汚らわしいヒヒの最後の一匹が、凍った谷底に落ちていった。
今日、攻めてきたのはいつもより大きな群だった。
ほぼ半数を谷底に落としてやったから、群を立て直すには
時間がかかるはずだ。

これで、しばらくは、城砦も安泰だろう。

残ったヒヒがいないかと、あたりを走り回っていたザラヤとグウレンが
満足げに喉をならしつつ、私の足に身を寄せてきた。
額をスカートにこすりつけてくる。

「いい子ね。グウレン、ザラヤ。よくやったわ。」
私は二頭の白いたてがみを手ですいてやった。
「さあ、帰りましょう」

私は城砦に向かい雪の上を歩き始めた。
グウレンとザラヤは楽しそうに先を駆けていく。
実体があってもないに等しいザラヤとグウレンは足跡を残さなかった。

その気になれば、さっきヒヒと戦ったときのように、雪を蹴散らすことも
できるのだが、今はあえて、そんなことをする必要もないのだろう。

私はそれが寂しかった。
あの二頭が現実には存在しないことを思いだしてしまうからだ。
グウレンとザラヤは思念ホログラフィにすぎない。

ヒヒに殺された二頭のマウントライオンの残留思念から、私が作り上げたのだ。

グウレンとザラヤの私に対する愛情は、作り主の私がそう望んでいるからなのだ。

二頭の愛情深い行動も、自分が願い、作り上げた幻想にすぎないのだ。

立ち止まった私のもとに、グウレンとザラヤが駆けもどってきた。
心配そうに私をみつめている。

「なんでもないのよ。大丈夫」
私は二頭の頭をだいてやった。
虚像の愛でもないよりはずっといい。

でも、いつか、本物の愛情を得られる日が来るだろうか?





たまにはメジャーっぽい?ものでも、描いてみるかと。(笑)

北方城砦の姫君「カレワラ・ブレナン」19歳。肩も腹も寒そう。(笑)

機械化兵としての適正能力、戦闘能力がずば抜けていたため、城砦の防衛兵士に選抜。機械化手術と記憶操作を受け、現在、北方城砦の主として、山脈からなだれ込もうとしているヒヒの化けモノと戦闘中。

カレワラは世話係の女性(53)と城砦暮らし。

カレワラは女性ですが、戦闘能力は城砦領主の中でも、最上位クラス。両腕ともに改造されてますが、その強さの核は想像力と精神力。

ホログラフを実体化させ、操ることが可能。サイコパワ〜?

サイドを固める白獅子二頭は、カレワラが、昔、可愛がっていたマウントライオンの記憶と残留思念モロモロを元に創り上げたもの。自己愛の産物。二頭とも質量はあって、ないようなもんです。左が「ザラヤ」で、右が「グウレン」。

二頭が、カレワラの最重要戦闘力。


カレワラと南海城砦の主「ユルディズ」とは、先月、ゼルゲンの城で一度、遭遇してます。ヤロオに免疫のないカレワラ嬢は、ポーっとなっちまい、ひそかに想いこがれてみたり。お年頃のお嬢さんなもので。(笑)

ユルディズは戦況の中間報告と身体パーツ交換&洗脳状態の確認のため、登城させられた模様。
カルミナは神に兄の無事を祈りつつ、泣きながら留守番。相変わらず、報われない兄妹ですが、少なくとも両者間の愛情はホンマモンなので、カレワラよりは幸せ…なのかなあ?

Photoshop4.0+Painter5.0使用

Painterメイン。水彩とチョークで、いつもどおり。原画は馬鹿でかいので、縮小したら、顔がつぶれて無念ナリ。全身画って、描くの好きなんですが、つくづくWEBには向いてないなあ…

鉛筆でラフ書いて、スキャン。しかし、動きというか、勢いみたいなものとクラシカルな要素が欲しかったので、主線塗りつぶし。ラフの意味はあまりなかった…

二晩使用。おかげで、会社で居眠りを〜っていうか、爆睡1時間。グワー。誰か起こせ〜…残業中でヨカッタッス…(^-^;