ETCモニタ


とうとう実用化されることになった二輪車ETC。
本格運用に先立ち、モニターとしてお試し参加することができた。


もともと自動車に比べて、バイクは料金所での精算が大変だ。
乗らない人のためにご説明すると…

まず車列に並び、前の車が済んだらバイクを前進させる。
ブース前で停車、ニュートラルに入れる。(焦るとなかなか入らない)
右手のグローブを外し、
ポケットやタンクバッグから通行券とサイフを出す。
通行券を渡し、料金を支払う。
おつりと領収書を受け取ったらサイフを仕舞い、
グローブを再びはめて、
出発。
…とまぁ、現金払いだとどんなに早くても30秒はかかる。
大したことないじゃんと思うなかれ、僕みたいにイイヒトにとっては、 後ろで待つ車に結構気を使っちゃうものなのだ。(大勢のツーリングだとむちゃくちゃ時間かかるし)

 ETCのフリーフロー走行は、それを最も必要としていた二輪車をなぜか無視したシステムで、バイクは何年間もおいてきぼりにされていた。ライダー達は料金所をスイスイと抜けていくクルマ達を悔しい(そしてちょっと羨ましい)思いで見続けてきたのだが、ここに来てようやく二輪車にも目が向けられ、2006年秋から二輪ETCが実用化されることになったのである。

#でも二輪メーカーやライダーの要望に国交省が応えたというよりも、
 数年後の首都高などのETC装着義務化があるから仕方なくという印象なんだけどね…。
 駐輪場の不整備やら、とことん軽視されてるなぁ、バイクって。
 (僕らだって重量税や、ガソリン税をしこたま払ってるんだゾ)

■          ■          ■

 さて2005年11月、首都圏で5000人もの二輪車ETCモニターが募集された時、僕は即座に申し込んだ。ETC機器が貸与され、モニター期間終了後は無償譲渡されるという好条件だったため、応募が殺到。わずか2日で締め切られたのだが、首尾良くモニターになることができた。

 ところが。
 このモニターの運用が全くのお役所仕事というか、まったくなっちょらんかった。まず申し込みから、仮登録の確認メールが到着するまでが9日間。運用規則・利用可能区間/ゲートなどを覚えたのち、理解度試験というテストをパスして初めてモニターとして認められるのだけど、この試験のシステムがなんとまだ準備できていない。結局、理解度試験公開の通知が来たのは申し込みから1ヶ月以上経ってからだった。
 試験自体は何度でもやり直しができるし、あんちょこ見ながらでも答えられるようになってたから即日パスしたんだけど、次の機器取り付けの案内がだいぶ待つという。2〜3ヶ月かかることもあります…ってやいこら、なんじゃそら!!(怒
 で、RASが終わったころ、4ヶ月経っても音沙汰がないのでさすがに心配になって電話で問い合わせしたところ、その日(4月18日)の午後取り付け店指定のメールが来た。忘れとったんかい!(えー加減にせぇよ…(- -;)

 一応、取り付け店の希望というのは出せるようになっていて、僕は職場から近い高田馬場のSBS明治通り店を指定していたのだけど、指定があった店はなぜか東村山市。なんでやねん、どうやっても1時間はかかるぞ!
 もう、こんなことで抗議する気にもならず、先方に連絡、週末に取り付けて貰う段取りをつけた。(その直後にクラッチが故障して、ブサが40日に渡り入院。結局取り付けしてもらったのは5月末になっちゃったんだけど (- -;;;)

■          ■          ■

 ETCカードを収納する本体はタンデムシートの下に収納。(ここならカギもかかるからね) ここには工具固定用の突起が2つ付いてるのだけど、取り付けの邪魔になりそうだったので、前もってグラインダで削ってしまうことにした。このグラインダ、弟が「安かったから」という理由で買っておいたものなのだが、今回初使用。両手でしっかりと握っておそるおそる削り始めたのだが、もともと金属を削れる道具のこと、樹脂でできた数センチの突起など、2つ削り飛ばすのにものの1分足らずであった。


ベルクロで取り付けられた本体。
このままETCカードの抜き差しが可能。



アンテナおよびインジケータ。すっきり収まりました。

 取り付けでお世話になったのは多摩サイクルさん。取り付けの前になるべく見栄えを損なわないように十分検討をしてくれて、出来上がりも丁寧で、いい仕事して頂きました。感謝です!(^^) (ただ、遠かったぁ…)

■          ■          ■

 取り付けた翌日、池袋から八王子に夜勤に行くミッションがあり、さっそくETCトライ!
 事前にETCの利用が可能なランプか確認。果たして護国寺インターは対応していた。ルールとなっている「二輪車ETCモニター」の腕章を装着。カードの挿入確認および、インジケーターにグリーン・ランプが灯っていることを確認し、出発。
 ランプ前で一旦停車。首都高では「ETC/一般」のゲートが対応しているはずだ。二輪ETCの案内板は出ていなかったので一瞬躊躇したが、料金所の収受員がオイデオイデをしている。やっぱりこっちでいいようだ。
 ETC/一般のゲートには遮断機がないからバー激突の心配はなかったけど、時速20キロまで速度を落として進入。割と奥まで行ったところでブース横の表示が「↑ETC」となり、無事通過できたようだった。けっこうドキドキしてたのに、あっさりうまくいって拍子抜け。でもこれで嬉しくなってたんだろう、歌いっぱなしで首都高を駆け抜けた(^^)
 4号新宿線から中央高速へ。ほどなくして三鷹の料金所に到着。東名や中央道などの高速道路では左側の「ETC専用」ゲートが対応している。(こういう細かいルールがめんどくさい。だから理解度試験が必要なんだと思うけど。) もう、大丈夫じゃろ、と高をくくっていたので、前の車に続いて進入。今度は予想よりも早く前方の遮断機が上がり、特に問題もなく通過することが出来た。

 まだ定額料金の区間しか走行していないけど、カードを取ったり、走行距離に見合った料金を支払ったりする1走行あたり2ストップの(普通の)高速ではますます威力を発揮してくれると思う。走行および料金の収受に関しては全く問題ないけど、モニターとして問題点を上げるならば、ETC本体が大きい、アンテナも大きい、インジケーターがかっこ悪い(アンテナと一体式にできないのか?)など、機械そのものが未成熟な点につきると思う。それと秋まであと半年もないのに、メーカーがほとんど名乗りを上げてないみたいだし。市販化されたときの値段も気になる。自動車ETCなみ、とまでは行かなくても、やっぱり1万円は切ってほしいよね。

Jun.4th.2006
___PoN___