来たれ，ハヤブサ！
卒検の翌日．午前中時間が空いたので府中の運転免許試験場へ向かう．前回車で行ったら駐車場待ちで３０分以上無駄にして懲りたから，今度はミニバイク（中古の屋根付きピザ原チャ）で行くことにした．職場から試験場までは東八道路で一直線．15分くらいの距離なのだ．
試験場での手続きは中免を取りに来た時とほぼ同様．18日前にやったばかりなのにまた視力検査やら写真やらを繰り返して，１時間半ほどで憧れの大型自動二輪免許を手にすることができた．
去年の11月から教習所通いを初めて３ヶ月半．このちっぽけな免許証の上に「大自二」の３文字を貰うのになんと長い時間と大きな金がかかったことか（もちろん一発試験しかなかったころに比べれば１００倍楽なわけだが）．あぁ，できることなら本当はこのままショップに行ってハヤブサを迎えに行きたい…．でも今日は午後から榎町（新宿区の西のはずれ）でお仕事なのよ．ハヤブサよ，明日迎えに行くからね（夕方行っても良かったのだが，その日は午後から雨の予報．さすがに初日から雨中走行は怖かったのでやめておいた）．ショップに連絡して明日の納車をお願いし，僕ははやる気持ちを抑え，今度は一路東八道路を東へ，新宿へ向かった．
ところが．
環八を越えて甲州街道に合流しオーバーパスの下り坂で，突然エンジントラブル！ ぎゅうぉ〜んと明らかな異音がして強烈な制動がかかった（時速50kmから２秒くらいで急停車）．３輪ゆえバランスを崩して転倒する，という最悪の事態は避けられたが，オーバーパスの上でこの状態はいかにも危険（すぐ後ろに車がいなくて幸運だった）．ダメもとでセルを回してみたところ，なんとエンジン・リスタート！ と，とりあえず，平らなところへ逃げよう…．
なんだったんだ，今のは？ 初めはエンジンが焼き付いたのかと思ったが，それならそう簡単に再始動するわけがない．ガス欠でもなし，オイルもこないだ入れたばかりだ．一端バイクを降りて一周してみたが，外見上も変化はない．ふぅむ…．
仕事の時間が迫っていたため，再びバイクにまたがり，おそるおそる発進．甲州街道上り線片側４車線の道路（桜上水付近）の一番左をそろそろと走っていたが，500mほど行ったところでまたぎゃぎゃぎゃぎゃ〜と前回にも増して怪しい音を立てて，我がピザ原チャは止まった．もうセルをかけてもエンジンはかからない．こりゃ逝ったかな…．心配だったが時間がない．ちょうどたまたまバイク屋の前で止まったため，バイク屋に預けて僕はタクシーで仕事に行った．
夕方，天気予報通りのどしゃ降りの雨の中バイク屋に戻ったが，結局ピザ原チャはおシャカということになった．ハヤブサ到着前日の，突然の交代劇．外して貰った水色のナンバープレートが位牌みたいでちょっと泣けてきた．
さらば，ジャイロキャノピー．
２年間僕の足になってくれてありがとう！
問題の日．雨上がりの快晴．
突然の発熱により仕事はお休み（スーパー内緒話モード）．昼過ぎにニョーボともども車でショップを訪れた．保険の話とか，ローンの話とかの事務的な話が結構あったが，もう僕は気もそぞろ．早くハヤブサのところへ行きたい，というのが正直な気持ち．ちなみにニョーボはチョイノリを見つけてきゃーきゃー言ってました．
さて，とうとうその時がやってきた．
ガレージ前に無造作に置かれた新車のハヤブサ．ディープブルーの車体に銀色の文字．他の色なんかメじゃない，このカラーは格好いい！（他カラーのオーナーさん，すいません(^^;）．僕のハヤブサ…と考えてドキッとした．僕は，すごく，大それたことをしつつあるのかも知れない…．
振動検知装置の操作法や馴らしの方法などについて短い説明を受けたが，僕は半分上の空．カギを渡されて我に返った．店員さんがみんな見送りに出てきている．ニョーボは荷物（シングルシート・カウルなど）を持って車に乗って先に行ってしまい，僕はいよいよハヤブサに跨った．ミラーを合わせて，セルを回す．エンジンスタート．アイドリングですら，太い強烈な排気音．一瞬，頭が真っ白になる．上を向いて，軽く深呼吸．よし，行こう！
