隼匠の資格(前)

 2002年11月末.バイクにはそろそろ寒い季節だが,僕はハヤブサに乗るための最初のアクションとして二輪の免許をとる決心をした.最近は大型二輪(限定解除)をいきなり取ることができる教習所もあるそうだが,最寄りの教習所は中免をとってからでないと大型をとらせて貰えない(=時間もお金も余計にかかる).でもまぁ職場からも家からも一番近いし,現実的に通えるのはここぐらいなので,ぐっと我慢して近所の自動車学校に入校した.

 いくつも書類を書いて,写真を撮って,13万なんぼか払って(中免だけで13万円!)手続きは終了.四輪の免許は持っているので学科はない.さぁいよいよバイクに乗れる…,と思ってたらとんでもない.まずは適性検査から.ただこの日は適性検査がなく,都合のいい時間で適性検査が受けられたのはなんと6日後のことだった.
 バイク教習ははじめの方に「適性検査」「初回」「シミュレータ」などのコマ数の限られた教習が多い.ただでさえコマ数が少ないのに,仕事帰りだと最終コマ(19:05からの12限目)しか受講できず,あげくにその時間は混むからなかなか予約がとれない.結局,この3つをこなすのに3週間もかかってしまった.

 さて4コマ目からようやくまともにバイクに乗らせてくれるようになる.乗り始めると楽しくて仕方がなくて,週1〜2回くらいのペースで通っていたけど,乗れる日がなんとも待ち遠しかった.

 教習車はホンダのCB400でオーソドクスなバイク.ドシロウトだしバイクの善し悪しなんてわからないけど,その第一印象はなんといっても「重い」こと.「初回」の講習の時に車体起こしをやったときももちろん重いと思ったけれど,それだけじゃない.重さゆえにバランスを取るのがすごく大変なのだ.例えば自転車やバイクなら,走行中どちらかに傾いても,逆の方に足をだせば足の重みでそちらにバランスが戻る.ただ乾燥重量170kg超のCB400では足なんかだしても戻りません….この日だけで2回も立ちゴケしました.そして学んだこと.バイクはしっかり下半身で固定して,上半身の荷重移動およびハンドル・アクセル・ブレーキでバランスをとる乗り物らしい.(後で教習テキストを読んでみたら,やっぱりそう書いてあった.一度くらいは読んでおくものだなぁ…)
 ちなみに懸案のクラッチは案外上手にできた.やれやれ.

 ある日,怖いと噂の「急制動」をやることになった.
 バイクって,右手と右足でブレーキだ.そこが原付と違う.足で急ブレーキかけながらロックさせないのって,難しいぞ?(四輪車ならできないことないのに…) 30km/Hのときはともかく40km/Hだとあっさりロックする.後輪がロックすると,車体があっちこっち向く.こ,これは本当に怖い!  卒業までにはなんとかできるようになったけれど,結局最後まで一番難しかったのはこの急制動.免許取ってからも,練習を続けねば….
 「スラローム&一本橋」(正式には平均台?)も最初は難物だった.スラロームはどうってことなかったけど(卒業まで全くストレスを感じなかった),問題は一本橋.まぁやってみて,と軽く言われて挑戦するも,落ちる,落ちる.何度やっても半分くらいまでしか行けないぞ! しかしここで教官からアドバイス.ニーグリップをしっかりして腕に余裕を持たせろ,と.
 やってみると,あっさりクリア.すごいぞ教官!
 結局のところ僕はまた「自転車式」のバランスの取り方をしていたということ.つくづく,バイクはきっちり下半身で固定してないとだめなんだなぁ….

 年が明けて2003年2月.毎回仕事帰りに(内緒話モード:あるいは時に仕事の合間に),ぽつりぽつりと乗ってきたけど,ようやく全17コマ修了.結局中免教習に2ヶ月半もかかってしまった.

 そして2月8日,いよいよ卒検.一時停止でバランスを崩し一回右足を接地してしまったが,100点満点で合格(なぜ減点されていない?).学科は免除だったので,あとは手続きだけ.
 2月13日,仕事の合間で府中の自動車免許試験場に行って,とうとう憧れの自動二輪免許を入手した!(そのあと更に教習所行って再入校してきた)

 さぁ第1ステップはクリア,次は限定解除だっ!!

Feb.13th.2003