○理想の血圧って?

日本高血圧学会会長を歴任された福岡大学名誉教授の荒川規矩男先生は対談の中で、「食事と運動に気をつけていても私の血圧は130/85台(mmHg)なんです。分類だと正常高値ですね。ですから今は少量の薬で120/70まで下げています。『そこまで下げる必要はないのでは?』とよく言われます。しかし、たとえ定義の上では高血圧ではなくても正常高値よりは正常血圧、正常高値よりは至適血圧の方がリスク(心臓病などの危険)が少ないことが統計的に明らかです。より確実に臓器障害を予防するためには至適血圧(120/80未満)まで血圧を下げる方が望ましいことは疑いありません」と言っておられます。血圧が下がりすぎて、倦怠感や立ちくらみなどの症状が出てしまっては困りますが血圧の高いことは心臓病や脳血管障害(脳卒中)の危険因子です。最近は、医療への感心が高く、色々な情報も得やすい時代です。不確かな情報に惑わされてはいけませんが、元気で長生きするための目標血圧を御自身で設定することも良いことではないかと思いまして、荒川先生のお話を載せてみました。

 

○自宅での血圧測定を!

血圧は脈ごとに変わります。連続して何度も血圧測定することは血管を続けて何度もしめつけることになるのでお勧めできませんが、もしも二回連続して血圧を測ると、一回目と二回目の血圧は異なることが多いです。経験的には二回目の方が低いように思います。また、医療機関に来ると緊張してしまって血圧や脈拍が上がってしまうこともあります。白衣性高血圧とも言います。腕で測るタイプの簡単な血圧計を購入して(六千円から八千円くらい)、安静時の自宅での血圧を測ることをお勧めします。回数は一日二回くらい。測る時間帯は、早朝起床時や安静時がよろしいと思います。自宅での血圧値は、医院での数値よりも低く出ことが多いと思います。