羽づくろい2:オイル交換


 このところギアの入りが硬い.特に停車時にニュートラル→1速や,2速→ニュートラルで力が必要になることがある.同様の症状は前に経験があって,今よりもずっと症状は軽かったけど,前回のオイル交換後にギアがとてもスムーズになって,あぁオイルが汚れていたせいだったのかと納得したのだった.
 走行10000キロを越えたあたりからそろそろまた怪しくなってきていたから,実はチェーンメンテをした頃からオイル交換は急ぎの課題だったのだ.時間が無かった僕は師匠の指導も仰がず,インターネットとメンテ書のみをテキストとして,オイル交換に挑戦することにした.

参考資料A がれーじ Ak!rA/メンテナンス編/オイル&フィルター交換記
http://homepage3.nifty.com/gakira/index.htm
参考資料B 伊東 信 (著) イラスト完全版 イトシンのバイク整備テク
講談社プラスアルファ文庫


 …うむっ.読んでみた限りでは難しいことは何もなく,大失敗の目も無さそうだ.必要なブツはこの1週間で手にいれてある.ある晴れた平日の午前中(職場には研修中ということになっている(^^)),僕はオイル交換に取りかかった.

 この日のために用意したのはオイル(カストロール社 GPS 10W-40)・フィルタ・フィルタレンチ・オイルジョッキおよび油受けの100均のトレイ,しめて9362円.(ショップに依頼した方がはるかに安くつく…)  オイルは純正でも良かったんだけど,ちょっと色気を出して他社製品にしてみた.カストロール社のものにしたのは,唯一聞いたことあるメーカだったから(^^)
 まずはカウルを開けなくちゃね.参考資料A(がれーじ Ak!rA)によれば,右のアッパーカウルを開けろ,とある.ヘクサレンチのネジを7〜8箇所とプッシュピン1コ,それとすっぽぬく締結部を外した…がカウルは取れる気配がない.仕方なく少し前方に力を入れて引っ張ると,「ぼこん」という音とともにようやく外れた(うへぇ,また着せるとき大変そう…)

 
カウルを外したところ.ほとんど違和感はなく,「もともとこういうバイク」と言われれば納得してしまいそう


 オイルを抜く前に,まずは今のオイルの量を見ておこう.オイル量を点検する窓は,右足のステップの辺りにある.点検の際にはバイクを垂直にしなければならないが,前述の通りうちにはセンタースタンドもメンテナンススタンドもない.よって1人がバイクを立て,もう1人がオイル量を見るしかない.しかし,たかがオイル交換に2人がかりというのは如何なものか…
 どうやろうかと頭を揉んで,名案を思いついた.カメラのセルフタイマーを使えばいいじゃないか! ビデオという手もあるが,どうせサイトにアップするのだ,デジカメなら一石二鳥ではないか.
 オクラ行きになってた高さ10cmくらいの小さな三脚を引っ張り出してきて,いつものデジカメに据える.ハヤブサの横に置いてみるとちょうどオイル点検窓の高さだった.サイドスタンドで駐機中のハヤブサはやや左側に倒れているから,バイクを起こして垂直にするといくらかカメラに近づくことになる…との計算のもと,撮影位置より約7センチ近づけてピントをセット.これで準備完了だ.
 では,いよいよセルフタイマー,スタート!!  被写体側のLEDが点滅を始めるのを確認して,ゆっくりとハヤブサに跨る.(ここでタチゴケでもしたら泣くに泣けない…) ハンドルをまっすぐにして,車体が垂直を保つように跨った.こんなもん…かな? カシャリ.
 できた写真を確認すると,まんまとピンボケ.ふむ,やや近すぎたかな.今度は9センチくらいにしてみよう…

 その後試行錯誤を繰り返すも,とうとう,うまく行かず.結局カミさんにボタンを押して貰った.(まさに机上の空論,大失敗 _| ̄|○)

 で,撮れた写真を見てびっくり.オイルはLOWのレベルを遙かに下回り,点検窓から全く見えない状態だった.念のためわざと右に車体を傾けてみると,15度くらい傾けてようやくオイルが見えてくる始末.(つまり全然オイルの量が足りないのだ) …おいおい,危なすぎるよ.ギアが入りにくいのも道理.でもなんで3500kmぽっち走っただけでこんなにオイルが減ってるんだろう.今度師匠かショップの人に尋ねてみよう….

