第35回定期演奏会曲目解説
本文へジャンプ 2005年3月27日 

オッフェンバック/喜歌劇「天国と地獄」序曲

「天国と地獄」と言えば「カステラ1番、電話は2番」のあのあまりにも有名なメロディーが皆様の頭の中に浮かんでくる事でしょう。しかし、それ以外の部分となるとご存知でない方が意外と多いのではないでしょうか。私自身、この曲の最初の練習日にははじめて全曲を通して聴いたという有様でした。

オペレッタの方は原題を「地獄のオルフェウス」といって18世紀ウィーンの作曲家グルックのギリシア神話を素材にした名作オペラ「オルフェウスとオイリディーチェ」の筋を全然ひっくり返した上に、沢山のオリンピアの神々や女神たちを登場させた愉快なものです。

曲は多彩な登場人物が織り成す人間模様(神々模様?)を暗示して、テンポ、拍子、調性などが目まぐるしく変化していきます。我がオケの最も苦手とするパターンのひとつなのですが演奏自体が”喜劇”とならない様、頑張りたいと思います。

TROMBONE H.K

モーツァルト/ホルン協奏曲 第4番変ホ長調K495

モーツァルトはホルン協奏曲を4曲書いたがその中の最後の曲。ソリストの技巧を際立たせる点でも、スケールの点でも充実しており、ホルン協奏曲の名曲中の名曲といえる。

第1楽章はソナタ形式で書かれており、随所に16分音符の音階が見受けられる。これがこの曲の華麗さを引き出している。2楽章はロマンツェと知るされた愛の歌。3連音符と4連音符の組み合わせが心を揺さぶる。3楽章は狩りの音楽。ドミソしかでない角笛の響きがこだまし思わず拍子を取りたくなってしまう。

歌と踊りからなるこの曲、岡谷先生がどのような料理に仕上げてくださるか、御期待下さい。

HORN K.H

シベリウス/交響曲第2番 ニ長調 作品43

尊敬するシベリウス様
この度、私共港北区民交響楽団は、貴殿の作られた交響曲第2番を演奏することになりました。

私が音楽に興味をもち始めた12、3歳の頃、つまり、日本が戦争に破れ世の中がまだ混乱していた頃「フィンランディア」の曲を聞いて世の中に、こんなにすばらしいものがあったのかと深い感銘を受けました。その後、私は、バイオリンを習い始め、いつかきっと貴殿の作られた作品をオーケストラの中で演奏したいと夢見ていました。

そして今、白夜の中に映し出される雄大な森と湖にかこまれた自然の中で強く生きようとする北欧人の生活と情景が画き出されるこのシンフォニーをを演奏する機会を得て、私の心の中に再び昔の感動が新たに呼びもどされる思いが致します。特にこの曲の管楽器のスケールの大きさは、弦楽器を今の二倍に増しても、たちうち出来ないでしょう。

今日この音楽会を聞きに来られる多くの方々は、きっと人間愛と平和を願う貴殿の音楽をよく理解され、迷演奏ながら私共の熱演に共感して下さることと思います。

VIOLIN M.S