成人の主な心電図所見

 

【軽度の異常(境界域正常)】 成人では問題ないことが多く、主に経過観察

1)            単発上室性期外収縮心室性期外収縮(単発の繰り返しだけ)

期外収縮とは不整脈のひとつ。単発では問題になることは少ない。

2)            左軸偏位右軸偏位正面から見た軸のズレ

3)            反時計方向回転CCWR時計方向回転(CWR:下方から見たズレ

心臓の電気的な軸のズレ。体型によることが多いので多くは心配なし。

4)            洞性不整脈

呼吸により心臓のリズムが速くなる・遅くなるを繰り返す。

5)            不完全右脚ブロック不完全左脚ブロック

不完全脚ブロックは心臓の電気的動きを伝える左右の線維の機能が低下。

6)            1度房室ブロック

心房と心室間の電気的な伝わりが遅い。

 

【境界域異常から異常の心電図】 必要により二次検査・治療を

1)            ST-T異常 ST低下、陰性T波またはT波の平低化

心筋の虚血の可能性、つまり、虚血性心疾患の可能性があります。

2)            頻発する上室性期外収縮*頻発する心室性期外収縮*

重症の不整脈が出る危険。*二段脈とは2拍中1つ、三段脈は3拍中1

3)            WPW症候群QT延長症候群*

重症の不整脈が出やすい心電図。*正常のQ-Tc時間 男性<0.42、女性<0.43

4)            完全右脚ブロック完全左脚ブロック 左室肥大P波増高

心疾患が潜んでいることがある。

5)            心房細動発作性上室性頻拍症

不整脈のひとつ。心房が痙攣するように動くもの。脳梗塞の危険↑も。

6)            2度房室ブロック完全房室ブロック

心疾患が潜んでいる可能性と、重い不整脈が出る危険がある。

 

【明らかに異常の心電図】 早期に専門的な治療が必要

1)        ST上昇と陰性T波の組み合わせテント状T異常Q

急性心筋梗塞などの可能性。単独の異常Q波は陳旧性心筋梗塞でも出現