体を失った俺の魂は、あの世の底の真っ暗い泥沼に落ち込んでいて
ゆっくりとゆっくりと、ゆっくりとゆっくりと…沈み続けていた。

部族の皆を皆殺しにし、俺を切り刻んだ連中に
復讐してやりたかった。
俺の魂は怒りと無念さにねじれそうだった。

アイツラに報復を。
目には目を、歯には歯を。
だが、魂だけで何ができる?
生きかえりたい。体が欲しい。

俺の魂は狂おしく願いつづけていた。

俺の魂が永遠の暗闇の中に溶け込んでしまおうという瞬間、
突然、一陣のすがすがしい風が吹き抜け
死の世界の泥沼に、ほとんど沈み込んでいた俺の魂を巻き上げた。

瞬間の苦痛。
気がつくと、俺は戻っていた。
生きた世界に。
蘇った生身の体のなかに。

老呪術師ジマイアが、消滅しかけていた俺の魂を泥沼から引っ張りだして
俺を蘇らせたのである。

男手が欲しかったジマイアは、死者を蘇らせることのできるという禁呪の大鍋の中に、
野で拾った俺の骨をぶち込んだのだ。
おかげで俺は再び生身の世界に舞い戻ったという次第。



蘇生が失敗していたら、俺の骨は犬の餌にするつもりだったらしい。
俺をスープのダシガラ扱いする気だったのかと怒り狂ったら
生きかえらせてやったのに礼も言わんのか、この恩知らずめが!」と
逆にメタボロに罵られた。
なんてババアだ。

……せめて、もう100年、早く生きかえらせてくれていたのだったら
俺だって嬉し涙を流して、あんたに礼を言ったはずだがな。





復讐したくとも、すでに敵はなし。気の毒な浦島太郎状態です。

ツノの部族の族長の二番目の息子、コルバドル。死亡前の姿。死亡時は33歳くらい。

コルが持ってるのは松明…ではなくて、炎武器。炎剣。ライトセーバーの炎バージョンみたいなもんです。

ジマイアは78才の老呪術師。貯蓄が趣味の強欲ババア。
昔、息子を強盗に殺されてしまったという過去があり、愛の代わりに貯蓄に走ったらしいです

最近、物騒だし、腰痛が激しくなったので男手が欲しくなり、拾った骨を蘇生させてみたという…(苦笑)

呪術で魂が縛られているので、当分の間、コルはジマイアの下僕。たぶん、野良仕事&家事全般&用心棒仕事で、こき使われるはずです。(苦笑)

口うるさいケチケチババアと無愛想な男とは、結構、いいコンビではないかと思ったり。
町に買い物に行くときなどは、コルはジマイアを背負わされてるに違いない。
「もっと、はよう歩けんのか!このグズが!」とか、バアサンは背中の上から文句ダラダラで。(笑)



Painter6.0+Photoshop5.0使用

リハビリを兼ねて、バストアップなラクガキにゴワッと色つけ。ひきつづき、低彩度路線。
ちょっと思いついたムラムラな塗り方がやりたかっただけでして。

紙に鉛筆で、割とミッチリ陰影までつけた下絵ラクガキをスキャン。後はPainterとPhotoshop。
鉛筆線は一体、どこへやら〜(苦笑)