九尾の狐-II/The 1st Tale




それは何年にも渡って繰り返されてきた習慣であった
互いの行為の虚しさを知りつつ
しかし、それが終わってしまうことを恐れるが故に
彼らは同じ事を繰り返し続けてきた…

    *        *        *

週に一度だけ郵便屋がやって来る
日曜日 彼は 書斎の窓から外を眺め
やがて一通の手紙が投函されるまで 待った

彼は辺りを見渡し 誰も見ていないことを確認する
そして郵便受けに忍び寄り 手紙を懐に忍ばせ
そっと家の中に戻った

書斎の戸に鍵を掛ける
これで誰も近づけない
ロッキングチェアに慎重に腰を下ろし
あご髭を撫で 軽くため息をつくと
漸く彼は 懐から手紙を取り出した

いとおしげに 彼は その手紙を見つめる
明かりを点ける必要はない
内容は分かり切っているし
差出人は見なくても 自明


そして…
そして彼は
暗い書斎の中でその手紙を食べ始めた
むしゃむしゃと…

    *        *        *

げっぷ一つして デスクに向かうと
二段目のドロワーから 便箋と封筒を取り出し
万年筆のキャップを取った
そして
今までに何度書いたか分からないそのメッセージを
便箋に書き始めた

「せらよげそん
 そっけなちごめな がやうぜのおね?」



ここからが問題です。メッセージの暗号を解き、その法則を見いだして下さい。そしてこの法則に従って「コメ」を変換、更に英訳して得られる5文字の英単語を、下の「解答入力」をクリックして入力して下さい。(Java Scriptを使用しています)

解答入力
難易度 ★☆☆☆☆予想解答時間 〜15分
Specter:暗号文は短かすぎない 必要にして充分