西暦 | 出来事 |
1970年 | 1月5日 モスクワ リヒテルさんは、音楽院でロストロポーヴィチ、オイストラフ、コンドラシン指揮のモスクワ・フィルとベートーヴェンの三重協奏曲を演奏する 1月13日 ワルシャワ 1月 ザルツブルグ音楽祭で、ギレリスさんがモーツァルトを演奏 ライヴCDがあります。F32G 50480 この演奏をFMで聴いて、すっかりつかまってしましました。 1月 最後のアメリカ公演 1月〜4月 リヒテルさんは、これを最後にアメリカには公演旅行にいくことはなかった。 リヒテルさんは、アメリカがお好きではないらしい。 1月18日 ボストン シンホニー・ホールで演奏会 1月20日 ニュー・ハーヴェン 1月24日 ニューヨーク 1月25日 ワシントン 1月27日 フィラデルフィア 1月29日 フィラデルフィア オーマンディ指揮のフィラデルフィア交響楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲17番と22番を演奏 2月1日 ニューヨークでダビット・オイストラフと演奏会 ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第6番、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番、フランクのヴァイオリン・ソナタを演奏 2月2日 フィラデルフィア オーマンディ指揮のフィラデルフィア交響楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲17番と22番を演奏 2月4日 ニューヨークでダビット・オイストラフと演奏会 ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第6番、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番、フランクのヴァイオリン・ソナタを演奏 リヒテルさんとオイストラフさん ![]() 2月8日 ブルーミングトン 3月16日 ニューヨーク 3月18日 ニューヨーク 3月22日 ニューアーク 3月23日 フィラデルフィア 3月25日 プロヴィデンス 3月31日 4月3日 録音 4月5日 ニューヨーク カーネギー・ホール 4月7日 ニューヨーク 5月6日 モスクワ 5月7日 モスクワ 5月10日 モスクワ 5月12日 モスクワ 5月 リヒテルさんはイタリアへ演奏旅行 5月 6月 ロリン・マゼール指揮のロンドン交響楽団とプロコフィエフのピアノ協奏曲第五番を録音 ![]() CD TOCE−7736 6月〜7月 第4回チャイコフスキー・コンクールがモスクワで開催される 7月21日から31日 ザルツブルグでバッハの平均率クラビーア曲集第1巻を録音 CD VICTOR VICC−40210−3 ![]() 8月 ソヴェトから日本へ向かう リヒテルさん日本初公演 9月3日 リヒテルさんの日本初公演:大阪フェステバル・ホール この公演は、NHKにより録画されて放送されました。 シューベルト ピアノ・ソナタ ハ短調 D.958 バルトーク 15のハンガリー農民の歌 シマノフスキー 「マスク」から2曲 プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 など 「音楽をめぐる手帳」にリヒテルさんは、つぎのように記されています。 《これが日本における最初の演奏会だったのだ!何もかもが目新しいことずくめ、慣れないずくめで、非常な不安を覚えたが、それもほどなく消えてしまった。やがて滞在は興味尽きせぬものになり、私たちは奈良へ行き、万博にも行ったものだ...。以来、しばしばこの国を訪れ、ここの生活のリズム、習慣、料理にすっかりなじんでしまった....わからないものだ!》