入院治療計画書(A)

<病名・症状>

肝機能障害の大きな原因としてアルコールがあると考えられます。肝硬変と糖尿病についての、説明をお書きします。

○肝硬変 肝臓の慢性の障害の結果、肝臓の機能が著しく悪くなった状態が肝硬変です。どの病気もそうですが、病気はかなり進行しないと症状が出てきません。肝硬変も同じです。

肝硬変では、胃炎・胃潰瘍、食道静脈瘤、痔、腹水、肝性脳症、出血傾向、糖尿病、細菌感染症などの合併症が出ることが多いです。また、肝臓癌を併発する率も非常な高くなります。これらのいずれの病態も、元の病気である肝硬変を悪化させる要因ですし、時に命を縮める要因にもなります。

肝臓を守る薬(肝庇護剤)などを使用しながら、病状の改善に努めます。

○糖尿病 血糖値が高いものが糖尿病ですが、外来での治療が困難なくらい高くなりましたので、入院治療と致します。血糖値が非常に高くなると、意識障害などが出て危険な状態になることもあります。糖尿病は、末梢神経炎(手先のしびれや男性ではインポテンツ)、網膜症(目)、腎機能障害が有名ですが、動脈硬化症も早く進みます。動脈硬化症による病気には、脳卒中、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、大動脈瘤、足に行く太い動脈が細くなることによって足が腐っていく病気などがあります。食事療法が中心ですが、飲み薬(血糖降下剤)やインスリン注射も血糖値に応じて使用します。また、血糖が下がりすぎることは、低血糖発作と言いますが危険です。低血糖発作の症状は脱力感、動機、冷や汗、意識障害などですが、脱力感、動機、冷や汗は初期の症状ですので、その時に早めに食事をとったり、一旦砂糖を20グラム位摂取すると、大事にいたらずに治ります。食事の食べ過ぎはいけませんが、極度に食事を食べないことも危険です。

糖尿病は日本に1000万人の患者さんがいるという一般的な病気です。ご自分が病気を知ることが大切です。糖尿病患者さん向けのビデオもありますので、そちらも見ていただきます。

時として糖尿病の悪化時は、ホルモンの異常や膵臓病などでも起こることがあります。患者さんにより違いますので、必要に応じて検査を追加することがあります。

○アルコールを多飲している方は、心臓病(命にかかわるような不整脈など)が出ることがあると言われています。このことは、入院していても起こりえます。起こってしまっては、困るのですが、実際にあり得ると言われていますので、その点をご承知おきください。

<検査>

採血・レントゲン検査

必要により内視鏡検査・超音波検査・CTスキャン

<治療計画>

薬物療法・必要により肝動脈塞栓術・手術治療

<手術予定>

病状が判明次第、お話しいたします

<推定される入院期間>

病状によりますのではっきり言えません(2週間以上になるのは確実と思います)

<その他>

合併症(余病)などについての説明は、補足v1.1に書いてあります。一通りご覧いただいた後、入院治療計画書(病院書式)にサインしてください。