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喜歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲/オットー・ニコライ
作曲者オットー・ニコライは1810年に北ドイツに生まれ、ローマで学んだ後、ウィーンの宮廷楽長になりました。
彼は、ドイツオペラを作曲するために気に入った題材を探した末、シェークスピアの「ウィンザーの陽気な女房たち」を取り上げ、これまでの経験のすべてを注ぎ込んで楽しいオペラを作り上げたのでした。
この序曲は、第3幕のフィナーレと同じ旋律を用いていて、詩情溢れる部分とユーモラスな部分が交錯するので、このオペラの中でも特に親しまれており、独立して演奏されることも多いものです。このニコライの陽気な音楽を食前酒(アペリティフ)として、後に続く格調高い(?)音楽をお楽しみ下さい。
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K.K |
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ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37/ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
親愛なるベートーヴェン様
私は港北区民響の一団員、花も恥らう20代の乙女です。区民響の練習日は毎週土曜日、それも午後6時30分から9時のいわゆるゴールデンタイム!なんです。にもかかわらず、私は雨の降る日も風の吹く日もひたすら楽器片手に練習場へと向かいます。
そこで私を待っているのは−おじ様、おば様の顔、顔、顔・・・(ご、ごめんなさい)。「何がそんなに楽しいの?」と問われること数知れず。でも、いいんです。貴方様の情熱に触れられるこのひと時は、極上のワインだってかないません。
貴方様がとりわけ愛されたというピアノ協奏曲。全5曲中唯一の短調曲である第3番を前にして、我が区民響はやや舞い上がり気味で、その迷演奏ぶりに貴方様はトレードマークの渋いお顔ばかりなさっていますが、どうぞ時にはニッコリ笑って、私達を励まして下さい。
では、また近いうちにお会いできるのを楽しみにしています。 かしこ
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N.K |
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交響曲第1番ハ短調Op.68/ヨハネス・ブラームス
思わず「ハイ、只今、ティンパニはいくつ叩いたでしょう?」と質問したくなるような、何ともゆっくりとした重厚感のある出だしで始まるこの交響曲第1番(正解は49回)。実はこれ、かなり難産でブラームスが何と24年もの歳月をかけて生まれた曲です。
曲の構成としては、ブラームスの交響曲4つのうち唯一この曲だけが序奏を持ち(第1、第4楽章)暗い悲愴的な感じの第1楽章から、ゆっくりした歌謡楽章で感動に満ちた第2楽章、全体的に重苦しい雰囲気の中、一層強いやすらぎを求めることが出来る第3楽章、そして最後、苦難をすぎて闇と戦い抜いた後の光明ともいえる力強く雄大な賛歌の第4楽章となっています。
今日は、このベートーヴェンの第10交響曲ともいわれているブラームスの交響曲第1番を力強く演奏したいと思いますので、咬めば咬むほど味の出るブラームスをたっぷりと味わって下さい。
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K.K |
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