第35回定期演奏会曲目解説
本文へジャンプ 2005年3月28日 

チャイコフスキー/バレエ組曲《白鳥の湖》より<情景>

私達のオーケストラは、チャイコフスキーの曲を演奏する機会が多いのですが、それは彼のメロディーがわかりやすく親しみやすいからだと言えましょう。みなさんも知らず知らずのうちに、彼の曲を耳にしているはずです。

「白鳥の湖」は全4幕のバレエ音楽で、「組曲」はそのうちの6曲を収めたものです。「情景」はその第1曲目ですが、「クラシック?何かかたい感じがするからどうも・・・」なんて人でも必ず耳にしたことがあると思います。

オーボエの演奏する白鳥の主題によって始まる、哀愁を帯びたチャイコフスキー独特の美しいメロディーをお楽しみ下さい。

オーボエ K.M

チャイコフスキー/《くるみ割り人形》より<花のワルツ>

このバレエ曲は幻想的な童話「くるみ割りと二十日ネズミの王様」を題材に、チャイコフスキーの死の前年に作曲されました。「花のワルツ」はお菓子のお城で砂糖菓子の花によって踊られるワルツです。

曲は木管楽器とホルンで始まり、ハープが美しいカデンツァを奏でます。続いて4本のホルンが有名なテーマを吹きます。(このテーマは全部で6回登場しますが、音を外しやすいホルンのこと、全部出来たら満〜点!)ほかのお菓子や、おもちゃも、次々と踊りに加わってゆき、最後は全員の合奏で華やかに終わります。

ホルン 匿名希望

ビゼー/《アルルの女》第2組曲より<メヌエット>

この曲は、戯曲「アルルの女」のために作曲された27曲の劇音楽から選ばれた第2組曲の中で最も有名な曲ですが、もともとは歌劇「美しいベルトの娘」の中の音楽でした。ハープの伴奏にのって繰り広げられるフルートの優美な旋律は、この楽器の特性を存分に発揮したものとして忘れられません。

あまりにも良く知られている上、やさしいようで実は演奏が難しい点でもあり、大きなプレッシャーを感じていますが、お聴き苦しい点はどうぞお許し下さい。と、フルート奏者は申しております。

フルート T.I

アンダーソン/《トランペット吹きの休日》ほか

アンダーソンは、アメリカの作曲・編曲家、指揮者として有名で、作品には独創的な楽器の音色を用いたものが多く、今日でも広く親しまれています。

「トランペットの吹きの休日」は、今日は休日!!なのに、なぜか3人のトランペット奏者がはりきってブリリアントに吹きまくる、快活な作品です。

「シンコペイデッド・クロック(調子の狂った時計)」は、ジャズ風にシンコペイトされた時計のリズムのおもしろさが、いかにもアンダーソンらしいウィットに富む作品に仕上がっています。

「ブルー・タンゴ」は、タンゴのきびきびしたリズムと、ブルース調のハーモニーに、アンダーソン独特の上品なスライディング奏法を用いた、新しいタイプのタンゴと言える作品です。

ヴァイオリン S.T

中村 洋一編曲/"AROUND THE WORLD"のテーマによる世界音楽の旅

この曲は、横浜市民吹奏楽団委嘱作品として、合唱付きの吹奏楽で初演、その後オーケストラ用に編曲し、今回の演奏会用に再度手直ししたものです。

曲は「80日間世界一周」のテーマにのせて誰もが一度は聴いたことがあるポピュラーな曲を織り込んであります。ここで世界地図を思い浮かべて下さい。旅はお隣の韓国を皮切りに、フィリピン、イタリア、フランス、イギリス、ソ連、アメリカ、南アメリカと進行して行き、全部で13曲が演奏されます。

知っている曲がでてきたら一緒に歌いたくなるような、楽しい演奏になれば、この旅は成功だと思っています。

ホルン(編曲者) 中村 洋一