつて水晶製の十字架が立っていた。ある晴れた、うら悲しい日、ロシアのもっとも純粋な慣例に則って、その十字架はこっそり盗み出された。』
「音楽をめぐる手帳」 1980年5月8日」『リヒテル』371n

Dmitri Shostakovich
ショスタコーヴィチ ショスタコーヴィッチさんは、もちろん同時代人。リヒテルさんは、お宅に訪問をうけたとき、リヒテルさんは興奮して「チャイコフスキーが家にくるようなものだ!」とおっしゃったそうです。それだけの敬意をもちながら、また作曲家が要望したにもかかわらず、プレリュードとフーガ集の全曲を演奏することを拒否されています。ブリテンとはちがって真の友情でむすばれた関係ではなかったということもおっしゃっています。しかし、ボロディン四重奏団とのピアノ五重奏曲の演奏は、モニュメントだと感じます。
 その他、バイオリン・ソナタ作品134、ピアノ・トリオ作品67、ビオラ・ソナタ作品147
Richard Strauss
リヒャルト・シュトラウス ブルレスケニ長調
Igor Stravinsky
ストラビンスキー 二台のピアノのための協奏曲、ピアノ・ラグ・ミュージック、ピアノとオーケストラのための楽章→1980年代に演奏
Karol Szymanowski シマノフスキー マズルカ、ソナタ第2番など
P.I.Tchaikovsky
チャイコフスキー ピアノ協奏曲第一番は、お得意の演目でした。生涯のなかでもそれがステップ・ボードになったはず。この曲は、何人かの異なる指揮者さんと共演されていますが、ムラヴィンスキーさんとカラヤンさんとの演奏が対照的で興味深いです。リヒテルさんのパワーに押されまくったと苦笑しながら回想するロジェストヴェンスキーさんのお話は、おもしろかったです。
  その他、夜想曲へ長調作品10−1、グランド・ソナタ、四季、ワルツ-スケルツォイ短調作品7、小品集など
Richard Wagner
ワーグナー Albumblatt
Carl Maria von Weber
ヴェーバー ピアノ・ソナタ第3番 1954年〜94年まで演奏
Anton Webern
ヴェーベルン リヒテルさん自身のことば―――『ヴェーベルンにあっては、ユーモアは顕著な特徴ではありませんでした。彼の音楽は非常に透明性を示しているので、どれほど込み入っていても、モーツァルトの場合と同じく、一音でも抜かすとすぐわかってしまいます。』(「リヒテル」210n)
 リヒテルさんは、1980年代に暗譜での演奏をやめてから、レパートリーは驚異的に広がってゆきます。ヴェーベルンもそういう流れでリヒテルさんの射程にはいってきた作曲家だったのでしょう。演奏されているのは、変奏曲作品27 1989年2月20日 ウィーンでのことです。リヒテルさんは、シェーンベルクを演奏する希望をもっていたようですが、それは自身の残された時間の少なさを考慮して断念されたそうです。

Jean-Baptiste Wecherlin ??? 歌曲 ニーナ・ドリアークの伴奏で 1953年
Hugo Wolf
ヴォルフ ディードリッヒ フィッシャー=ディースカウの伴奏:1973年10月と77年7月

                 リヒテルさんが演奏しなかった作曲家たち
 
Berio ベリオ リヒテルさん自身のことば―――『ベリオ、シュトックハウゼン、ブーレーズ、クセナキスらの数多くの作品に魅了されましたが、現代音楽への冒険をそれ以上は進めませんでした。』(「リヒテル」211n)
Boulez
ブーレーズ リヒテルさん自身のことば―――『ベリオ、シュトックハウゼン、ブーレーズ、クセナキスらの数多くの作品に魅了されましたが、現代音楽への冒険をそれ以上は進めませんでした。』(「リヒテル」211n)
Janacek
ヤナーチェク リヒテルさん自身のことば―――『ヤナーチェクには非常に惹かれますが、まだ《コンチェルティーノ》しか弾いたことがありません』(「リヒテル」204n)
Kabalevsky

カバレフスキー リヒテルさん自身のことば―――『ネイガウスは彼のことを貧弱なプロコフィエフとか貧弱なショスタコーヴィッチとか行っていましたが、なかなか的確な形容だと思います。カバレフスキーとは面識がありましたが、彼の貧しい音楽を弾こうとは夢にも思いませんでした。』(「リヒテル」100-101n)
Khachaturian
ハチャトリヤン
Oliver Messiaen
メシアン リヒテルさん自身のことば―――『残るは、私がプログラムに入れることを思い切れなかったフランス人オリヴィエ・メシアンです。興味深い人です。とくにイヴォンヌ・ロリオが弾くときには。私の聴いた彼の作品には、冒頭がすばらしくて大いに期待させる曲がしばしばあります。しかしそのあと、砂糖水に向かって昂揚して行き、私には耐えられません。壮麗な発想がちりばめられていますが』(「リヒテル」211n)
Schonberg
シェーンベルク リヒテルさん自身のことば―――『他にもこれまで弾いたことのない曲で、シェーンベルク、スカルラッティ、ヤナーチェクなど、覚えるべきものは多々あります。...ヤナーチェク以外は私には必ずしも納得が行きません。それは認めます。...シェーンベルクは「破壊者」に見えます。しかし、あのすばらしい《五つの管弦楽曲》や他の傑作を構想したのは彼です。』(「リヒテル」204n)
Shockhausen
シュトックハウゼン リヒテルさん自身のことば―――『ベリオ、シュトックハウゼン、ブーレーズ、クセナキスらの数多くの作品に魅了されましたが、現代音楽への冒険をそれ以上は進めませんでした。』(「リヒテル」211n)
Scarlatti
スカルラッティ リヒテルさん自身のことば―――『他にもこれまで弾いたことのない曲で、シェーンベルク、スカルラッティ、ヤナーチェクなど、覚えるべきものは多々あります。...ヤナーチェク以外は私には必ずしも納得が行きません。それは認めます。スカルラッティは宝石のような名曲をいくつか書きましたが、ヨハン・セバスチャン・バッハを前にすると見劣りがします。』(「リヒテル」204n)
Iannis Xenakis
クセナキス
(1922−2001)
リヒテルさん自身のことば―――『ベリオ、シュトックハウゼン、ブーレーズ、クセナキスらの数多くの作品に魅了されましたが、現代音楽への冒険をそれ以上は進めませんでした。』(「リヒテル」211n)
自分の集めたCDや他の方々やレーベルのdiscography(下記)をもとに、つくっています。しかし、モスクワ音楽院の学生サークル時代には、自分たちで開く演奏会でワーグナーのオペラ全曲を連弾するなどもっと多くの曲目をひいておられます。むしろ、「リヒテルさんに弾かれなかった有名曲」のほうが興味深いかもしれません。
「演奏しなかった作曲家たち」とは、リヒテルさんが言及したなかで、演奏しなかった作曲家たちという意味です
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