入院治療計画書(A)

<病名・症状>

膵炎 原因としてアルコール、胆石症、総胆管結石症、高脂血症、高カルシウム血症などが有名ですが、原因不明のものもあります。

膵炎では、膵臓の消化酵素が体内(血液内、腹腔内)に漏れだします。膵臓の消化酵素は蛋白分解酵素が中心ですが、この働きはタンパク質を溶かすことです。通常は、食物のタンパク質を溶かすために使われますが、膵炎では、それが体内に漏れます。血液内に入り込んだ膵臓の蛋白分解酵素は、人の体の主要な臓器(心臓、腎臓、肺など)のタンパク質に作用し、臓器の障害を起こします(腎不全、心不全、呼吸不全など)。また、腹腔内に漏れた膵臓の蛋白分解酵素は、大動脈ですら溶かすことがあり、腹腔内出血の原因になります。

重症急性膵炎は厚生省の特定疾患(難病)に指定されており、死亡率は30%とも言われています。膵炎は治療にもかかわらず、重症化することがあります。実際に、重症急性膵炎の診断基準は入院後72時間の病態を把握して診断することになっています。

重症化しなくても、多臓器の余病が出やすい病気であり、一旦良くなっても、再び、膵炎が悪化したり多臓器の余病が出ることもあります。

そういった意味で、膵炎は重篤な病気です。

<検査>

採血・レントゲン検査・超音波検査・CTスキャン

必要により内視鏡検査

<治療計画>

薬物療法(蛋白分解酵素阻害剤)

<手術予定>

病状により必要となることもあります。

<推定される入院期間>

不明です(2週間以上は確実と思われます)

<その他>

合併症(余病)などについての説明は、補足v1.1に書いてあります。一通りご覧いただいた後、入院治療計画書(病院書式)にサインしてください。