●スタンリーグラード
アキレス腱切断で見に行けなかった映画である。本は3月始めに紹介していると思います。ロシア対ドイツの狙撃手の壮
絶なる戦いは見物であった。史実に基づいた物語であるが新たな戦争映画の叙情詩となっている。リプリーやA.I.のジュ
ード・ロウが主演、頑張っている。

●ザ・ダイバー
これも史実に基づいた映画である。黒人として差別や迫害を受けながらひたむきに突き進む主人公はアメリカ合衆国海
軍初の黒人ダイバーとなる。教官であるロバート・デ・ニーロとの反目する演技が素晴らしい。ダイビングする人には
楽しいが、映画そのものはたいしたことはない。

●アトランティス
ディズニー映画だが、B.C.360に海中に沈んだアトランティスと聞いただけでワクワクする。当然面白かった。

●スパイ・ゲーム
CIAで華々しいキャリアのミュアー(ロバート・レッドフォード)は退職当日の朝、かつての部下で、手取り足取り教え
込んだトム・ビショップ(ブラッド・ピット)が、中国の蘇州刑務所に投獄されたことを知る。直情で純粋な役はピット
に適役で活き活きしている。レッドフォードは、知的な定年前の男を最高に演じているし、CIAの官僚を演じている人も
非常にうまい。トニー・スコット監督の演出、カメラワークが素晴らしく、回想シーンが織り込まれ非常なスパイの世界
を際立たせている。
音楽もサスペンスフルに盛り上げている。回想シーンなどは派手だが、全体的にはCIAの部屋での知的ゲームで、仲間ま
で騙している。緊張感抜群のアップテンポの映画で、お薦めです。

●アバウト・シュミット
定年退職をしたジャック・ニコルソンのシュミット氏は、42年間連れ添った妻も亡くす。妻を失って、再婚しない独り
者は、9年間のウチに74%は亡くなるそうです。私のまわりでも定年退職の人々が多くなり、人ごととは思えない。娘
の結婚式場に、バスのようなキャンピングカーで向かうときの不安といらだち。タンザニアの子どもの里親として、何
かを求めていた。
そんななか、タンザニアから手紙が届くのだった。いつの日か、シュミットと手をつなぐ自分(6才の子ども)をイメー
ジした絵が同封されていた… ジャック・ニコルソンの演技が素晴らしいし、遠くない未来に照らし合わせて考えらされ
る映画です。

●ディナー・ラッシュ
たぶん、2ヶ月前に読んだ本の映画化で、著者もシェフである。ニューヨークにある有名なイタリア料理店の、忙しさ
の中の人間模様が描かれている。料理がテンポ良く作られ、厨房はまさに戦場。有名シェフになれば、料理を作りなが
ら女を抱き、外では女を選り取りみどり。
ディナーの客は242人(だったか?) ほめる人あり苦情あり。天才シェフに博打好きのサブシェフ、絵描きのウエイ
トレスに批評家と、マフィアの利権争い、刑事ありの入り乱れたレストランの世界。シャープな作りで、見事な映画に
なっている。

●ボーリング・フォー・コロンバイン
銀行口座を開くと、銃をプレゼントする世界? Kマートで誰もが自由に弾を買える。防御のためにいつでも弾が入って
いる。子どもも自由にさわれる。
私も、実は小学校時代。借りてあったポンプ銃を手にし、親の目を盗んでカケスなどを撃ち落としていた。弾は、村に
一件ある雑貨屋で親から頼まれたと嘘を言い、買っていた。そのころライフルマンがテレビではやっていて、銃を回し、
カッコつけていた。スズメなど撃つ感覚は喜びであり、恍惚としたものがあったように思う。むごいことをしていたと
反省しています。
ムーア監督がチャールトン・ヘストンに質問するが、ヘストンの答えは傲慢であった。6歳で殺された女の子(6歳の男
の子が殺している)の写真をヘストンに見せるが、完全無視で逃げてしまう。人間の尊厳からはほど遠い仕打ちであっ
た。しかし、銃協会の会長としては答えられなかっただろう。
インディアンの虐殺、黒人問題、KKK、ベトナムを始めとする外国での戦争。自分の利益のためには、すべてが正義と
する考えはブッシュやラムズヘルドらに引き継がれ、何も変わっていない。

●マトリックス・レボリューションズ
昨日、朝日の夕刊で酷評していたマトリックスを観てきました。現実と仮想世界の逆転、ワイアーアクション、そして
土派手なアクションから、今回は無数の怪奇なマシンが旋回し、乱舞の戦闘シーンがメインです。あれと思うのは、ネ
オが現実と仮想現実の狭間にいて身動きできない(前回の終わり?)。また、スミスが権力者になっていること。戦争
純愛ファンタジーになっていたこと。
マトリックスは三部作で一つの映画と観るべきで、分解してみたのでは意味がない。なぜならば、第一作でこの映画は
終わっている。二作、三作は単なる終わりへの転結であった。確かにアクションや戦闘シーンには派手で見応えはある
が。AIしかり、ハリウッド映画(お金をかけた大作)の行く先は。「ザ・ストレイト・ストーリー」のようなシンプル
でお金をかけなくても心に残る映画作りもあるだろう。日米・プロ野球の給料の高騰など、いろんな業界でも問題を抱
えている。
始まりがあれば、終わりがあるとするフレーズの意味するものは、そこからは、結末が想像でき完璧な顛末が読めたの
です。祇園精舎の鐘の音 諸行無常の響きありの徒然草、ゲーム、ビッグバン、宇宙空間の膨張拡大、そしてアトラン
ティスの消滅。まるでマトリックスも一夜明けてみれば,すべては夢。シェイクスピアの「真夏の夜の夢」へと連想し
ていくのである。