(『リヒテル』242n) 9月5日 大阪フェステバル・ホール シューマン 交響的練習曲 ムソルグスキー 展覧会の絵 9月7日 横浜 シューベルト ピアノ・ソナタ ハ短調 D.958 バルトーク 15のハンガリー農民の歌 シマノフスキー 「マスク」から2曲 プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 9月10日 東京 シューベルト ピアノ・ソナタ ハ短調 D.958 バルトーク 15のハンガリー農民の歌 シマノフスキー 「マスク」から2曲 プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 9月12日 新潟 シューマン 交響的練習曲 ムソルグスキー 展覧会の絵 9月15日 東京 NHKにより録画され放映される モーツァルト ピアノ協奏曲第27番 モーツァルト ピアノ協奏曲第22番 ともに、バルシャイ指揮のNHK交響楽団 9月18日 東京 ルドルフ・バルシャイ指揮の読売日本交響楽団 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番 9月20日 岡山 ベートーヴェン 創作主題による六つの変奏曲 作品34 ベートーヴェン 創作主題による六つの変奏曲 作品76 ベートーヴェン 15の変奏曲とフーガ 変ホ長調 作品35 「エロイカ」変奏曲 ベートーヴェン ディアベリのワルツによる33の変奏曲 ハ長調 9月22日 広島 シューベルト ピアノ・ソナタ ハ短調 D.958 バルトーク 15のハンガリー農民の歌 シマノフスキー 「マスク」から2曲 プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 9月24日 福岡 シューベルト ピアノ・ソナタ ハ短調 D.958 バルトーク 15のハンガリー農民の歌 シマノフスキー 「マスク」から2曲 プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 9月27日 京都 ベートーヴェン 創作主題による六つの変奏曲 作品34 ベートーヴェン 創作主題による六つの変奏曲 作品76 ベートーヴェン 15の変奏曲とフーガ 変ホ長調 作品35 「エロイカ」変奏曲 ベートーヴェン ディアベリのワルツによる33の変奏曲 ハ長調 9月28日 名古屋 シューマン Bunte Blatter Op.99 ラフマニノフ 前奏曲 作品23の1.2.4.5.8 ラフマニノフ 前奏曲 作品32の1.2.6.7.9 10月1日 東京 ベートーヴェン 創作主題による六つの変奏曲 作品34 ベートーヴェン 創作主題による六つの変奏曲 作品76 ベートーヴェン 15の変奏曲とフーガ 変ホ長調 作品35 「エロイカ」変奏曲 ベートーヴェン ディアベリのワルツによる33の変奏曲 ハ長調 10月2日 東京 病気のためキャンセル 10月4日 浜松 病気のためキャンセル 10月6日 東京 厚生年金会館 病気のためキャンセル 10月8日 東京 病気のためキャンセル 10月11日 東京 病気のためキャンセル 10月14日 東京 日比谷公会堂 シューマン 交響的練習曲 ムソルグスキー 展覧会の絵 10月15日 東京 日比谷公会堂 シューマン 交響的練習曲 ムソルグスキー 展覧会の絵 10月19日 東京 共立講堂 ベートーヴェン 創作主題による六つの変奏曲 作品34 ベートーヴェン 創作主題による六つの変奏曲 作品76 ベートーヴェン 15の変奏曲とフーガ 変ホ長調 作品35 「エロイカ」変奏曲 ベートーヴェン ディアベリのワルツによる33の変奏曲 ハ長調 10月21日 東京 共立講堂 シューマン Bunte Blatter Op.99 プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第8番 10月22日 東京 共立講堂 初来日最後の演奏会 シューマン Bunte Blatter Op.99 ラフマニノフ 前奏曲 作品23の1.2.4.5.8 ラフマニノフ 前奏曲 作品32の1.2.6.7.9 10月 ナホトカ ウラジヴォストーク ハバロフスク ノヴォシビルスク 10月 ソルジェニーツィンがノーベル文学賞を受ける 11月23日 11月24日 モスクワでロシアの女流ピアニストのマリヤ・ユージナの葬式 リヒテルさんは、ラフマニノフの前奏曲作品32の10を演奏 マリヤ・ユージナのCDは、いくつか出ていて、聴くことができます。 ![]() 11月25日 Bydgoszcz 11月27日 Zwickau 11月28日 Zwickau 12月はイギリス公演を行う 12月5日 オールドバラで、ブリテン指揮イギリス室内オーケストラとブリテンのピアノ協奏曲ニ長調作品13を録音する 12月24日 モスクワ 自宅でバッハの《カンタータ第51番》からふたつのアリアを聴いて、メモを残す また、自らのシューマンの「フモレスケ」録音を聴いて、つぎのメモを残す 《自分の録音を聴くとがっかりする。