春夏秋の発熱
高熱(38.5度以上)は、咳嗽(せき)の有無、季節で分ける
<治療>
*印は、抗菌剤(抗生剤)が有効。
**印は、抗ウイルス薬が有効。
(広島県安芸郡 原三千丸先生の原稿より改変)
@せきの出ない発熱・かぜ症状
【暑い時期・せき(-)の発熱。いわゆる”夏かぜ”(夏かぜ症候群)】
ア)一般に夏かぜとはエンテロウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルスの感染症のことです。咳はありません。しばしば消化器症状・関節痛。
こじらせると、細菌感染症*(気管支炎など)を併発することがあります。
【他の夏の小児の発熱(咳・鼻水がなく、寒気も少ない)】 伝染します!
イ)ヘルパンギーナ コクサッキーウイルス、エコーウイルス
ウ)手足口病 コクサッキーウイルス、エンテロウイルス
エ)プール熱 アデノウイルス
ヘルパンギーナ 高熱 喉の奥に小さな水ぶくれ 潜:3〜4日
プール熱(咽頭結膜熱)高熱 咽頭痛、結膜炎、耳前リンパ節の腫れ 潜:5〜7日
手足口病 微熱 手足口にブツブツ 潜:3〜7日
どれも髄膜炎をひきおこすことがありますので注意が必要。対症療法。
保育園・学校は原則として、解熱後2日まで休む必要があります。
【通年性・せき(-)の発熱】
扁桃炎*、急性副鼻腔炎*、溶連菌感染症*、アデノウイルス、ヘルペスウイルス
Aせきの出る発熱・かぜ症状
【暑い時期・せき(+)の発熱】 せき(+)の発熱は夏かぜではない
特に梅雨時から夏にかけての時期に、咳嗽と高熱(38.5度以上)の症状のあった場合、マイコプラスマ感染症*を第一に考えるべきだそうです。
【通年性・せき(+)の発熱】
気管支炎*・肺炎*などを考えます。原因は一般細菌*やマイコプラスマ*など。インフルエンザ**は冬の病気ですが、夏もごく少数の報告はあります。
※ウイルスに続き細菌感染症*や髄膜炎等を併発することがあります:通年