九尾の狐-II/The 4th Tale




こんなはずじゃなかった…。
国境さえ越えれば、自由の国だった。
身分証も、パスポートも、出国許可証もみんな用意した。
英語だって勉強したし、準備万全なはずだった。あと少しで私は、好きな所へ行き、
好きな仕事をし、好きなものを読み、食べ、遊ぶことができたはずだった。
そう、私の人生は私のものになるはずだった! それなのに…。
窓のない部屋に閉じこめられ、私は虚脱していた。
いまさらながらに「正しい答え」にたどり着き、
時間が戻せるわけでもないのに、私はただただ後悔するばかりであった。
もはや涙も枯れ果てた。これから先私がどういう運命をたどるかは分からない。
しかし、、、。しかし、、、。

 あの日、あの時、あの瞬間、『8』と答えていたならば!!!




問題の日。
私は米国国境の検問所に続く長い列に並んでいた。
そろそろ2時間になる。照りつける日差しはきつく、
すでに全身汗まみれになっていたが、私の心は軽かった。
この国境さえ越えれば自由の身なのだ。準備も慎重に慎重を重ねており、
万全と言い切れる自信があったから、私はほとんど緊張すらしていなかった。
今はただただ、列が早く進んでくれることのみ願っていた。

そして2時間後。
ようやく私と前後の10人くらいの人間が検問所内に通された。
私の前は会社員とおぼしき4人のグループだったが、
その1人目が検問所の係官に呼ばれた。
パスポートをチェックし、出国許可証の写しをとり、
簡単な身体検査が済むと、スタンプを押して出国…のはずだったが、
最後に出国検査官はとんでもないことを言った。

「よし。では最後のテストだ。『9』」

会社員は一瞬考え、すぐに、『4』と答えた。
検査官はポーンと勢いよく印を押すと、
パスポートを会社員に放ってよこし、言った。
「次!」

テスト、、、???
私はパニック寸前だった。そんなものがあるなんて全く聞いていなかった。
どうすればいいのだ…。4と答えればいいのか?
いやそんなはずはあるまい。
検査官はわざわざ9という数字を言っていたのだ。
2人目の男が呼ばれた。
そして出国検査官はこの男に対してもやはりテストを要求し、『15』と尋ねた。
男は『7』と答え、出国を許可された。
つづけて3人目の男が呼ばれ、『12』と尋ねられ『6』と答え
検問所を出ていった。

……!
そうか、分かった!!! 簡単なことじゃないか。聞かれた数字の半分を答えればいいのだ。
奇数だったら、切り捨て。たったそれだけの話だ。
私の前の男が呼ばれた。会社員グループのボスと思われる男だ。
書類のチェックが済むと、係官は合い言葉として『23』と尋ねた。
男は「23 !?」と驚いたように言った。
検査官の目がわずかにしかめられ、検問所に緊張が走った。
しかし、男はしばらく考えてから『11』と答え、検査官は黙って
出国のスタンプを押した。男は汗をぬぐいながら、検問所を出ていった。

大した計算でもあるまいに…。
私は苦笑しながら、検査官に書類を並べていった。
出国検査官は旅券、出国査証、身分証明書を順にチェックしていき、
その間に所持品が検査された。
全て書類は問題がなかったらしい。検査官は私にテストを行った。
「では最後のテストだ。『14』」
私は自信を持って答えた。
「『7』です。」

その瞬間、検査官は傍らの赤い大きなボタンを押した。
国境検問所にサイレンがなり、自動小銃を携えた兵士の一団がなだれこんできた。
「Freeze!!」

私は壁に手をついて立たされ、手錠を掛けられた。
乱暴に兵士に両脇を捕まれ連行され、そして投獄された。
わけが分からなかった。一体なにが間違っていたんだ……。





『813』に対する正しい解答は?

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解答入力
難易度 ★★★☆☆予想解答時間 〜30分
Specter:国境を逆に越える時は違う解答になるかも知れませんね…