胃腺腫に対する先端キャップを用いた陰圧下内視鏡的粘膜切除術の経験

 

要旨

2例の胃腺腫の症例に対し、1994年の日本消化器内視鏡学会総会にて片山らが報告した斜型先端キャップを用いた陰圧下内視鏡的粘膜切除術を施行した。先端キャップは片山らの方法に準じ、5mlのディスポーザブル注射器を加工して作成し、スネアは内視鏡の外側に装着した。2症例とも合併症もなく短時間のうちに完全切除された。また、切除標本の損傷も少なく病理学的検討も容易であった。本法は1cmを超える病変に対しては分括切除となってしまうが、従来の2チャンネルスコープを用いる粘膜切除術に比べ手技の習得が容易であるため、症例を選べば非常に有用な方法であると考えられた。