SVIATOSLAV RICHTER  BEST CD  
                          

 ●あなたのリヒテル・ベストCDはどれでしょうか。
       とりあえずMR.BINが独奏曲から挙げてみました。
       あなたのお好きなCDはありましたか?


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@バッハ平均律クラビア集第1巻と第2巻

 旧ソ連時代のピアニストは、演奏会で平均律を弾くことはまずなかったそうです。ほとんど唯一といっていい例外がリヒテルさんでした。
 そのリヒテルさんは自分の録音について、「第一集の録音はたぶん第二巻よりもうまくいっている。第二集では、一番重要な曲、つまり前奏曲とフーガ変ホ短調と嬰ヘ短調、そして見事なロ短調が一番出来が悪く、良心が咎めている。」と<音楽をめぐる手帳>(モンサンジョン『リヒテル』260n)で書いています。

■VICTOR VICC 40210-3 ザルツブルグの録音 1970年
■VICTOR VICC 60071-4 インスブルックのライヴ 1973年
Aシューベルト ピアノ・ソナタ変ロ長調 D960 遺作

■VICC-22002。1972年8月から11月。ザルツブルグ近郊アニフ宮殿
 モンサンジョンさんの「リヒテル〜謎〜」の冒頭に流れているのがこの第二楽章です。
 一時期この曲にすっかり、はまってしまいました。
いろんなピアニストさんのCDを聴きましたが、リヒテルさんの第一楽章の演奏は、もっとも遅く、くりかえしもきちん行います。したがってもっとも永い時間の演奏です。
Bムソルグスキー 「展覧会の絵」

 曲そのものがオリジナリテイにとんで魅力的。
■PHILIPS PHCP-9597。1958年2月25日のライヴ録音。
 有名なブルガリアの首都ソフィアでのライヴです。
 1949年の録音があるそうです。CDになっていませんが。
 最後の録音記録は、1970年です。
 PRAGAにも、別のライヴが収録されたCDがあります。
■ CMX 356031がそれ。1956年11月14日のライヴ録音。
 モノラルですが、これもすさまじい演奏です。
 Vенецияというレーベルの4枚組のCDのなかに
 1958年8月8日のライヴ録音が入っています。
■CDVE 43217.
 まあ、どれもいいにちがいないのです。リヒテルさんですから。
Cベートーヴェン ピアノソナタ「熱情」

■PILIPS438 486-2
 TaninさんのRecorded Richterを見ると、市販では6種類の演奏あるそうです。
 しかし、特定の年代に集中しています。1959-60年と1992年です。
 私は、1959-60年のものから3種類もっています。

■PRAGA CMX 356021(15枚組の1枚)
   これは、1959年11月1日のプラハでのライヴ録音。
■MELODIYA 74321 29462 2 
   これは、1960年6月9日のモスクワでのライヴ録音。
■RCA 6518-2-RG。
   これは、1960年11月29-30日ニューヨークでの録音(スタジオ)  

 1959-60年録音(44・45歳)は、一気呵成の鬼のように猛烈な演奏です。
 つぎの録音(1992年)まで30年間という広大な空白があります。
 1992年10月25日のアムステルダムでのライヴ録音。

 この30年後の演奏(77歳)は、猛烈な演奏ではありません。
 それは技術的な衰えだけが原因ではないと信じます。
 「熱情」の本質は、盲目的という以上に倫理的なパッションだと
 感じさせてくれるからです。
 リヒテルさんのイメージは59-60年の演奏。しかし私は、92年が好きです。
Dシューマン フモレスケ

 BVCX-4054. 1956年10月6日の録音。
 私MR.BINが、リヒテルさんに傾倒するようになった曲のひとつ。
 この曲は、1955年と56年の録音しか残っていません。
 それ以外の期間は演奏されなかったと思われます。
 シューマンから選ぶなら、ほかの曲がよかったでしょうか?
 幻想曲ハ長調とか。
 生涯の最後まで、長期間にわたり、演奏された曲はなんでしょうか?
 難曲であるトッカータ作品7だと思います。
 この録音は、1951年から86年まで残っています。
 1986年というと、71歳です!
Eバッハ フランス風序曲 BWV 831

 ライヴクラッシクスのLCL 402。宝のように大切にしています。
 1991年5月22日のモスクワでのライヴ録音。リヒテルさん76歳。
 「最晩年の録音から」シリーズの一枚です。
 このCDには、トッカータ(BWV971)やソナタ(BWV966)、イタリア協奏曲も。
Fラフマニノフ 前奏曲集作品23と作品32(ともに抜粋)

 セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)は、前奏曲を24作曲しています。
最初のものは、作品3の2。1892年のもの。
次が、作品23の10曲。これは、主として1903年に作曲されたもの。
最後が、作品32の13曲。1910年の作品。
 リヒテルさんは、全曲を演奏していません。
 (全集なら、アシュケナージさんのものをお勧めします。DECCA 443 841-2)
 演奏していないのは、作品3の2 嬰ハ短調
 作品23の3、6、9,10。作品32の3、4、5、8、11、13。

  で、CDは、以下のものです。
■日本盤 VICC-5032 録音は1971年9月。ザルツブルグのクレスハイム宮殿
  ライヴ録音ではありません。56歳のときの録音。
  全曲ではなく、作品23は、1,2,4,5,7,8番。作品32は、1,2,6,7,9,10,12番。

  つまり、リヒテルさんが演奏する前奏曲のすべてです。
  これらの前奏曲中でもっとも有名なのは作品23の5ト短調でしょうか。
  私が一番好きのは、作品32の10と同12です。
  ロシアの雪が舞う風景と胸がしめつけらるような郷愁を感じます。

■ (PHCP-9597)
  1958年の有名なソフィア・ライヴでも作品32の12は演奏されていますね。
■<RICHTER reDISCOVERED>  RCA 09026-63844-2
  1960年12月26日、カーネギーホールでのライヴ録音です。
  1960年とは思われないくらい音がいいです。
  CDには、作品23-1、作品32の9,10,12を収録。

  リヒテルさんが演奏する
練習曲集「音の絵」もお気に入り。 
■PRAGAの15枚組のうちの一枚。CMX 356031
  ここには、作品33から、4、5、8.。作品39から、1,2,3,4,9が演奏されています。
  音も美しく、とてもいい。1984年6月2日のプラハ・ライヴ。
■VICC-60005。ミュンヘンのスタジオ録音(?)
  このCDも音が美しく、プラハでのライヴより、音がリアルかも知れません。 
  曲目は、作品33から、9、5、6.の三曲。作品39から1,2,3,4,9,7の6曲。
Gベートーヴェン ピアノソナタ「テンペスト」

 とりあえずTOCE-3083
 これは、1961年8月1日から5日にロンドンでスタジオ録音されたもの。
 リヒテルさんは、この曲を長期にわたって演奏曲目に入れている。
 録音そのものは、1993年のものまであるらしい。
 しかし、市販されているのは、1980年まで。
 リヒテルさんらしいディーモニッシュな演奏。
 作品10の3のラルゴもそうだと思う。
Hベートーヴェン ピアノソナタ第31番作品110

 ライヴクラシックスのLCL481。
 「マレーネ・ディートリッヒを追悼して」というコンサートのライヴ録音。 
 1992年5月16日。
Iシューベルト さすらい人幻想曲