●キル・ビル
タランティーノ監督で深作監督に捧げた映画。切って切りまくる女性版高倉健。復習に燃える女性の戦いです。音楽は
よかったが、現実離れした映画でリアリティがない。これもゲームである。後半は、テレビでいいや。

●ティアーズ・オブ・ザ・サン
ブルース・ウィルス主演。ナイジェリア内戦時、アメリカの女医を救出すべく特別チームが、パラシュートで降下する。
ナイジェリアからカメルーンまでの60キロのジャングルが滝あり、草原あり、そして山が印象深い風景として描かれ
ている。女医のみの救出だったが、地元民、女、子どもまで連れて行くことになった。ウイルスのの演技は、水をえた
魚のように活き活きしている。また、このような役があっている。
イラクで毎日のように繰り返されるテロ行為(戦争)。新聞、テレビで死亡報道されている。現在、38カ国、16万人
がイラクに派遣されているが、日本政府はお金だけでなく自衛隊の派遣を年内に送り込もうとしている。後方支援部隊
だから安全だと、誰がいえるのか。
自衛隊隊員の1日の特別手当30,000円、死亡時に1億円が支給されるとしても、誰が行きたいと思うか。ブッシュのゴ
マスリ男・小泉首相が真っ先に前線に立つか、決めた人たちの子供たちを集めて部隊を組み、派遣したら納得できるの
では。戦争における殺戮、人間が持つ狂気、etc. この映画は、アメリカのイラク戦争への批判ととるか? もう一度考え
させられる。そして、人間の尊厳は素晴らしい。すべての戦争で死んでいった人たちへ、合掌する。

●ラストサムライ
シャイアン族を皆殺しにしたカスター将軍の部下であったオルグライト大尉は、インディアン殺しの呪縛から解放され
ていない。そんな彼に、日本の新政府から軍隊の訓練者として依頼され、日本に来る。初戦の日、負傷し勝元軍に捕ら
えられるが助けられ看護を受ける。いつ日か、侍・勝元の心が解り、傾倒していくのだった。
最後の戦いにオルグライトも加わり、壮絶で切ない侍心は、美しく胸を打つ。弓と刀で大筒やガットリン銃に向かう世
界。官軍の心も当然であった。カナダ、ニュージーランド、日本の撮影はなかなか雰囲気がいい。映像もきれいです。
昔はこんなにのどかで豊かだったのです。
徳川政府から明治の新政府には、信じられないぐらいのスピードで進んだ。そこには維新の立て役者や板垣らのドイツ
憲法を真似して作った。帯刀・ちょんまげ禁止など様々な無理難題から、殺人・暗殺もあった。そんな変換期の人々す
べてに、合掌。

●タイムライン
マイクル・クライトン原作のタイムラインは、はっきり言って観るのはビデオで良いです。量子テクノロジーを用いて
戦乱の中世へタイムトラベルする。原作の持つ楽しさが描かれていない。クライトンの発想と本からイメージする方が
どれだけ良かったか。幻滅であった。確かに話しはなぞってはいるが、細かなところが描かれていなくて欲求不満が起
きてしまった。
また、騎士が馬上で槍を持って戦うシーンなどは剣で戦うところに替えられてしまっている。私はこの場面を期待して
いたのです。

●半落ち
横山秀夫原作。原作がすばらしいが、すばらしい映画になっている。上毛新聞の記者だった著者は、群馬県のこととし
て描いている。富岡市もロケ地と扱われているが、どこかよくわからなかった。
アルツハイマーと骨髄移植をあつかった物語は、重く私たちに問いかける。この問題は誰にも裁けないのだと。至る所
から鼻をすする音がする。それにしても芸達者な俳優たちが好演し、すばらしい映画となっています。映画として独立
していますが、是非原作も読んで頂きたいと思います。

