おめかし

 僕はバイクはドシロートだから,改造してもその性能の違いが分からないと思う.だからハヤブサを買ったとき,1年間は改造をしないと決めた.まぁ1年乗ってたら,何かイジればその違いに気がつくかも知れない,と.  …というわけで,ここのところ「性能の変わらない改造」に凝っている.ドレスアップ,すなわち「おめかし」だ.


Mission1:コブ+グラブバー('03.09.14)
 グラマラスなボディー.とことん曲線で構成された隼のその肢体に,僕は惚れたのだ.最初に隼を見た時,僕の目を釘付けにしたのは,走り去るその後ろ姿,テールカウル(コブ)の柔らかなふくらみと,圧倒的なパワーを感じさせる極太タイヤだった.
 納車時の隼はタンデムシートをつけていて(車検時に乗車人数2名で登録するために必要だから,というのがその理由らしい),コブは別に箱で持たされる.免許を取って1年以内の私はまだタンデムは御法度だったから,納車後しばらくはあこがれのコブを付けていたのだが,そのうち再びタンデムシートを付けるようになった.
 この理由の一つが,コブを取り付ける際の面倒くささにある.コブや,タンデムシートはキーを回すだけで簡単にとれるのだが,「コブをつける時にはグラブバーを取り外す」必要があるのだ.まぁ6角ボルト4カ所外すだけの手間なんだけど,こんなことを忙しい時にやっていられる訳がない.実際うちのブサは通勤や仕事に使われていて荷物を運ぶ機会も多かったため,どうしてもタンデムシートの利用頻度が高くなる.ほどなくしてコブはお蔵入りになってしまった.

 今回の作戦目標は,グラブバーを付けたままコブとタンデムシートを簡単に取り替えられるようにすること.そもそも何故コブとグラブバーが両立しないかというと,グラブバーの基部にコブの縁が当たるのが原因なのだ.では削ってしまえばいいではないか? 同様の発想をした人は既にいて,コブとグラブバー共存の画像はインターネットで見た事があった.問題はやり方だ….
 いろいろ考えたあげく,買ってきたのは「糸鋸」と「リューター」,しめて720円.(電動ドリルは既に持っていた) ぶった切って削るだけの作戦だ(笑).
 まぁ考えても始まらない,やってみようかい.グラブバーを付けたままコブを位置合わせして,削る幅と深さを適当にマジックで書く.コブの裏ブタはじゃまだから作業中取ってしまった.糸鋸を当てて,ちょっと躊躇.カウルにノコを入れるってのは,さすがに緊張する.
 腹を決めてカットを開始した.思ったより柔らかくて,するすると切れる.角は少し浅めに残しておいて長手方向にターン.マジックのケガキ線を忠実に守りつつ,ゆっくりと切り進む.最後のタテは外側からアプローチ.思ったより切り口がシャープだ.角のところも綺麗に取ったら片側完了.3分間くらいでできちゃった.簡単にいったのに気を良くして,反対側も,今度は臆せずにカット.



 両側切った段階で,一度隼の上に乗せてみた.幅はいいけど,深さが両側ともちょっと足りないみたい.さて,ではここでいよいよリューター登場だ.4種類くらいの先端形状で,木材用なんだけどうまく行くかな?  一番メが荒そうなヤツをチョイスして,まずは深さを稼ぐ荒削り.電動ドリルのパワーであっという間に切り込みが深くなっていく.時々車体に乗せながら様子をみて両側とも十分な深さにした.次にザラザラの砂消しゴムみたいな表面のパーツを使って,表面をならしていく.これもあっという間.電動工具の威力はすごいわぁ….さて本当はこのあとサンドペーパーを使って仕上げするつもりだったんだけど,外側からはまったく見えなくなってしまったので,割愛.これにて完成とした.

 
完成品.なんかグラブバーがテールウィングみたいでかっこいくないかい?


Mission2:クリアレンズ装着('03.10.18)
 もともとそんなにクリアレンズに興味があった訳ではない.ただリアのウィンカーについては「見た目が重たいな〜」と思っていたのは事実だ.これについては何かスマートな形状のものがあったら,変えてみようかな,とは考えていた.
 ある日,HOCの掲示板を見ていた時,クリアレンズが話題になっていて,いくつかの通販サイトのページの名前が挙がっていた.リンクが張ってあったから,一通り見てみたんだけど,フロント・リアのウィンカーと,テールランプまで換えると結構いい値段(3万くらい)になる.その時は大して欲しくもなかったから「ふ〜ん」程度.その何日かあとになって,海外のサイトから直輸入すれば全然安いよ,という書き込みがあった.英語かぁ…と思いつつも,変わったアイテムでもあるかな?と,ちょっと覗きに行ってみた.隼用もいろいろ揃っていたけど,モノ自体はあまり日本で見られるものと変わらない.それよりクリアレンズの値段の安さにクラっとした.上記のセットにshipping fee($10)を足しても$170前後なのだ.この値段なら手がでないこともない.アルコールを飲んでいたこともまずかった.気が付くと僕はオーダーフォームに必要事項(住所名前とカード番号くらいだけど)を記入して送信してしまっていた.

 約1週間後.箱詰めの荷物が海を越えてやってきた.思ったより早かったのでびっくり.箱の中には商品のほかは納品書だけ.取説その他はな〜んにも付いてないところが,アメリカらしいが….困ったな,リア周りは何とかなりそうだけど,フロントのなんか,説明書なしで付けられるんだろうか?
 晴れた土曜日の昼下がりに作業開始.まずはリアから.ウィンカーは+ドライバ1本で簡単に交換終了.テールランプはLEDの集合体(?)2つを取り付けた後,同じ形のクリアレンズを装着.作業時間10分くらいか?

 
左が電球,右がLED.ソケットに左右差はなく,ブレーキをかけると両方の輝度が上がる.電球の方が鏡面での反射があるため明らかに眩しいが,ナナメからではそれほどの差はない.もちろんこの後両方ともLED球にした.

レンズを付けて,エンジンをかけて試してみた.

ブレーキ作動中.ウィンカーやテールランプ・ブレーキランプの視認性は十分.

 次はフロントだ.カウルなんか外したことないから,しばし困惑.カウルの隙間を見上げたり,のぞき込んだりしてメーター脇のカウルと,隼の「ノド」のカウルを取り外した.するとフロントウィンカー発見…したのは,いいが,どうやってこれを取り外せってんだ? HID化してあるせいか知らんけど,素直に回せそうなネジなんて1個もない.ネジは見えてるが手前にいろいろありすぎて回せないよ,こりゃ.
 いろいろやったが手持ちの工具じゃラチがあかなくて,結局フレキシブル・ドライバ(\840)とラチェット・ドライバ(\480)を購入,なんとかネジを外した.ネジさえ外せばウィンカーは(ちょっとむりやり)前方から取り出すことができる.同じようにクリアウィンカーを前から差し入れて,あとはまたネジで締めるだけ…って,どうやって締めるのよ,これ?
 結果から言えばネジはなんとかとまり,作業は終了.しかしその過程で3ヶのネジがカウル内の手の届かないところに落ち,今も眠っている.(ピッチと長さが同じネジを買ってきてつけました)


フロントを片目だけ変えてみたところ.


Nov.4th.2003