予想した通りの音にしか出会えぬからだ。 何の新鮮さも、予想外なことも味わえぬつまらなさ....。》(『リヒテル』232n) 12月25日 モスクワ 自宅でクリスマス・パーティ 恒例行事となったバッハの《クリスマス・オラトリオ》をみんなで聴く 12月29日 モスクワ 音楽院でロストロポーヴィチ、オイストラフ、コンドラシン指揮のモスクワ・フィルとベートーヴェンの三重協奏曲を演奏する |
1971年 | 1月 2月 3月29日 モスクワで、オイストラフとブラームスのヴァイオリン・ソナタ第2番を演奏 3月 ブダペストで、オイストラフとブラームスのヴァイオリン・ソナタ第2番などを演奏 4月12日 モスクワの自宅にて、ネイガウスの誕生記念日のパーティをする 『今夜、ネジダーノワ街のわが家にはたくさんの招待客が集まった。ゲンリフ・ネイガウスの昔の生徒たち全員(中でもヤーコフ・ザークが花束を抱えて現れたことを覚えている)が食卓を囲んだのだった(もちろんギレリスだけは例外で欠席した)。食卓には盛り沢山の料理、ワインが並んで、部屋には熱気が満ちた。万事滞りなく運ぶように気を配った。ネイガウスの録音を難曲か聴く。あの素晴らしいロ短調の夜想曲とヘ短調の幻想曲だ。ゲンリフ・グスターヴォヴィッチが幾度も演奏した曲である。私もモスクワや、わが「敵」オデッサでしばしばその演奏を耳にしたものだ。いつ聴いても霊感に溢れた演奏だったから、彼のために書かれた曲かと思うほどだった。 ネイガウスを讃えて自分の録音もかけた(少し図々しかったか)。シマノフスキの《仮面劇》の中の非常に短い小品《道化のタントリス》という、わが師に捧げられた曲である。最後に、彼が何よりも愛してやまなかったドビュッシーの《海》をかけた(わが家に来ると、たいていいつも「スラーヴァよ、《海》をかけておくれ」と言ったものだ)。』(『リヒテル』243〜244n) 4月18日 レニングラードでブリテン指揮のロンドン交響楽団とブリテンのピアノ協奏曲作品13を演奏 4月20日 モスクワでブリテン指揮のロンドン交響楽団とブリテンのピアノ協奏曲作品13を演奏 7月2日 ツール ブーレーズの指揮でシェーンベルクの《月に憑かれたピエロ》を初めて聴く 7月3日 ツール ブーレーズ特集の一日 7月30日 マケドニアのオーリッドで演奏 ライヴ録音 DOREMI DHR−7718 8月8日 モンテカルロ 病気のシュワルツコフの代役として、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番を演奏 指揮は、マタチッチ 8月10日 マントンで、ボーザール三重奏団の演奏をきく 8月29日 ザルツブルグ リッカルト・ムーティのドニゼッティ《ドン・バスクァーレ》を見る 《ザルツブルグにはもう少しととまって、ほかの演奏会を聴く。 さらにクレスハイム宮ではレコード録音を行う。 その昔、ヒットラー某の執務室だったというホールで録る予定だ》とメモ 9月 ザルツブルグのクレスハイム宮殿でスタジオ録音 曲目は、シューマンの〈色とりどりの小品〉、〈交響的練習曲〉 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第27番 ホ短調 作品90 ブラームスの〈間奏曲イ短調〉〈バラードロ短調〉〈間奏曲変ホ長調〉 ラフマニノフの〈13の前奏曲〉作品23と32から抜粋 リヒテルさん自身が、この録音について「音楽をめぐる手帳」に次のように書いています。 『 ずいぶんと働いた。その結果が三枚の新譜となった....。 今回の録音は完全にプロの仕事という感じた。おかげで音楽家や一緒に仕事をした録音技術者たちからもよい仕事だと認めてもらえた。スタジオ録音にもかかわらず、本物の雰囲気と生き生きした躍動感が出ている。成功だったと言ってよいだろう...。』(『リヒテル』251n) →VICC−5032 ラフマニノフ前奏曲集op.23から6曲、op.32から7曲 9月 ミュンヘン マウリツィオ・ポリーニが録音 ストラヴィンスキー 《ペトルーシュカ》からの3楽章 プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番 作品83 CDは、DG F35G 20079 10月8日 モスクワ カガン(Vn)さんとレオンスカヤ(pf)さん、リサイタルを聴く 10月24日 モスクワ 自宅で、自分のバッハの《イギリス組曲》の古い録音を聴いて興味深いメモを残す 11月 12月24日 パリ クリスマス・イヴをノートルダム寺院の演奏会で過ごす ずいぶん、聴衆に憤慨されたメモを残されています。 |