●ミスティック・リバー
デニス・ルヘイン原作、 C.イーストウッド監督。
貧乏時代、路上で遊んでいた11歳の少年3人。ニセ警官が一人(デイブ)を車に乗せ連れ去る。4日後、磁力で脱出し
てくるが性的虐待を受けていた。それから25年。様々な人生が繰り広げられる。
犯罪社会から足を洗ったジミーに19歳の娘が殺される悲劇が起こった。事件を担当するのがかつての友ショーン、そし
て捜査線上にデイブが浮上してくる。三者三様の織りなす時の流れは、複雑に絡み合うが本質は変わらない。少年の日
の出来事がそこにあり、特にデイブには傷痕と脈打っている。女房にまで裏切られ、悲劇に発展する。
すべての人々が不幸で、悲しい物語で、暗闇のなかを手探りで歩くようです。そんななかで、夫婦とはを考えさせられ
ます。ルヘインの原作はすばらしい。この映画もすばらしいが1回見ただけでは裏の人間模様は理解できないだろう。
是非原作も読んで欲しいと思います。

●コールドマウンテン チャールズ。フレイジャー 土屋政雄訳/クレストブック
200万部以上(2000年)の全米図書賞受賞のベストセラー小説をA・ミンゲラ監督が映画化。本は4年前に読んでいる
が、映画を見てもう一度読み返した。
南北戦争のさなか、負傷した南軍の兵士インマンは、故郷のノースカロライナ、コールドマウンテンにいる恋人エイダ
の元へ帰ろうと病院から脱走する。幾多の困難を乗り越えて再会を果たすが…。美男美女の悲恋物語ではあるが、二つ
の旅が大きなテーマになっている。インマンの逃亡生活とエイダの生きるための自立の旅である。
父親の肺病の療養のために都会から引っ越してきている。お金を出せば何不自由なく手に入れた生活から、ルビー(4歳
の時から父親を支えてきた女性)という協力者を得て自立していく様は、素晴らしいものがある。映画でははしょられ
てしまうが、本当の狙いは、大地に根ざした女の生活。環境(自然),宇宙、生物の営みetc、連綿と続く全ての世界.
そこに土着していく様を描きたかったのだろうと思います。音楽がすばらしい事も付け加えねばならない。

●デイ・アフター・トゥモトー
地球温暖化により、南極の棚氷がまっぷたつに割れるイントロから度肝を抜かれる。事情気象から、日本ではソフトボ
ール大の雹が降り、ニューヨークでは大雨と竜巻が襲う。二つの竜巻が重なり、とてつもない猛威で街を破壊する。
雨は降り注ぎ、大津波が襲う。去年のヨーロッパや中国を思い出す。6500万年前のユカタン半島に落ちた巨大隕石は、
ガスが大気を覆い光を遮って氷河期へとすすみ、恐竜、マンモスたちを滅ぼした。
この映画は、異常気象から北半球に巨大な3つの寒気団が発生。零下250度(?)の冷気が襲い、北半球を一瞬にして
凍らせていく…知力ある人の行動とは、家族の絆とは… まるで、京都議定書から脱退したアメリカに突きつけられる
べき映画だと思う。私は、地球温暖化の本4冊、アルマゲドン的な本数冊装幀している。楽しいといっては不謹慎だが、
面白かった。

●レディ・キラーズ
コーエン兄弟の映画で見たかったわけですが、今回は失敗。ジョージ・クルーニーの「オー・ブラザー!」は良かった
が。お金を出してまで見る映画ではなかった。小泉さんのメールで?は感じていたが。ゴスペルソングは素晴らしい、
本当に気分を楽しくさせてくれる。場所はミシシッピー、橋桁の下をゴミの運搬船が通る。これはよいかなと思ったが
…しかし、キャストの紹介から? 全体的には子供だましの喜劇であった。ハンクスはうまいが、作品を選んで出演す
べきだろう。雨の午前中という理由があったとしても、観客が数十人ということが失敗作だと証明している。

●インファイナル・アフェア 無間序曲<3部作第2章>
読売ホールで見てきました。時は1991年から1997年までの香港。潜入捜査官ヤンとマフィアから警察に送り込まれ
たラウ。警察とマフィアの激動する香港での壮絶なる戦い。まるで、馳星周の不夜城のようななわばり争いである。
男たちの熱き欲望がみなぎり、なかなかよかった。その中で、紅1点の女性。マフィアの女房ががんばっている。それ
にしてのも、香港、韓国映画の人たちはかっこいいのだろう。そして、日本語を話したら違和感が何もない。公開は9
月のようです。

●スパイダーマン2
ヒーローものとしては異色なキャラクターで、情けないほど駄目さぶりを発揮している。そのぶんメリージェーン(MJ)
との愛の行方は感動となる(卒業のラストシーン)。暑気払いには最高の映画です。なかなかのものですよ。

●キング・アーサー
アーサーを主人公に、宿命の王妃グウィネヴィア、そしてアーサーを守り抜く円卓の騎士たちの熱きドラマで、ブリテ
ンの王となる前を描いている。灰色のガンダルフやオビワン・ケノービなどのモチーフになったといわれるマーリンの
協力のもとにストーンサークルの地でアーサー王としての旅立ちが始まる。聖剣エクスカリバーはスサノオの剣であり、
南総里見八犬伝や忠臣蔵的要素。そして、聖杯伝説へとふくらんでいく。面白い。

