第35回定期演奏会曲目解説
本文へジャンプ 2006年9月2日 

楽しい行進曲/シャブリエ

最初の曲はフランスの作曲家シャブリエの「楽しい行進曲」。「行進曲」といえば、軍隊が足並みをそろえて行進するイメージですが、この曲はちょっと違います。それもそのはず、酔っ払った軍隊が家に帰っていく様子を表現した曲です。足元が少々ふらついている感じがしますね!

オーケストラの楽器紹介 【図解】オーケストラもあわせてご覧下さい

トトロ、もののけ姫などおなじみ宮崎駿アニメのメロディにのせて、各楽器の音色をご紹介します。
次の順番で演奏されます。


■音色を聴いてみましょう。(mp3形式)

 ピッコロ → フルート(637.6K)
 コールアングレ → オーボエ(1095.1K)
 クラリネット → ファゴット(643.5K)
 トランペット → トロンボーン(622.4K)
 チューバ(274.6K)
 ホルン(790.5K)
 打楽器(919.7K)
 ハープ(639.5K)
 バイオリン(712.2K)
 ビオラ → チェロ → コントラバス(1447.8K)

連作交響詩『我が祖国』から「モルダウ」/スメタナ

作曲家スメタナはオーストリア帝国に支配されている祖国チェコを哀しみ、国を愛する心をこめて全6曲からなる連作交響詩『我が祖国』を作りました。

「モルダウ」はその第二曲目にあたります。モルダウはチェコを流れる川の名前(チェコ語ではブルタバ)です。スメタナはこの川の情景やそこに暮らす人々の生活を音楽で表しました。


スメタナは曲の内容を次のように表現しています。(リンクに音が貼り付けられています。)

  この川は(1)2つの水源から流れ出し、岩にあたって快活な音をたて、
  太陽の光を受けて輝き、(2)しだいに川幅を広げる
  川岸では(3)狩猟のラッパ(4)村の婚礼の踊りの音楽が響く。
  そして、(5)月の光と妖精の踊り
  やがて、流れは(6)聖ヨハネの急流にさしかかり、川浪は岩にあたり、
  しぶきを上げて飛び散る。そして、(7)水かさを増してゆったりとプラハ
  市に流れ込み、古く尊い(8)ビシェフラト城にあいさつをする。

かじ屋のポルカ/ヨーゼフ・シュトラウス

ヨーゼフ・シュトラウスはワルツ王として有名なヨハン・シュトラウスの弟で、本人もたくさんの踊りの曲を作曲しています。
「かじ屋のポルカ」は、ある金庫メーカの2万個製造記念の花火大会に際してつくられた曲です。
この曲はポルカのなかでも「ポルカ・フランセース=フランス風ポルカ」とよばれる遅いポルカで、かじ(鍛治)の雰囲気がよく出ています。
トンカチの音が聞こえてきますね。

【ミニ知識】「ポルカ」とは?
チェコの民族舞踊で、チェコの作曲家スメタナやドヴォルザークが、芸術音楽として広めました。
農村で祭りの日や婚礼の日に、広い野原で男女仲良く腕組んで踊る・・そんなのどかなダンスです。
もともとは2拍子の速い舞曲ですが、19世紀後半になると、ゆるやかなポルカ、3拍子のポルカなどいろいろなバリエーションが登場します。


歌劇《ジョコンダ》より「時の踊り」/ポンキエルリ

ポンキエルリはイタリアの作曲家です。「時の踊り」は歌劇『ジョコンダ』の中のバレエ音楽で、この曲だけでも演奏されます。題名を知らなくても、ディズニー映画『ファンタジア』で見た、テレビのCMで聴いた、という方も多いのではないでしょうか。この曲は1日の時間の移り変わりやその気分を音楽で表しています。
まず小鳥のさえずりのような感じでさわやかな朝の様子が示され、つぎつぎと速さが変わり新しい旋律が加わったりして、昼から夕方にかけてのちょっとのどかな感じとなり、最後に夜のにぎやかな様子が描かれて終わります。