店員さん達にお礼を言い，ギアを１速へ．発進！ 道にでるとき少し膨らんでしまったが，エンストもホイールスピンもなしに，なんとか出発することができた．あぁ，よかった！（出発前に「以前店から道に出たところで転倒した人がいたんですよ〜」，なんてにこやかに云われた．ううっプレッシャーかけないでくれ…）でも，振り返る余裕はなかったけど，店員さん達も（おそらく）ほっとしていたことだろう．
ショップの裏口から出て，左・左・右ですぐ甲州街道へ出た．おそるおそるスロットルを開ける．車の群れの中だから，そんなに加速感はない．信号待ちで１度エンストしてしまったが，落ち着いて再スタートできた．これで少し余裕が出てきた．走り出しがやや不安だが，その後は特に問題ないみたい．ギアを６速まで上げて，下げてみる．うんうん，ギアも軽いぞ．
東京スタジアム横の信号で先頭になった．この先400mくらいにオービスがあるのは知っている．でもバイクは関係ないもんね，少〜しだけ，出してみようか…．出だしはそろそろと発進，３速40km/Hくらいからちょっとスロットルを開けてみた．どーん！ あっという間にとんでもない速度（記載不能）になってしまう．どあ〜怖ぇ〜（半泣き）．
…その性能のほんの数パーセントに触れただけでも分かった．この機械は，やはり化け物だ．
低速での扱い（停止からの右左折とか）が不慣れで緊張したけど，なんとか帰宅．アンカーの位置を気にしつつ，駐車場に駐車した．ギアをニュートラルに入れ，エンジンカット．ぷ〜，やった〜，着いた〜．
改めて，ハヤブサを見る．自然に頬がゆるんでしまう．僕の，ハヤブサ．…最高の気分．
こんにちは，ハヤブサ．これから，一杯楽しいことしようね！ どうぞ宜しくね！
卒検の翌日．午前中時間が空いたので府中の運転免許試験場へ向かう．前回車で行ったら駐車場待ちで３０分以上無駄にして懲りたから，今度はミニバイク（中古の屋根付きピザ原チャ）で行くことにした．職場から試験場までは東八道路で一直線．15分くらいの距離なのだ．
試験場での手続きは中免を取りに来た時とほぼ同様．18日前にやったばかりなのにまた視力検査やら写真やらを繰り返して，１時間半ほどで憧れの大型自動二輪免許を手にすることができた．
去年の11月から教習所通いを初めて３ヶ月半．このちっぽけな免許証の上に「大自二」の３文字を貰うのになんと長い時間と大きな金がかかったことか（もちろん一発試験しかなかったころに比べれば１００倍楽なわけだが）．あぁ，できることなら本当はこのままショップに行ってハヤブサを迎えに行きたい…．でも今日は午後から榎町（新宿区の西のはずれ）でお仕事なのよ．ハヤブサよ，明日迎えに行くからね（夕方行っても良かったのだが，その日は午後から雨の予報．さすがに初日から雨中走行は怖かったのでやめておいた）．ショップに連絡して明日の納車をお願いし，僕ははやる気持ちを抑え，今度は一路東八道路を東へ，新宿へ向かった．
ところが．
環八を越えて甲州街道に合流しオーバーパスの下り坂で，突然エンジントラブル！ ぎゅうぉ〜んと明らかな異音がして強烈な制動がかかった（時速50kmから２秒くらいで急停車）．３輪ゆえバランスを崩して転倒する，という最悪の事態は避けられたが，オーバーパスの上でこの状態はいかにも危険（すぐ後ろに車がいなくて幸運だった）．ダメもとでセルを回してみたところ，なんとエンジン・リスタート！ と，とりあえず，平らなところへ逃げよう…．
なんだったんだ，今のは？ 初めはエンジンが焼き付いたのかと思ったが，それならそう簡単に再始動するわけがない．ガス欠でもなし，オイルもこないだ入れたばかりだ．一端バイクを降りて一周してみたが，外見上も変化はない．ふぅむ…．