●LOVERS
金城武が好演、チャン・ツィイーの華麗な舞は和田エミの衣装でより引き立っているように思う。すべてが謀りごとで
なり、すべてが忍者の集団からなっている。だからこそ下人たちは時代の流れの中駒として、水に浮かんだ小葉のよう
にただ流れ朽ちて行くのみ。映画的にはよいと思うが不満が残る映画である。紅葉の場面から雪が降り始め、かなり積
もっている中での死闘は何時間続いたのか? 死んだと思っていたチャン・ツィイーが立ち上がり、愛のために自分を
犠牲にするところ。ナイフがカーブしたりの複雑な変化、ゲリラの結末など嘘っぽく消化不良も随所に見られる。この
辺をうまく処理してくれれば余韻を残しよかったと思う。篠田監督の蜘蛛の巣城のような映画かなと思います。

●アイ,ロボット
2035年のシカゴ、人間とロボットは「ロボット3原則」のルールに守られ共存していた。しかし、そのルールは破ら
れる。ロボットを毛嫌いする刑事(ウィル・スミス)は科学者の死に疑いを持ち捜査していくが、巨大な陰謀に巻き込
まれていく。コンピュータが意志を持ち野望に目覚めることや夢見るロボットなどはありふれた話しではあるが、アク
ション・スリラーとしては面白い。

●珈琲時光を見る
小津に捧げた作品らしいが、よくわからない。結構細部にこだわっている映画で、特に電車のシーンは素晴らしいモノ
がある。一両編成の路面電車から、私の田舎の上信電鉄。高崎駅の0番線ホームから下仁田までの単線2両編成で主人
公が吉井で降りる場面などは懐かしさを覚える。そのほかいろんなところの電車が登場し、お茶の水の3車線が交わる
ところなど感動モノです。
ヒトト・ヨウが主人公で台湾人の黄文也という音楽家の足跡を探っているのだけど、これが学生なのか働いているのか、
フリーターなのか全然わからない。脇役が浅野忠信を始め、うまい人が選ばれている。映画の中のピアノ音楽が印象的
でした。また、紙百科や特種製紙の看板が出てきたりします。

●華氏9.11を見る
先週、珈琲時光という小津に捧げるオマージュを見た。細部にこだわっているが何をいいたいのか解らない。今日は強
烈に主張したマイケル・ムーアの華氏9.11を見てきました。
ムーアのナレーター的しゃべりが眠気を誘う。しかし、だんだんと熱中しだした。ムーアの故郷では失業率17%、不況
で働くところが無い。そこへ海兵隊の募集で無理矢理入隊させていく。アメリカ議会の全議員の息子で軍隊に入ってい
るのはただ一人だそうです。
イラク戦争は、アメリカの石油ぶんどり合戦と軍事産業でもうける一部の大企業が利益のために行っている。テロ排除
といいながら最終的には強者が弱者をいじめているだけである。先日、大量破壊兵器はなかったとアメリカが発表した。
この責任はどうするのだろうか? なんの関係ないイラクの民間人とアメリカの下層(若者)者だけが死んでいる。
こんな状況で平和安定などするわけないし、恨みなどの不満が増すばかりである。日本の小泉はどう説明するのだろう
か?また、自衛隊などは3000億円以上も使いながら、何もできないでいるし、復興支援などいくら負担するのだろう?

●ローレライ
潜水艦ものの映画はほとんど見ている。あの狭苦しさや暗さ、ソナー音や艦がきしむ緊張感がたまらなく好きなのです。
しかし、ローレライはその緊張感がない。潜水艦内部のディテールはかなりこだわっているよう

だ。
東京に落とそうとする三つ目の原子爆弾を阻止するという話が嘘で、超能力少女、敵艦隊のど真ん中に浮上し、飛行中
のB29を爆破するという現実ではあり得ない設定でありゲーム感覚です。また、何処かで読んだ、観た、いいとこ取り
の物語のようです。役所、柳葉の演技は日本的だが好演している。妻夫木もがんばっている。

●ナショナル・トレジャー
アメリカ独立宣言書にテンプル騎士団の「暗号」が残されていた。フリーメイソンのメッセージをニコラス・ケイジ主
演が謎解いていく。テンポが速く緊張感の連続だ。考えていたのでは置いて行かれる。裏を返せば、絵解き過ぎ。本で
ゆっくり読みたい。ダビンチ・コードも映画になるが、楽しみではある。しかし、観るものにも考えさせるように努力
して欲しい。映像の絵解きでは無理かもしれない。ナショナル・トレジャーのスピード感は、ミステリとして心地よか
った。

●ミリオンダラー・ベイビー
31歳まで人生のほとんどを底辺で生きてきた女(ヒラリー・スワンク)が「生きる希望」をボクシングに見いだし、
ジムにやってくる。ボクシング・ジムのボス(クリント・イーストウッド)は女性ボクサーを育てるつもりはなかった
が、女の「生きる希望」を認めトレーナーを引き受ける。徐々に腕を上げ、初戦をKO勝ち、負け無しの快進撃が始まる。
そして100万ドルのファイトマネーのタイトル・マッチへ。「モ・クシュラ」というグリーンのガウンを翻し、リング
に上がる…。予想もしない展開(本も読んでいない)となった。
生きることの光と闇を通して人間の尊厳を描いた、ハードボイルドそのものである。涙があふれてくる。映画を観終わ
った後の食事の最中もあふれてきてしまった。エンディングに流れる、イーストウッドが弾くピアノの音が映画館の暗
闇にグラデーションのように消えていく。素晴らしい映画である。これからもイーストウッド監督に期待する。

