河野裕子
(1946年〜2010年)
土井晩翠 (1871〜1952)
春高楼の花の宴
めぐる盃かげさして
千
代
の
松
が
枝
わ
け
い
で
し
昔
の
光
い
ま
何処
高野素十
(1893年〜1976年)
空をゆく一とかたまりの花吹雪
萩原 朔太郎 (1886〜1942)
夕闇の桜花の記憶と重なりて
はじめて聴きし日の君が血のおと
われを嘲けりわらふ声は野山にみち
苦しみの叫びは心臓を破裂せり・・・
葉桜のころ
さびしき椅子に「復讐」の文字を刻みたり
高浜虚子 (1874〜1959)
金屏におしつけて生けし桜かな
咲き満ちてこぼるる花もなかりけり
おもひ川渡れば又も花の雨