仕事の時間が迫っていたため，再びバイクにまたがり，おそるおそる発進．甲州街道上り線片側４車線の道路（桜上水付近）の一番左をそろそろと走っていたが，500mほど行ったところでまたぎゃぎゃぎゃぎゃ〜と前回にも増して怪しい音を立てて，我がピザ原チャは止まった．もうセルをかけてもエンジンはかからない．こりゃ逝ったかな…．心配だったが時間がない．ちょうどたまたまバイク屋の前で止まったため，バイク屋に預けて僕はタクシーで仕事に行った．
夕方，天気予報通りのどしゃ降りの雨の中バイク屋に戻ったが，結局ピザ原チャはおシャカということになった．ハヤブサ到着前日の，突然の交代劇．外して貰った水色のナンバープレートが位牌みたいでちょっと泣けてきた．
さらば，ジャイロキャノピー．
２年間僕の足になってくれてありがとう！
＊ ＊ ＊
問題の日．雨上がりの快晴．
突然の発熱により仕事はお休み（スーパー内緒話モード）．昼過ぎにニョーボともども車でショップを訪れた．保険の話とか，ローンの話とかの事務的な話が結構あったが，もう僕は気もそぞろ．早くハヤブサのところへ行きたい，というのが正直な気持ち．ちなみにニョーボはチョイノリを見つけてきゃーきゃー言ってました．
さて，とうとうその時がやってきた．
ガレージ前に無造作に置かれた新車のハヤブサ．ディープブルーの車体に銀色の文字．他の色なんかメじゃない，このカラーは格好いい！（他カラーのオーナーさん，すいません(^^;）．僕のハヤブサ…と考えてドキッとした．僕は，すごく，大それたことをしつつあるのかも知れない…．
振動検知装置の操作法や馴らしの方法などについて短い説明を受けたが，僕は半分上の空．カギを渡されて我に返った．店員さんがみんな見送りに出てきている．ニョーボは荷物（シングルシート・カウルなど）を持って車に乗って先に行ってしまい，僕はいよいよハヤブサに跨った．ミラーを合わせて，セルを回す．エンジンスタート．アイドリングですら，太い強烈な排気音．一瞬，頭が真っ白になる．上を向いて，軽く深呼吸．よし，行こう！
店員さん達にお礼を言い，ギアを１速へ．発進！ 道にでるとき少し膨らんでしまったが，エンストもホイールスピンもなしに，なんとか出発することができた．あぁ，よかった！（出発前に「以前店から道に出たところで転倒した人がいたんですよ〜」，なんてにこやかに云われた．ううっプレッシャーかけないでくれ…）でも，振り返る余裕はなかったけど，店員さん達も（おそらく）ほっとしていたことだろう．
ショップの裏口から出て，左・左・右ですぐ甲州街道へ出た．おそるおそるスロットルを開ける．車の群れの中だから，そんなに加速感はない．信号待ちで１度エンストしてしまったが，落ち着いて再スタートできた．これで少し余裕が出てきた．走り出しがやや不安だが，その後は特に問題ないみたい．ギアを６速まで上げて，下げてみる．うんうん，ギアも軽いぞ．
東京スタジアム横の信号で先頭になった．この先400mくらいにオービスがあるのは知っている．でもバイクは関係ないもんね，少〜しだけ，出してみようか…．出だしはそろそろと発進，３速40km/Hくらいからちょっとスロットルを開けてみた．どーん！ あっという間にとんでもない速度（記載不能）になってしまう．どあ〜怖ぇ〜（半泣き）．
…その性能のほんの数パーセントに触れただけでも分かった．この機械は，やはり化け物だ．
低速での扱い（停止からの右左折とか）が不慣れで緊張したけど，なんとか帰宅．アンカーの位置を気にしつつ，駐車場に駐車した．ギアをニュートラルに入れ，エンジンカット．ぷ〜，やった〜，着いた〜．
改めて，ハヤブサを見る．自然に頬がゆるんでしまう．僕の，ハヤブサ．…最高の気分．
こんにちは，ハヤブサ．これから，一杯楽しいことしようね！ どうぞ宜しくね！
March.7th.2003