●亡国のイージス
午後から打合せのため、10時20分の丸の内ピカデリーへ。原作通りに作られているようだ。ただ、kirinさんの言うよ
うにこの映画だけで理解するのは無理がありそうです。映画ではその裏まで見せていないから、何でこうなるのかが中
途半端。寺尾の副館長がなぜ悪者一味になったのか。後でわかるが、弱いのです。防衛大学の主席を張っていた息子が、
国を思う論文で、誰によってこらされ、悪の手に入っていたのか。ヨンファに操作され仲間になり日本政府に要求して
るのか?真田の先任伍長は背が小さくて、合わないと思う。ヨンファにしても北を出国した、冷酷非情なスパイを中井
が演じていたか疑問。ヨンファの妹も綺麗過ぎるし、如月もっと優男のイメージです。ヨンファ、如月、副館長は心に
キズを持った男たちの魂の叫び、先任伍長の不屈の精神。ダイスと政府の非常時の緊迫感がもう少し出れば良かった。
日本映画、もう少しがんばれ。でも楽しかったですよ。

●蝉しぐれ
東北の小藩「海坂藩」の下級武士、文四郎と隣家・娘ふくの恋心とお家騒動の物語。原作が持つ風景(自然)描写を意
識し、かなりの忠実さで描かれている。友情がやや恩着せがましく、情感が薄くなりそう。しかし、観後感はすがすが
しい気分です。流行、熱狂嫌いの藤沢作品らしく、こんな男女間もありますといっているようだ。

●ALWAYS三丁目の夕日
久しぶりにこんな混んでいる映画館に入った。帰りにもかなりの人が並んでいる。「ALWAYS三丁目の夕日」、原作西
岸良平の映画の事である。東京タワーができる頃の話で、六さんが青森から集団就職で鈴木オートに入る所から始まる。
あの頃の息吹や人の優しさがあふれ、不器用と頑固親父が描かれている。やはり年配の人が多く、夫婦連れが多かった。
笑いあり、涙ありで、かなりのところで鼻をすする音がする。あの頃を思い出しているのだろう。淳之介のけなげさが
いい感じを出している。また、人の思いやりが感じられる。しかし、私にはマンガの世界であった。

●亀も空を飛ぶ
昨日6時から協会の出版パーティがあり4時半頃でかけようとする。しかし、1時にどうしても来て欲しいと言うところ
があり、4時間半時間をどうしようか悩んだ。神保町の岩波ホールで「亀も空を飛ぶ」を観賞する。これが驚きの素晴ら
しい映画であった。18日までですがオススメです。アメリカのイラク攻撃前夜までのイラクの子どもの生活を描いてい
る。親を殺され、兄は両腕を切られ、妹はレイプされ盲目の子どもが生まれてしまう。難民として子どもたちのグルー
プに入ってくる。この子どもたちがたくましい。地雷を売って生活をしている。難民としての3人の生活は苦しく、子
どもを地雷原に捨ててくる。グループのリーダーは助けるために地雷原にはいるが、もう少しのところで地雷を踏んで
しまう。子どもは助かるが、またしても、母親は子どもに石を縛り付け池の中に投げ込んでしまう。そして、母親も良
心の呵責に耐えられず、絶壁から身を投げ出すのだった。
その夜は、サダム・フセインが倒れた日であり、わずかばかりの希望と言う陽が昇ろうとしていた。絵も綺麗で、感動
の映画でありました。

●ハリー・ポッター炎のゴブレット
出かけたついでに「ハリー・ポッター炎のゴブレット」を観る。列んではいるが当然子どもたちが多い。映画館の中で
走り回るりホコリはたつは、お菓子や飲み物を飲んで煩いほどしゃべっている。映画が始まるとひっきりなしにトイレ
に駆け込む事になる。こんな煩わしい映画を観るのは初めてだ。
映画は子どものファンタジーと言うよりも、スターウォーズを見ているようです。内容は観てのお楽しみと言うことに。

●Mr.& Mrs.Smith
気分転換にMr.& Mrs.Smithを観てくる。アンジェリーナ・ジョリーのしなやかな動きが好きでいつも観ています。ピッ
トとのペアの殺し屋は、ワルツを踊るように殺している。なんにも考えることなくスッキルする。
帰りにBOOK・OFFに寄るがなぜか気まずい思いをする。映画をに行くのにはだかで文庫を持って行き、本屋に寄るの
は勇気がいる。店員に監視されているようで、ポケットに手を入れたままにする(文庫を持ったまま)。小心さという
かいや〜な気分だ。

