経管栄養承諾書

経管栄養は、手や足の血管が細くなってしまって点滴が取れなくなってしまった時の対応としても行うことがあります。

口から食べ物がうまく入れば必要ありませんが、食欲がなくて十分に食べられないとき、むせ込み(嚥下障害)などがある場合にも経管栄養を使用します。

最近の経管栄養のチューブはかなり細くなりましたので、チューブを入れても違和感は少なく、通常はお食事もとることが出来ます。

お食事で不足する分を補うことが目的です。しかし、患者さんが自分の口で食べることには及びません。

経管栄養の副作用などについてのご説明です。

1)チューブを入れるときに、痛みとか、嘔気があります。嘔吐することもあります。食物が胃の中に入っていない時に施行しますが、それでも胃の中には胃液があります。吐いた胃液が肺に入り込むと、重症の肺炎になります(胃液には塩酸が含まれていますので、それによって引き起こされる肺炎ですが、重症です)。

2)経管栄養は薄いものからはじめますが、はじめると便がゆるくなります。時にはひどい下痢をすることがあります。下痢によって、脱水になったり、おむつかぶれが悪化したりすることがあります。

3)経管栄養はゆっくりと落とします。しかし、経管栄養から入れたものが、胃の中にたまってしまうことがあります。患者さんが「気持ち悪い」などと、胃部不快を言ってくだされば、経管栄養を止めます。言ってくれないときには、突然嘔吐することがあります。この嘔吐が重大な問題です。というのは、大量に嘔吐した場合には、気管に吐きだしたものがつまって、窒息死することがあるからです。窒息死しないまでも、肺炎を起こします。これは、1)でご説明したとおり、重症の肺炎ですので、死亡する危険が高くなります。

4)患者さんの中には、経管栄養のチューブを抜いてしまう方がいます。その時には、時期を見て再挿入することになります。それでも抜いてしまう方がいます。再三抜いてしまうことが考えられるときには、手に手袋をしたり、軽く手を固定することがあります。これはやむを得ずすることですが、手袋や固定は、3)の「嘔吐」の時に、手の自由がきかないことは、悪い方向に作用します。

5)その他

代替えの方法には、中心静脈栄養というのがあります。私は患者さんの場合には、安全性の面で、この経管栄養の方が優れていると思います。

以上をご了解の上、承諾書に署名をお願いします。

<一般的注意事項>

今までに薬を飲んで気分が悪くなったり、湿疹の出たことのある方

歯科などの麻酔薬で気分が悪くなったことのある方

喘息の方

バファリン(アスピリン)が体にあわない方

妊娠している方、あるいはその可能性のある方

当院の医師に申告していない病気があったり、薬の処方を受けていない方

以上の方はお申し出ください。