ヘルパンギーナ

 

乳幼児の間で流行しやすい夏かぜの一種で、3840度の高熱が2〜3日続きます。のどの奥に小さな水ぶくれができます。これがすごく痛いので、飲んだり、食べたりができなくなることもあります。水分が十分にとれないと、脱水症になることもあります。「特効薬」はなく、症状をおさえる治療が中心です。熱やのどの痛みをおさえる薬(解熱鎮痛剤)を使います。

【家庭で気をつけること】

1高熱:何日も高熱が続きますが、熱さましを使いすぎないようにして下さい。暑がっているようなら、涼しくしてあげて下さい。(2食事:のどの痛みが強いため、よけい食欲がなくなります。栄養はなくても、少しずつとれていれば大丈夫です。(すっぱい物や、醤油・ソースはいやがります。)(3水分:水分は十分にとらせて下さい。麦茶、イオン飲料など、あっさりしたものが良いです。(4入浴:熱があっても、とくに具合が悪そうでなければ、汗を流すことはかまいません。

【もう一度診察が必要な場合】

1)のどの痛みが強く、水分もまったくとれないとき。(2)高熱が4、5日以上つづくとき。(3)元気がなく、ぐったりしているとき。 など

【園や学校】

熱が下がり、のどの痛みもとれて、食事も含めて普通の生活に戻ってからです。(学校伝染病に指定されていて、「主な症状がなくなってから2日間」過ぎたら、出席できることになっています。)

【ヘルパンギーナをおこすウイルス】

コックサッキー・ウイルスA群、B群、エコー・ウイルスなど多数が知られていますので、何回でもかかってしまう感染症です。

【(参考)夏かぜのいろいろ 】夏も、ウイルス性の感染症がはやりやすい季節です。代表的なのが「ヘルパンギーナ」「手足口病」「プール熱」です。このうちヘルパンギーナとプール熱は高い熱がでますが、手足口病は熱がほとんどなく、かわりに手足にブツブツができます。このほかにも、名前はついていませんが、熱だけの夏かぜも多く見られます(冬のかぜと違い、咳・鼻水がなく、寒気もあまりありません)。発疹(ブツブツ)のできる夏かぜもあります。いずれの夏かぜも、中枢神経(脳や脊髄)の中に入り込みやすい性質があり、髄膜炎をひきおこすことがありますので、注意が必要です。