●男たちの大和
午前中閑なので映画を観に行く。戦後60年ということで、非戦の朗読を聴きに行ったり映画や関連本を今年4〜50冊
ぐらい読んだだろうか。サイパン玉砕で生き残った女性の手記から特攻隊の手記、戦艦大和関連。マッカーサー、天皇、
東京裁判、原子爆弾、ヒロシマ、etc。それから日本国憲法まで。この映画で戦後の総括となる。シーンごとに思い出
されて涙がこぼれてしまう。3300名からの男たちの物語。彼らが守ろうとしたものは…長嶋一茂をのぞいて芸達者な
人たちの感動映画になっていると思うが、反町たちがあまりにも格好良すぎに描かれすぎている。唯一のマイナス要素
です。

●「ヒトラー-最後の12日間-」、「フライトプラン」
DVDになってしまった「ヒトラー-最後の12日間-」と「フライトプラン」を観てきた。「ヒトラー-最後の12日間-」
観そびれてしまった映画であるが、観て良かった。陥落寸前の物語でヒトラーの狂気や腹心達の葛藤。ヒムラーに裏
切られ逆上するヒトラー。また、逃亡や殉死する兵士達の姿。そして、女性達。ピアノの調べが悲しみを増幅してい
るようで素晴らしい。戦場のピアニストも音楽が良かったな〜。

「フライトプラン」 小柄な女性だがジョディ・フォスターのための映画であった。2重、3重にも仕掛けられていた
悪巧み。母親の強さと愛情には感服するのみ。最初から最後まで気が抜けない。素晴らしいミステリ映画であった。

●ミュージカル「スイングボーイズ」
太平洋戦争当時、ジャズを愛する高校生がいた。迫害を受けながら練習をするが赤紙の招集を受け、解散を余儀なく
される。そして、戦争から帰ってからプロになるまでの熱情物語です。グレン・ミラー、ベニー・グッドマンらのス
イング・ジャズが懐かしさを満喫させてくれた。出だしの1曲目があまりにも酷かったため、なんだこれはと感じたが
徐々に上手くなり楽しめるようになった。
主役の大浦みずきさんの素晴らしい踊りと歌が圧巻。四季出身の伊東恵里さん演技(歌・踊りを含めて)も素晴らしか
った。宝田明さんはお年のせいで?、ペギー葉山さんの歌は上手いです。バック・アンサンブルのリーダー的役割を
した娘は、ひと言の台詞ももらえ喜んでいたが親の目で及第点だったようです(親ばか目)。大浦さんの直ぐ後ろで
結構目立っていた。終演後、4人(観劇した)で沖縄の店「おもろ」で軽く飲み感想を聞くが、皆さん楽しかったと言
ってもらえたので良かったです。

●M:I:2と日本沈没
M:I:2はなんといってもテンポの速さには驚きがある。トム・クルーズも撮影人、撮影場所も含めてお疲れ様といい
たい感じ。
日本沈没は小松左京のリメーク版。現代風に直した映画は「アルマゲドン」の改訂版になっている。CGを多用してい
るがどこか不自然。そして地震の危機感や悲壮感が薄れている。草薙の小野寺は観る前何故なんだろうと思っていた
が、観て納得。草薙でよかったんだろうと思います(この映画において)。田所役の豊悦は格好よすぎ、大地真央は
俳優失格ぐらい下手。

●「狩人と犬、最後の旅」を新宿のタイムズスクエアで観る。
実存する最後の狩人ノーマンとシベリアンハスキー・アパッシュとの共生を描いている。舞台はカナダロッキー山脈・
北極圏のユーコン準州。黄色一色の紅葉から真冬の白へと四季折々が感動する美しさである。万単位のカリブーや3メ
ートル近いグリズリー。湖面から立ち上る幻想的な水蒸気。吹きすさぶブリザードなど美しさは厳しさと表裏一体の世
界。ジャック・ロンドンの世界やリチャード・プローンネクサムの「独りだけのウイルダーネス」、そして、星野道夫
の世界を思い出す。
大自然に生きる人間と犬たちの信頼し合っての生活。忘れていた記憶がよみがえってくる。

幼少時の真冬の夜はマイナス7度近く、浅間おろしの空っ風を伴うと体感温度はマイナス10〜14度となり指などは千
切れるような痛さであった。
また、裏磐梯のスキー場から駅まで歩いた体験は忘れがたいモノがある。1.8メートル以上の友人(スキーで足を骨折)
を肩に抱え、スキーワンセットから二人の衣服まで持ち猛吹雪の中1時間近く歩いた。視界は数メートルだが目を開け
ていられない状況で、吐く息は熱く眉毛睫毛は凍り付き鼻水はダラダラと流れるがすぐ凍っていく。駅の灯が見えたと
きは泣きたくなってしまった。実際は、東京の下宿の布団の中で涙が止まらなかった。
こんな事はたいしたことではなく、そこで生活している人たちのたくましさに乾杯。