1972年 | 1月1日 モスクワの自宅ですごす ヴァルヒァのバッハの演奏をきいて、メモを残す 1月7日 モスクワ音楽院大ホールへ演奏会を聴きに出かける マーラーの第4番の交響曲 コンドラシン指揮 1月8日 ショスタコーヴィッチの交響曲第15番が、息子のマキシムの指揮でモスクワで初演される リヒテルさんには、これを聴いたというメモも、言及したメモもありません。 ご自宅で、バッハの《クリスマス・オラトリオ》を聴かれたというメモはあります。 1月27日 モスクワ音楽院大ホールへ演奏会を聴きに行く ムラヴィンスキー指揮のレニングラード交響楽団の演奏会である 曲目は、ショスタコーヴィッチの交響曲第6番など 演奏会後に、興味深いメモを残されています(『リヒテル』255〜256n) 2月20日 ベルグラードで、ブリテンの《ルクレツィアの陵辱》というオペラを見る 3月19日 モスクワ 音楽院大ホール オイストラフさんとブラームスのヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調作品100を演奏 ライヴ録音 は、 VICC−2014 ![]() CD MELODIYA 74321 29465 2 バルトーク ハンガリー農民の歌 4月 5月5日 ムラヴィンスキーが、ショスタコーヴィッチの交響曲第15番をレニングラード初演 6月25日 ツール ジュリアード四重奏団の演奏を聴いて、メモを残す 7月1日 ツール ショルティ指揮のパリ管弦楽団の演奏を聴いて、メモを残す 8月 ザルツブルグ ベーム指揮でモーツァルトの《コシ・ファン・トゥッテ》を見て、メモを残す ベーム指揮でアルバン・ベルクの《ヴォツェック》を見て、メモを残す カラヤン指揮でモーツァルトの《フィガロの結婚》を見て、メモを残す 8月 ザルツブルグのスタジオででシューベルト最後のピアノ・ソナタD960を録音(VICC-22002) リヒテルさんが残した録音のなかでも最高傑作のひとつだと思います 8月29日〜9月6日 ザルツブルグ バッハの平均率クラビア集第2巻を録音 → GD 60949 9月 ヘルシンキでおなじソナタを演奏。ピアニストの舘野泉さんの記述があります 《1972年のヘルシンキ・フェスティバルで、リヒテルのリサイタルを聴いた。曲はシューベルトの遺作のソナタ2曲(ハ短調と変ロ長調)だけであった。私はひどく疲れていて、演奏会の最初から最後まで、殆ど眠りこけてしまったのだが、それにも拘わらずこのリサイタルの印象は強烈で、20年近い歳月を越え、今でも鮮明に記憶に残っている。現代のシューベルト弾きで、私はブレンデルとルプだけが素晴らしいと思うが、この2人もリヒテルに比較すると小さい。作品の核心に至るまでに、あまりに多くのことに気配りしすぎるように思うのだ。リヒテルの演奏には何の虚飾も見せかけもなく、あざとく深部をえぐりだすというのでもなく、運命とデモンそのものが目前に在るという感じであった。》(舘野泉さん自らのCD PCCL-00114の解説から 引用) 10月10日 モスクワ ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第1番ほか KICC 2273 11月 12月 この年のSzegedでのライヴ録音→DOREMI DHR−7766 シューベルト、メンデルスゾーンの無言歌、ショパンの夜想曲作品9−1、ドビュッシーの映像第1集など 下はジャケットの写真。 |
