入院治療計画書(A)
<病名・症状>
疼痛(痛み)
主な目的は、疼痛(痛み)のコントロールのために入院とします。疼痛(痛み)は、他の人にはわからないくらいつらい症状です。御本人は、痛みのために、精神的にも肉体的にも消耗していると思われます。
痛みの原因をつきとめるのが一番ですが、それがわからないこともあります。痛みに対しての対症療法の薬を使うことからはじめます。この「痛みに対しての対症療法の薬」も薬ですので、副作用があります。一般には、腎機能障害・肝機能障害や胃潰瘍などの悪化などが多い副作用です。その他、薬によっては、便秘・食欲不振・吐き気・眠気のでるものや、精神症状の変化(抑うつ傾向)の出るものもあります。
初めから、強い薬を使わない方が良い場合も多いですので、入院したからといって、翌日から痛みが取れるわけではありません。骨に関連した痛みでは、二週間から一ヶ月以上かかって痛みが弱くなることもあります。また、神経痛の中には、ずっと痛みの残ることがあります。
痛みに関連して、全身的な余病の出ることもあります。痛みでは、体の動きが悪くなりますので、血管がらみの病気、すなわち、脳卒中や狭心症・心筋梗塞などの併発の危険は、痛みのない時に比較して高くなります。また、痛みによる不眠などの精神症状の変化なども起こりえます。病院には看護スタッフや医師がいますので、つらいときには、我慢をしていただくこともありますが、状態については、御本人の言葉で教えてください。また、付き添いの方に居ていただくことが、痛みに対して効果がある(精神的効果)とも言われています。これは、痛みの患者さんは、痛み独自の「肉体的痛み」の他に、「どうして痛くなったか」と悩んだりします。この悩みのようなものを「心の痛み」と言います。「心の痛み」の対応は、薬よりも、御家族の付き添いや、病院スタッフの対応などなくしては、なかなか良くなりません。
以上の、治療の限界や余病の発生、さらに、「心の痛み」ということまで、十分にご理解していただきたいと思います。
<検査>
採血・レントゲン検査など
<治療計画>
薬物療法。必要により点滴治療
<手術予定>
現在のところありませんが、病状により考慮いたします
<推定される入院期間>
今のところ2週間程度を考えていますが、治療の反応によって変わります。
<その他>
合併症(余病)などについての説明は、補足v1.1に書いてあります。一通りご覧いただいた後、入院治療計画書(病院書式)にサインしてください。