本編が始まる前の予告編が30分近くありウンザリしたが映画で忘れてしまった。
しかしこの長さが後の寄席に影響してきた。タクシーで駆けつけたが20分遅刻してしまう。
入場と同時に生ビールともつ煮込み、冷やっこを頼む。演歌、漫談、声帯模写とそれなりに楽しんだ。
私は知らないが、鯉川のぼるという声帯模写はあまり似ていないが、鶴田浩二の歌と声はうまかった。
私の高校の2級上に団信也がいて、ブラスバンド部でよく見かけた。私は新聞部であった。

●出口のない海
3〜4年前に読んだ横山秀夫の「出口のない海」を観てくる。
25日入稿原稿がまだ来ないのである。木曜日から待っているのに。装幀(カバー、表紙、扉、帯)表1の部分のみOKが
出ているが、束がまだ未定。目次4ページ、口絵5ページ、中扉3点。8月の終わりからやっている仕事?編集者考えてい
るのだろう。また別の仕事もプレゼンしたまま2週間音沙汰無し?お昼まで待ったがメールの無いので、映画を観に出か
けたわけです。これを書いたのは1ヶ月以上前、今日は11月4日未だに入稿できずにいる。
気分転換になりました。
ただ、何故市川海老蔵なんだろうと疑問に思わずにいられない。原作はそれなりに楽しめたし、映画もそんなには悪くな
いと思う。回天魚雷という二度と帰れない秘密兵器に乗った若者の気持ち。体当たりの特攻隊、死を覚悟した大和の面々。
みな軍神として靖国神社にまつられることしか希望はなかった。9条の問題をはじめ、今いろんな問題を抱えている。
予告編の中にあったが、硫黄島(イーストウッド監督、渡辺謙など)、見たいものがある。忙しくて「蟻の兵隊」を見逃
してしまった。のが心残りです。

●「カサブランカ」を観る。
ボガード、バーグマンの懐かしの名画。LDで何度も観ているし、テレビでも放映している。名台詞のオンパレードです。
42年制作だから戦争中の映画だがいつ見ても嬉しくなる。それが、映画館上映なんです。
涙に濡れたバーグマンの瞳は神秘的で、まさに、「君の瞳に乾杯」だ、時の過ぎるままにのメロディが懐かしい。別れ時
のボガードの引き際と警察署長の友情に乾杯だ!

●「硫黄島からの手紙」
静まりかえった映画館の雰囲気で、この映画の良さがわかるというものだ。年配者も多いが若い人もいたように思う。栗
林、バロン西などアメリカに留学していた人は多く、この戦争には国力の差でかなわない、戦争すべきでないことは承知
の上で参加し死んでいっている。
バロン西という人物を知ったのは18歳の頃だったか、バロン吉本という漫画家の「昭和残侠伝」柳勘太郎(柔術家)が主
人公。その中にオリンピックの馬術で優勝したバロン西が出てきたことです。素晴らしい人として描かれているので嬉し
くなりました。二部作なのでもう一つも観なければならない。
それにしても、ここまで人が殺されたのは東条他命令を出した人たちと天皇に責任があった。靖国で会おうと死に行くも
のたちの気持ちは痛いように分かります。やはり、連合国側の裁判だからという理由で東京裁判の人たちを靖国に祀るの
は無理があると思います。別の所に祀るべきだと考えます。
また、九条しかり、アメリカがつくって与えたわけですがここに来て戦争に参加せよと言うのもおかしい。湾岸戦争では
お金だけ出したが認められず、お金も戦争にも参加せよ(参加ということは別の意味でお金がかかる)というアメリカの
主張は、実際、アメリカには金が足りなくて自国だけでは何も出来ない、そこで世界中の国に参加を呼びかけて自分のと
この経費を削減しようとしているわけ。アメリカの利益だけの為に無理矢理戦争しているのに、そんなところに協力なん
かする必要はないのです。まして、戦争を放棄している国なんだから。でも、国会議員たちは名誉だとか国際協力のため
に必要なんだとか言っている。しかし、これを断るということも凄い名誉ある事だと考えます。国連なんか完全にアメリ
カに掌握され今では何の役に立たない。日本が全てを仕切るような仕組みが出来たらどんなに素晴らしい世界になるだろ
う。

●オーソン・ウェルズの「市民ケーン」を観る
カサブランカに触発されたわけでもないが、ウェルズのサスペンスドラマはいろんな映像美が使われ楽しい。「バラのつ
ぼみ」とは何を意味したか。自分の理想とする人生。まさにロマン。自分勝手として愛するものにも逃げられていく男の
悲哀。モノクロの陰影の深さが歴史を感じさせます。

●ケビン・コスナーの「守護神」を見てくる。
アメリカ沿岸警備隊の救命士の活躍と救命士の卵が育つまでを描いている。私はアドベンチャー的なものは大好きなので
楽しめましたよ。極寒のアラスカ・ベーリング海が舞台で、荒れ狂う波のなかでの救助は緊張の連続です。コスナーが渋
く控えめで良い味を出している。若いアストン・カッチャーも好演。
私はダイビングや泳いでいて死を意識したことが今までに2回あるが、運が良かったとしか思えない。呼吸が出来ないパ
ニックや泳ぎ疲れて沈み、水をしこたま飲んでいる。人工呼吸などの講習会は6回参加しています。また、波の力にはち
っぽけな自分を思い知らされました。伝説のレスキュー・スイマーの映画なんだから、ライフジャケットを付けている死
体が浮いてこないのは愛嬌としか思えない。(19_2_10)