1973年 | この年は、バッハの平均率クラビーア集第2巻を演奏会でくりかえし演奏されている 2月25日から3月7日 ウィーン バッハの平均率クラビア集第2巻を録音 → GD 60949 CD VICTOR VICC−40210−3 ![]() 5月 エフゲニー・ムラヴィンスキー初来日 5月26日 東京文化会館 ムラヴィンスキー指揮のレニングラード交響楽団が、ベートーヴェンの交響曲第4番や、ショスタコーヴィッチの交響曲第5番んを演奏。ライヴ録音 ALT 001および002 5月 ドイツ・グラモフォンから、ポリーニのショパン練習曲集のDISCがは発表される 一つの頂点を極めた演奏と評価をうける 録音は1972年1月と5月ミュンヘン DG 413 794−2 6月29日 ツール メレ農場 プーランクに捧げるコンサート 6月30日 ツール メレ農場 ソプラノのジェシー・ノーマンを聴いて、メモを残す 7月1日 ツール メレ農場 7月7日 ツール メレ農場 カール・リヒターの演奏を聴いてメモを残す 8月15日 ザルツブルグ リッカルド・ムーティの演奏を聴いて、メモを残す 8月 ミッタードルフ テレビ放送で、マレーネ・デートリッヒの歌を聴いて、メモを残す 9月30日 ワルシャワ ワルシャワ・フィルの演奏で、ルトスワフスキーの自作自演を聴いて、メモを残す 10月10日 インスブルックでバリトン歌手のディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウさんと共演 ヴォルフのメリケの詩による歌曲集 CD=DG 457 898−2 ![]() 10月19日 モスクワ ベートーヴェンの《フィデリオ》を、ロリン・マゼールの録音で聴く 10月22日 モスクワ ベートーヴェンの《フィデリオ》を、カラヤンのの録音で聴く 10月24日 モスクワ ベートーヴェンの《フィデリオ》を、フルトヴェングラーの録音で聴く 11月 12月31日 大晦日に恒例のバッハではなく、モーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》を聴く |
1974年 | 1月1日 モスクワ リヒテルさんの自宅に、スネジニーツキー一家が新年の挨拶に来る フルトヴェングラー指揮のベートーヴェンの交響曲第一番を聴いてメモを残す 月11日 モスクワ リヒテルさんは、音楽院大ホールで、カガン(Vn)さんとレオンスカヤ(pf)さんの演奏を聴く 2月 リヒテルさんは、オイストラフさんのお宅で晩餐に出かける 3月 4月7日 ウィーン国立歌劇場で、リヒャルト・シュトラウスの『サロメ』を見て、メモを残す リヒテルさん二度目の来日公演 4月〜6月 4月12日 横浜で行われる予定の演奏会を延期 4月15日 東京で行われる予定の演奏会を延期 4月17日 東京で行われる予定の演奏会を延期 4月19日 東京で演奏会 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第27番、第28番、第29番 4月20日 藤沢で演奏会 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第27番、第28番、第29番 4月22日 名古屋で演奏会 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第27番、第28番、第29番 4月23日 浜松で演奏会 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第27番、第28番、第29番 4月30日 大阪フェスティバル・ホールで演奏会 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第27番、第28番、第29番 5月2日 大阪フェスティバル・ホールで演奏会 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第27番、第28番、第29番 「伝記」では、スケジュールには掲載があるが、行われたかどうか不明とある 5月4日 京都で演奏会 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第27番、第28番、第29番 5月7日 金沢 5月9日 名古屋で演奏会 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番、第31番、第32番 5月10日 モスクワ音楽院大ホールで、ロストロポーヴィッチがソ連追放前に最後の演奏会を開く 5月11日 仙台 5月12日 盛岡 5月14日 東京 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番、第31番、第32番 5月15日 東京 厚生年金会館で オレグ・カガンと共演。 