高尿酸血症・痛風
【血液中の尿酸値が高いと】
尿酸は体に必要な物質ですが、不必要な尿酸は腎臓で処理され尿中に捨てられます。
過剰な尿酸は結晶になることがあります。尿酸の結晶を顕微鏡で見ると、縫い針のような形をしています。尿酸が高いと血管に縫い針のような尿酸がささり動脈硬化が進行する結果、心臓病(虚血性心疾患)や腎障害の原因になると言われています。
また、足の親指の付け根や足首・膝の関節が腫れて痛む痛風発作の原因になることも知られています。ただし、血中の尿酸値が高くても痛風発作の起こらないことや、反対に尿酸値が正常範囲でも痛風発作の起こることがあることから、痛風発作は血中尿酸値だけで起こるものではないと言われています。
【尿酸値(mg/dl)】
およその正常値 男女 7.0以下
危険 男女 8.5以上
【高尿酸血症の原因と治療薬】(カッコ内は薬の重大な副作用)
1) 尿酸産生が多い
1尿酸産生阻害薬
ザイロリック100 1〜3錠 (皮膚・血液障害等)
2) 尿中への尿酸排泄が悪い:1+2の併用(単独もあり)、または3の単独
1尿酸排泄促進薬
ユリノーム25 1〜3錠 (肝障害等)
ベネッシット250 2〜6錠 (出血・血液障害等)
2酸性尿改善薬
ウラリット 1〜6錠 (高カリウム血症等)
3降圧剤(尿酸排泄有り ):降圧剤を服用中の方は考慮
ニューロタン50 1錠 (肝・腎障害・高K等)
※ 尿酸産生が多い・尿中排泄が悪い の区別には尿中尿酸値の測定が便利です
正常の尿中尿酸値は、一日 0.4〜1.0グラム
【高尿酸血症・痛風の方の食事療法】
高尿酸血症の方の食事療法のポイントは、過剰のカロリー摂取をさける
(一日1800kcal以下にする)、尿酸のもととなるプリン体を多く含む食品をひかえる、尿酸の尿からの排泄をよくするためにアルカリ性食品を多く摂取し、水分を十分にとる(一日の尿量を2000mlに保つ。ただし、腎臓病・心臓病の方は別途説明します)、アルコール(特にビール)をひかえる などです。
●プリン体が多い(制限が必要)
レバー、大正えび、干物、イカ、マイワシ
●酸性食品(とりすぎに注意)
卵、肉類、貝類、カツオ、ブリ
○アルカリ性食品(アルカリ性食品は尿酸値を下げる効果があります)
海草類、椎茸、緑黄色野菜、豆類、果物