入院治療計画書(A)

<病名・症状>

くも膜下出血 脳血管が破れて脳を取り囲んでいるくも膜の周囲に、出血した状態をくも膜下出血といいます。くも膜下出血では意識の状態により手術できるものと、そうでないものとがあります。意識障害の強い場合は、残念ながら脳外科の手術の対象にはなりません。また、意識障害の強い場合、患者さんは高率に死亡します。

くも膜下出血を起こした脳は、手や足にできた傷と同じに、むくんできます。このことを脳浮腫といいます。発症後3-7日目に最も強くなります。脳は頭蓋骨に囲まれていますので、脳浮腫は、脳梗塞の起きていない正常な脳を圧迫します。従いまして、脳浮腫により現在よりも症状が進行することがあります。さらに、脳浮腫により脳の中で肺を動かしている部分など、命に直結している部分が障害を受けると死亡することがあります。脳浮腫の治療薬を使用しますが、ときに副作用(腎障害など)の出ることもあります。

また、くも膜下出血では、発症後に血管攣縮といって脳血管の血流が悪くなることとともに、再発することも高頻度で起こります。これによって、今よりもさらに悪化することがあります。

飲み込みが悪くなっていますので、肺炎や窒息の危険があります。

痙攣発作の出ることもあります。

<検査>

採血・CTスキャンなど

<治療計画>

点滴治療・薬物療法・酸素吸入・リハビリテーションなど

<手術予定>

意識障害の強い場合は、残念ながら脳外科の手術の対象にはなりません

<推定される入院期間>

救命できた場合で1-2ヶ月、あるいはそれ以上。高い確率で急死の危険があります

<その他>

合併症(余病)などについての説明は、補足v1.1に書いてあります。一通りご覧いただいた後、入院治療計画書(病院書式)にサインしてください。