モーツワルトのバイオリンとピアノのソナタK378、K379,K306を演奏 5月16日 東京 文化会館 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第27番、第28番、第29番、第31番 5月18日 東京 文化会館 5月20日 東京 文化会館 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番、第31番、第32番 5月21日 新潟 5月22日 東京 リヒテルさんは、ガリーナ・ピサレンコの独唱会に出かける 5月23日 東京 文化会館 5月25日 千葉 オレグ・カガンとの共演 K306、K378、K379 5月28日 岡山 5月30日 広島 6月1日 東京 NHKホールで演奏会 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番、第31番、第32番 NHKで放映される →DHR-7718 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番と第32番 6月2日 横浜の予定をキャンセル 6月3日 大阪の予定をキャンセル 6月5日 東京の予定をキャンセル 6月18日 ロンドンの予定をキャンセル 6月20日 アルデブルグの予定をキャンセル 6月24日 アルデブルグの予定をキャンセル 6月30日 いくつかのツアーの予定をキャンセル 6月〜7月 第5回チャイコフスキー・コンクールがモスクワで開催される 7月 8月 9月 10月 11月25日から30日 モンテカルロでマタチッチ指揮モンテカルロ劇場管弦楽団とグリーグとシューマンのピアノ協奏曲を録音 CDはEMI CDC 47164 2など リヒテルさんは、75年2月に、二つの録音についても目湖を書き残されています ![]() 12月14日 ワルシャワ ロヴィツキとの最後の共演 リヒテルさんは、興味深いメモを《音楽をめぐる手帳》に残されています |
1975年 | 1月 2月 3月 4月 5月16日 モスクワでカガンさんとモーツァルトのヴァイオリン・ソナタK304,K305を演奏 ライヴ録音 LIVE CLASSICS LCL122 ![]() 5月20日 モスクワでカガンさんとモーツァルトのヴァイオリン・ソナタK380,K403、K454、K373、K404を演奏 ライヴ録音 LIVE CLASSICS LCL123 ![]() 6月2日 プラハでリサイタル ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第3番 CD CMX 356020 同日 プラハ ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラーヴィア」 CD CMX 356022 6月3日 プラハ ソ連大使館での、ボリショイ劇場の歌手の演奏会に出席し、メモを残す 6月11日 オールドバラ ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第3番、六つのバガテル、ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラービア」など CD BBC BBCL 4052−2 6月18日 ロンドン ベートーヴェンのハンマークラービアを演奏 STRADIVARIUS STR 33313 ![]() 6月25日 ツール メレ農場 ベネディティ・ミケランジェリの演奏会を聴き、メモを残す 6月27日 ボーザール三重奏団の演奏を聴いて、メモを残す ショスタコーヴィチさん最後の作品=ビオラ・ソナタを作曲 CDの紹介 →POCC-1005 ビオラ=キム・カシュカシャン ピアノ=ロバート・レヴィン →32EB-1017 ビオラ=今井信子 ピアノ=ドミトリー・ペンティネン 7月5日 ツール メレ農場 ブーレーズの演奏会を聴き、メモを残す メモによると、この日にブーレーズと知り合いになったという ![]() 7月 モンテカルロ アルトゥール・ルービンシュタインの演奏会を聴きに行き、メモを残す