 カウルを外したまま3分ほど走り,エンジンを軽く暖めたらいよいよオイル交換だ.車体下のドレンボルトを緩める.後ほど「緩めたときの強さくらいで」締めるため,緩めたときの強さを覚えておこうと努力.案外あっさり外れたから,あっさり締めておけばいいだろう.(安直) ドレンボルトを押しつけながら軍手の指で緩めてゆき,最後にサッと取り去ると,予想外の勢いで真っ黒なオイルが流れ出てきた.

 待つこと5分.(今日は午後仕事があるから,ビール飲めないのが残念…) オイル流出がぽたぽた位になったところで,今度はフィルターを外す.フィルターはオイル交換2回に1回の交換でいいそうだから本当は今回変えないでも良かったのだが,値段も大したことないし,交換してみることにした.フィルターレンチを使うのは初めてだが,ケース裏面の仕様説明ははなはだ簡単.「サイズを合わせておいてから使うこと」とあるだけで,「どう」使うのかは全く書いてない.新品のフィルターにあてていろいろ試しているうちに,どうやら取っ手を起こすようにして使うと密着する,ということが分かってきた.(学習) 上下を注意しながら車体のフィルターに咬ませる.取っ手を起こし下方に回すと…あっさり回った.最初以外はもう全く力がいらなかったので,あとは最後まで手で回した.フィルターが外れると,また大量のオイルが垂れだしてきた.

 ハヤブサに跨って,右に左に,そしてブレーキを引きながら前後に揺さぶる(すごく楽しそうに見えたらしく,子供にやらせてくれとせがまれた(^^;).揺らしてもオイルが垂れなくなるまで,と書いてあるが,10分ばかり揺らしていても最後のぽたぽたは切れず,根負けして終了.
 さぁ今度は穴ふさぎ.フィルターは手で回るとこまでで良いとか,レンチを使え,とか様々なやり方があるようだが,せっかくレンチを買ったので,手で回るとこまで回した後,もうちょっとだけ締めておいた.次にドレンボルトだが,こいつは磁石になっているのでウェスで表面についた鉄粉を掃除.これもまた手で締めるだけ締めて,最後は「あっさりと」17mmのボックスレンチで締めた.

 あとはいよいよ注油だ.日本語のマニュアルを見ると,フィルター交換時のオイル注入量は3300ml.一方がれーじAk!rAは英語版説明書を参考とし,3500mlを注入していた.オイルを買ったときも売り場に3500mlと書いてあった気がする.さて,どっちが正しいのだ…?
 悩んだあげく,オイルを抜くのは大変,足すのは簡単という理由で,まずは3300mlを入れてみた.またまたカミさんを引きずり出してきてオイル量を見て貰うが,まったく窓から見えてこない.やはり3500mlか.約200mlオイルを追加.しかしカミさんの返事は「Lowレベルよりちょっと上くらい」と.おかしい….念のため,バイクを傾けてみたが,オイル量がちょうど真ん中に来るようにすると,バイクは10度以上倒さねばならなかった.やっぱりオイルが足りないらしい.「入れすぎ」を警戒しつつ,100mlくらいづつ追加.結局,3700mlくらい入れて,ようやくオイルレベルは丁度良いところまで来た.

オイル交換前オイル交換後


 結論から言うと,オイル交換は思っていたよりずっと簡単で,なんてことなかった.オイルだけ買ってくればもう他のコストはかからないし,手間も1時間まではかからないから,次からも自分でやることにしよう.
 さて次の課題であるが,今年の初箱根(4月25日)の際,師匠にブレーキパッドが要交換であると指摘された.もう,本当に「ナイ」とのことで,マズイことになる寸前らしい.泡を喰ってパッドだけ買ってきたので,今度の休みにでも取り替える予定.(しかし,必要に迫られてやる整備が続くなぁ.余裕がないのは良くないね.今回のオイル量のこともあるし,日頃から点検しておかなくちゃ…)


26th.Apr.2004