入院治療計画書(A)

<病名・症状>

肝機能障害が著しいので入院治療としました。

原因は検索中ですが、可能性として、急性肝炎、慢性肝炎(いづれもA,B,Cの三つのタイプの肝炎ウイルスによるものとアルコール性)、胆石症、総胆管結石症、膵炎、肝臓や胆嚢・膵臓付近の腫瘍によるもの、膠原病的な疾患によるもの、などが考えられます。

肝機能障害を治せなければ肝不全となり、命にかかわります。

原因の究明が大切ですが、治療的には、食事療法を含めて肝機能の改善に努めます。

※患者さんの場合に肝障害の原因の中で、一番考えられるのは、アルコール性肝障害です。アルコール性肝障害は、ウイルス性の肝障害などにはない問題が出てくることがありますので、あらかじめお書きします。

1)アルコールの禁断症状(アルコール精神病):通常は興奮状態として認められることが多いです。「手の細かなふるえ」や「発汗」は、アルコールの禁断症状(アルコール精神病)の前駆症状の可能性があります。

これらに対しては、鎮静剤を使用します。患者さんが興奮状態にあるときには、必要により、御家族をお呼びすることもあります。

2)アルコールにより全身がおかされていることによって、自律神経の発作がでることがあります。その場合、興奮・不眠だけではなく、心臓の発作が起こることがあります。心臓の発作として、代表的なものは、

”致死性の不整脈”というもので、心室細動などの特殊で重篤な不整脈が起こり、命にかかわることもあります。それが出てしまったときには、死亡する危険が高いです。心電図監視をすることは意味のあることですので実施いたします。しかし、心電図監視で完全に安全になるわけではありません。

3)今後の治療で一番大切なのは、アルコールとどう付き合うかということです。やめられるかということです。これには、心のケアも必要ですので、カウンセリングの出来るドクターに診ていただいて、長期の管理はその専門のドクターにお願いすることを考えております。

<検査>

採血・レントゲン検査・超音波検査・CTスキャン

必要により内視鏡検査

<治療計画>

薬物療法(肝庇護剤)

<手術予定>

通常はありませんが、必要でしたら病状がはっきりしてから、ご連絡いたします。

<推定される入院期間>

不明です(2週間以上は確実と思われます)

<その他>

合併症(余病)などについての説明は、補足v1.1に書いてあります。一通りご覧いただいた後、入院治療計画書(病院書式)にサインしてください。