【書名】

キュアからケアの時代へ 

-「死への準備教育」を教える慶應高校教師と教え子医師との往復メール-

【著者名】 高橋 誠(ジャミラ)、原  歩(ポコ)共著

【発行社】    大道学館出版部

【印刷所名】   福岡印刷株式会社

【サイズ】    A5 ページ数 223  ISBN4-924391-15-8

【発行年月】   2000年11月20日

【表紙】

 

自費出版ネットワークに提出しました紹介文】 

慶應高校の家庭科で1996年から「死への準備教育」の授業を実践している高橋教諭と、慶應高校での教え子の原医師との往復電子メールの記録です。約20年の歳月を経てインターネット上で再会した二人が、師弟の結びつきを通して、死生学や医療に関する議論を展開しています。本書は、学校教育に死生学を取り入れる必要性、死に逝く患者さんへの対応、終末期医療における延命処置の問題などについて考える題材を提供しています。

 

【ポコの追加文】

医学の進歩はめざましく、臓器移植や遺伝子治療も夢ではなくなってきています。しかし、たとえ臓器移植や遺伝子治療が、疾患に対しての根治的治療であっても、その治療にも限界はあります。また、延命の医療に期待するあまり、私たちは死を遠ざけて見ているように思います。医学の進歩は私たちに幸福をもたらすものですが、それでもいつかは「死」が待っています。もしも、医療に死生学が欠けていたとしたら、医療に対する誤解が生まれてしまうと思います。日本では「死」は忌み言葉です。しかし、現在、私たちはあまりにも「死」を遠ざけてしまっていると思います。おじいちゃん、おばあちゃんが、畳の上で亡くなることが少なくなり、実生活から「死」が見えなくなっているように思います。死が身近でなくなったことは、多くの人が長寿になったということであり、幸せなことです。しかし、死生観のない生活は、貴重な人生の「生」の有り難ささえも見失わせている危険があると思います。高橋先生と意見の交換をし、死を正面から見つめることによって、生きることの尊さや、”心臓が動いていれば良い”という延命医療への反省などを考えました。