第35回定期演奏会曲目解説
本文へジャンプ 2005年3月24日 
 オーストラリアの首都ウィーン、別名「音楽の都」。昔はモーツァルト、シューベルトといった有名な作曲家が活躍し、今でも毎晩のように演奏会が行われるなど人々に音楽がとけこんだ街です。
そんなウィーンで特に親しまれている2つのオペレッタから3曲お届けします。


喜歌劇「こうもり」より 序曲、チャルダッシュ/ヨハン・シュトラウス

ヨハン・シュトラウスはウィーンを代表する作曲家で、ワルツやポルカなど踊りの曲をたくさん作りました。喜歌劇「こうもり」は”こうもり”と友人に笑い者にされた主人公が大晦日の夜会で仕返しをするお話で、中で使われている音楽がとてもすばらしく、ウィーンでは毎年大晦日に必ず上演されるなど愛されています。

序曲:楽しいオペレッタの始まりを予感させます。
チャルダッシュ:チャルダッシュはハンガリーの踊りの曲。ハンガリー出身の主人公の妻がふるさとを思い出して歌います。

喜歌劇「メリー・ウィドウ」より ビリアの歌/レハール

「こうもり」と並ぶ「三大名作オペレッタ」の1つ、「メリー・ウィドウ」。中でも主人公ハンナがふるさとモンテネグロを思い出して歌う「ビリアの歌」は美しいメロディで有名です。「ビリア」というのはモンテネグロの伝説、森の妖精のことです。

 ヨーロッパでは南に位置するイタリア。他の国の作曲家がイタリアの印象を表現した曲を2曲聴いてみましょう。

交響曲「イタリア」より 第1楽章/メンデルスゾーン

冬が長くて暗いヨーロッパ北部の人たちには、太陽の輝く南の国イタリアはあこがれの場所でした。
北ドイツで生まれ育ったメンデルスゾーンはイタリアへ旅行して、とても強い印象を受けました。それを音楽で表したのがこの曲です。活発で弾むようなメロディはメンデルスゾーンの南の国へのあこがれの気持ちと考えていいでしょう。

「ローマの謝肉祭」序曲/ベルリオーズ

謝肉祭はキリスト教のお祭りで、肉食を40日間やめる前に、3日間だけ大いに肉を食べ、酒を飲み、ばか騒ぎをするものです。人々は仮面をつけたりして楽しみます。
若いときにイタリアのローマに作曲の勉強に行ったフランスの作曲家ベルリオーズは、そのときの経験をもとにこの曲を作りました。甘いメロディと明るく活発なリズムが謝肉祭の雰囲気をよく伝えています。

 今度はヨーロッパの北の国、フィンランドを代表する曲を聴いてみましょう。

交響詩「フィンランディア」/シベリウス

フィンランドの作曲家シベリウスは、森と湖に囲まれたフィンランドの美しい自然をたたえてこの曲を作りました。
当時のフィンランドは、隣の大国ロシアの支配に苦しんでいました。この曲は、これに抵抗する民族の叫びにもなっています。中間の優しいメロディは「フィンランディア賛歌」として第2の国歌のように親しまれています。