感染性腸炎

 

【原因】 細菌:キャンピロバクター、サルモネラ、ビブリオ、大腸菌など

     ウイルス:ノロウイルス、ロタウイルス、エンテロウイルス

 細菌とウイルスの区別:白血球数(ウイルス↓、細菌↑)

似た症状:精神的緊張、胃潰瘍や慢性腸炎、時に虫垂炎(盲腸)*などで

 虫垂炎(盲腸)*:胃部不快の後、腹部の右下が痛くなる。下痢はないことが多い

【症状】 悪心・嘔吐・下痢(水様便、泥状便)・腹痛や発熱など

 乳幼児やお年寄りで悪くなることが多いです

【検査】 細菌とウイルスの区別:白血球数(ウイルス↓、細菌↑)

     便培養検査(必要に応じて)

【潜伏期】細菌で4時間〜2日、ウイルスで12日、細菌毒素で16時間が多い。

【集団感染】集団で症状の出ている場合は申告してください

【治療薬剤】

1)症状を取る薬(整腸剤、下痢止め、胃薬、吐き気止め、解熱剤)

2)細菌に対する薬(抗菌剤)

【自宅に帰ってからの食事など】

1      水分と塩分の補給で脱水対策をすることが一番大切

下痢をするのがイヤで水分を取らないのは一番危険です(脱水になります)

一日に必要な水分:成人で2リットル程度(汗をかく時はそれ以上)

一日に必要な塩分:成人で6グラム(汗をかく時はそれ以上)

2      水分の取り方  ※市販のOS-1(オーエスワン)などを使うのもよいでしょう

冷やさないスポーツドリンクなど(糖尿病の方では糖分に注意)

一回の量は、20mlから30ml程度として、それを頻回に飲ませるというのが良いです。スポーツドリンクだけでは塩分が少ないと言われています。塩分は、みそ汁、スープ、梅干しなどで補給してください。

3      唇の乾きや本人ののどの渇きの程度は、水分補給の目安になります

4      ”なまもの”、”あぶらもの”は、食べてはいけません

5      嘔気が強い場合には、無理に固形物を取らずに、丸1日位、水分と塩分などの補給だけにした方が楽な場合があります。固形物は、お粥やよく煮たやわらかいうどん。欧州の民間療法で硬く焼いた食パン。どれも良く噛む。

5 外来治療で対処できない場合には病院にて入院治療になります。

【家族の方にうつさないために】 お風呂は入らない方が良い。患者さんがご家族の食事を作るのも避ける。乳幼児やお年寄りのいるご家庭では特に注意。