●蟻の兵隊を見る
私が生まれる2年前(1945年)8月、日中戦争で日本は敗北する。中国の山西省にいた5万9千人の日本軍部隊は降伏す
る。しかし、2600人は軍の命令で戦後4年間共産党軍と戦っていた。その中の初年兵であった奥村和一氏を取り上げたド
キュメンタリー映画です。中国山西省の寧武で「肝試し」とした殺人は、上官の命で柱に縛り付けられた中国人を初年兵
が次々と銃剣で突き殺す。「戦場では殺さなければ自分が死ぬんです」。人間の弱さと教育の怖さ、戦争の゛狂気゛が描
かれる。公開時にチャンスを逃したがやっとチケットを買った。楽しみです。パール・ハーバー後、戦争に参加した日系
人を描いた「栄光なき凱旋(上下)真保裕一」、日本の終戦をむかえ、植民地だった朝鮮の解放秘話を日本・朝鮮・アメ
リカの歴史に隠された殺戮を描いた梁石日の「Z(ゼット)」。共産党とY秘密組織の恐ろしき実態は、全て日本人のせい
と考えるのはいささか無理があるようです。知らない恥部が溶けていくようです。「硫黄島からの手紙」など素晴らしい
映画に会える楽しみは人間だけの特権ですね。(19_3_25)

●インディ・ジョーンズを観る
雨の中映画を観に出かける。スピーディで映画の持つ楽しさを堪能する。嘘ぽさや漫画的要素はご愛敬。冒険活劇の楽しさ
いっぱいでした。ハリソン・フォードまだまだ頑張ってもらいたい俳優の一人ですね。前見た、「カスピアン王子のつのぶ
え」も映画の持つスケールで楽しかった。ナルニア国物語は全て読んでいるが、映画は物語を忠実に描いていたように思い
ます。シリアスなものよりみて楽しいものの方が嬉しい。

●イントゥ・ザ・ワイルドを観る
一時期ジャック・ロンドンに始まり、リック・バス、リチャード・ブローンネクサムなどを読みあさり、ソローやムーア・
ヘッドを読む。そして星野道夫、ジョン・カラカワー[荒野へ]になっていった。
この荒野へが映画になったことは知っていたが昨日、沢木耕太郎が朝日「銀の街から」で取り上げていた。朝一番で観に行
ってきた。始まる20分前にはいると女房と二人だけ。5分前に6人が現れたが貸し切り観賞かと思ってしまった。
ショーン・ペン監督は自分で見つけた事実を加え、脚本を書き下ろしたようです。主人公のクリスは大学を卒業するとヒッ
チハイクをして気ままに旅をする。トラック、カヌー移動、貨物列車の移動を重ねるが最後の冒険として荒らすかの荒野へ
と向かう…。
ショーン・ペンはクリスが観ただろう風景を克明に描き、美しく描いている。また、音楽が素晴らしく、ギターの音色と歌
声が映画にマッチしている。この映画のために全て作曲しているそうですが、名前を忘れてしまった。旅の意味は沢木耕太
郎に任せるが、私には勇気がなかった。

●「劔岳 点の紀」を観てきました。
新田次郎の原作で有る程度は年配者が多いと予想していたが、これほどとは思わなかった。中高年の山歩き経験者が観ている
のだと思います。香川が良い味を出している。浅野も測量士として素晴らしい。圧倒的な自然の力を思い知らせてくれる。し
かし、何か足らないような感じがする。映画であり体感温度が違いすぎるのです。背負子であれだけの荷物を背負っているの
に汗をかかない。息の乱れや息使いが聞こえない。横なぶりの雨の音も感じられない。シンシンと降る雪の音(無音の世界)。
風景はそこに行ったものしか味わえない世界(紅葉などはきれいであった)はあった。地下足袋にわら草履を履きアイゼンを
通したもので雪渓を渡っていくなど、非常に大変な撮影であったろうことは想像できるが、「点の紀」の記録であり、実写に
こだわったためか。?・・

●ポー川のひかり
先週金曜日に色校正がでるはずで神保町に、しかし、夜7時半になりますので月曜日の朝にして下さいということで、今日雨の
中、10時半に神保町へ。またまた、午後1時になりますというではないですか(それなら電話ぐらいくれたらと)。仕方なく、
岩波ホールで「ポー川のひかり」を観ることに。これが素晴らしく気持ちの良い時間を過ごさせてもらいました。逆に感謝です。
きれいな映像と面白さに感動しました。
お寿司を食べて、コピー用紙を買い(目的の場所はつぶれていてお店は有りませんでしたので別のお店に)先ほど帰ってきまし
た。