リヒテルさんは、演奏会後に、ルービンシュタインにお祝いをいいにいく 8月9日 ドミートリー・ショスタコーヴィッチがモスクワで心臓病のため死去 8月24日 ヘルシンキ音楽祭でギレリスさんが演奏 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第16番、第12番 ショパンのポロネーズ、即興曲、バラード一番など CD = DHR−7765 ![]() 10月11日 モスクワ 音楽院大ホール ショスタコーヴィッチを記念する夕べを聴きに行って、メモを残す 10月14日 モスクワの自宅で、ソフィア・ペルツォワを偲ぶ夕べ 10月15日 モスクワ ドイツ領事館でのコンサートに出席し、メモを残す 10月27日 モスクワでカガンさんとベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを演奏 10月29日 イリーナ・ショスタコーヴィッチ宅での音楽の夕べに出席し、メモを残す 11月6日 モスクワでカガンさんとベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを演奏 10月27日と11月6日のライヴ録音 LIVE CLASSICS LCL145 ![]() 11月10日 リヒテルさんの母の誕生日にあたり、追憶の夕べ 12月24日 クリスマス・イヴ 恒例のバッハのクリスマス・オラトリオを聴く |
1976年 | 1月 2月 3月 4月 5月 5月26日 レニングラード・フィルハーモニー大ホール 前年に亡くなったショスタコーヴィッチ追悼演奏会のひとつ ムラヴィンスキー指揮のレニングラード交響楽団が、ショスタコーヴィッチの交響曲第15番を演奏 ライヴ録音 CDは、BVCX−4032 6月18日から21日 ミュンヘンでカルロス・クライバー指揮のバヴァリア国立オーケストラとドヴォルザークのピアノ協奏曲を録音 CD EMI 5 66947 2 もしくは EMI CDC 7 47967 2 ![]() 8月25日 フィンランドのヘルシンキで演奏会 ![]() 幻想ポロネーズ、スケルツォ第4番、ワルツ、練習曲作品25−7 →DOREMI DHR−7738 →DHR-7724 マズルカ op.63-3, 67-3, 68-3 ,Poth -2 9月 10月10日 モスクワ ライヴ CD KICC 2273 11月 12月 この年、モスクワ音楽院大ホールでギレリスさんが演奏したシューマンのピアノ協奏曲が録画される DVD TRITON DVBC−38006 この年から、デジタル録音の登場:世界最初の録音シリーズは、デンオンがおこなったスメタナ四重奏団の一連の録音である。PCM録音。ただし、発売はLPとして。CDの登場は1982年。 |
1977年 | 1月 2月 3月 4月 リッカルド・ムーティ指揮のフィルハーモニー管弦楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲第22番を録音 CD EMI CC28−3808 5月 67 7月 ミュンヘンでショパンのスケルツォ全曲を録音 →VICC−2059 ![]() 私がもっているCDは、日本ビクターから91年に出されたものだが、小石忠男氏の解説がついている。興味深いものである。部分的に引用させてもらう。いつの文かは不明。 《このピアニストはのびのびとした音彩をつくり出すより、音のなかに常に意味を求めている。したがって、リヒテルのレパートリーは広がるよりもむしろ、せまくなる傾向を帯びてきたが、かつてのリヒテルはそうではなかった。彼は若い頃は、実に広いレパートリーをもち、自己の個性を露わにしながらそれらを積極的に演奏していたという。おそらくその頃には、ショパンの曲も好んで手がけていたのであろう。しかし彼が音のなかに意味を求め、音楽を深めるにつれて、その芸術は個性を絶対普遍化する方向に進み出したようである。しかも演奏としてはますます完璧をを求めることになったので、曲目が古典的な音楽に偏りはじめた。彼が一時期ベートーヴェンやバッハを中心にプログラムを組んだのは、その現れといえる。 こうしてリヒテルのレパートリーから一時期ショパンは遠ざかることになった。なぜならショパンの音楽は普遍性よりも個性を要求する。造形もかなりの自由さを保証される。