東北・北海道の旅はとてもよい勉強ができました。
仙台では痴呆高齢者の「こもれびの家」、秋田では鷹巣の「ケアタウンたかのす」と阿仁町の「もろび苑」、函館では「旭ヶ岡の家」を見てきました。日本にもこのようなケアができることを目の当たりにし、心の目を開かれた思いで帰ってきました。
函館のフィリップ・グロード神父は傑作でした。
「老いはバカンス、ホームは休暇村」という思想で老人ホームに25年間取り組んでいる神父です。
「老後は人生の大型連休。人生最大のバカンスなんです」。
グロードさんは「お年よりにはいい気晴らしが必要なんです」といっている。
「お年寄りに『生きがい』は重すぎる。気晴らしが大事なのです」と。
「人生は賭けです。賭博です」、
「無駄は意味がない。でも贅沢は文化そのものなんだ」、
「あの世で目が覚めたら、ああ、もっと早く来ればよかったと思うよ」、
「緑こそは長寿の特効薬」、
「ホームは遊ぶところがいっぱいなくてはいけません」、
「お年寄りを楽しませること、それはケアの付け足しではありません。ケアそのものなんです」、
「ホームは親孝行のセンターです」、
「笑顔が笑顔をつれてくる」、
「最後の一瞬まで命を楽しむ」、
これらがグロード語録の一部です。
どうです、ジミラ語録より数段高級です。参りました。
旭ヶ岡の家・高齢者人権憲章「老年期は人生最高のバカンス」 には次のようにあります。
お年寄りの人権の土台は心の神秘にあります。
お年寄り個性はかけがえのない宝です。
お年寄りは大切な社会の一員です。
お年寄りのケアは家族と社会の連帯で育くみます。
お年寄りこそケアの主人公です。
お年寄りの笑顔は文化のバロメーターです。
(平成10年9月15日(敬老の日)制定。
<平成15年9月掲載>