初めての降圧剤

 

 

【降圧剤開始のタイミング】

高血圧症は、動脈硬化を早め、心臓・脳血管・腎臓などの病気の原因となります。下記の条件のいずれかに当てはまる方で、血圧の薬を飲もう!と決意された方は、降圧剤の治療を開始します。降圧剤を開始しても、十人に一人程度の割合で、中止できる方がいます(特に、6月〜8月がチャンスです)。

 

        収縮期血圧(上の血圧) 拡張期血圧(下の血圧)

1 家庭血圧(平均) 135以上 または 85以上 

2     食事療法や軽体操などの生活改善をしても医院の血圧

           140以上 または 90以上

 

3     心臓病・糖尿病などの他の危険因子がある場合は、13の条件を満たさなくても、心臓保護などの立場より降圧剤開始を考慮します。

4     目標の血圧(医院) 130台 かつ 80台以下

 

※ 降圧剤を自己判断で中止するのは危険です

 

 

【降圧剤開始する前に是非とも実施したい血液検査】

 

1     レニン・アルドステロン系:高血圧と関係した血中ホルモン検査

レニン・アルドステロン系は、体内の昇圧(高血圧)ホルモンです。

原発性アルドステロン症は二次性高血圧(何かの原因があって高血圧となっている状態)の重要な病気です。降圧剤を飲み始めると、体内のレニン・アルドステロン系のバランスも変化します。よって、降圧剤を飲んでいない時しか正しい検査になりません。

甲状腺ホルモンなどは降圧剤の影響を受けません。開始後も正しく測れます。

 

2     一般の肝機能・腎機能など

腎臓や肝臓の状態を見て、降圧剤を調節しますので、薬を開始する前の肝機能・腎機能は確認が必要です。

 

 

【降圧剤開始後の定期検査】

薬の副作用監視などのため、原則として三ヶ月間程度は毎月、採血をします。それ以降は、三ヶ月に一回程度を目安としています。