これがロマンティシズムの極であることはいうまでもないが、1960年代から1970年代前半にかけて、リヒテルの進む道はショパンとは別の次元にあったように思う。...中略... そしてついにリヒテルは新しい境地をひらき、より清澄な世界を自らのものとすることに成功した。たとえば、1970年と1973年に録音されたバッハの「平均率クラヴィーア曲集」にきく端正な様式、透明な表現が、1960年以前のリヒテルに可能であったとは、私にはとても思えないのである。つまりこの10年ばかりの間に、リヒテルは別人のような深慮な芸術をつくることになった...》 8月26日 オーストリアのザルツブルグで演奏会 →DHR-7724 ショパンのバルカローレ、ワルツ op.34 1,2,3 9月 リッカルド・ムーティ指揮のフィルハーモニー管弦楽団とベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を録音 CD EMI CC28−3808 10月 11月 12月 |
1978年 | 1月 2月 3月28日 モスクワ バッハのブランデンブルグ協奏曲第5番を演奏 LIVE CLASSICS LCl−103 4月 5月3日 モスクワで演奏会。 このときに、シューベルトのピアノ・ソナタ D.566を演奏する。 三楽章形式で演奏。つまり、 5月7日 モスクワでカガンさんとヒンデミットのヴァイオリン・ソナタを演奏 ライヴ録音 LIVE CLASSICS LCL161 ![]() 6月 6月〜7月 第6回チャイコフスキー・コンクールがモスクワで開催される 7月 2日 フランスのツールで演奏会 このときも、シューベルトのピアノ・ソナタ第6番 D.566を演奏するが 終楽章にD.506のロンドをもってきて、4楽章形式で演奏する。 以後、D.566の演奏に際しては、この形で演奏されたと思われる。 (2004年8月3日記す) 7月23日 ミュンヘン 演奏曲目は、シューベルトで占められている。 シューベルトのピアノ・ソナタ第6番 ホ短調 D.566 同 第13番 イ長調 D.661 楽興の時 作品94 D.780 第1番と第3番 即興曲 作品90 D.899 第4番 ライヴ録音 VICC−60077 8月 9月 10月 11月 12月 この年、モスクワ音楽院大ホールで行われた、ギレリスさんのライヴ録画がある 演奏曲目は シューマン 四つの小品 作品32 ブラームス バラード集 作品10 ショパン ポロネーズ 第4番 ハ短調 作品40−2 ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58 など トリトンから発売されたDVD DIBC−38004 |
1979年 | 1月1日 パリ 1月12日 パリ シューベルトのソナタ D566/506,D625,D784 1月21日 ツール シューベルトのソナタ D575,D625,D664,D784 1月23日 ザルツブルグ シューベルトのソナタ D575,D625,D664,D784 リヒテルさんの三度目の日本公演 2月〜3月 2月1日 東京 厚生年金会館 シューベルトのソナタ D575,D625,D664,D784 →VDC−1076 2月7日 東京 文化会館 シューベルトのソナタ D575,D625,D664,D784 →VCD−1198 2月10日 東京 NHKホール ライトナー指揮のN響とブラームスのピアノ協奏曲第2番 2月13日 東京 文化会館 →VDC−1076 2月16日 大阪 フェスティバル・ホール 2月18日 大阪 フェスティバル・ホール 2月21日 東京 厚生年金会館 2月24日 NHKホール →VDC−1076 →VDC−1198 3月1日 福岡 3月6日 名古屋 市公会堂 3月9日 東京 厚生年金会館 3月14日 東京 3月17日 仙台 3月20日 横浜 県民ホール リヒテルさんのイギリス公演 3月25日 ロンドン 3月31日 ロンドンのロイヤル・フェステバル・ホール →BBCL 4010−2(シューベルトのピアノ・ソナタ D575,D625,D664ほかにD780−1) 4月 5月 6月 7月1日 ガブリーロフとヘンデルを演奏 7月8日 ガブリーロフとヘンデルを演奏 ライヴ録音 7月1日と7月8日 EMI 5 69337 2 ![]() 8月 9月 10月 11月 12月 |