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体を失った俺の魂は、あの世の底の真っ暗い泥沼に落ち込んでいて
ゆっくりとゆっくりと、ゆっくりとゆっくりと…沈み続けていた。
部族の皆を皆殺しにし、俺を切り刻んだ連中に
復讐してやりたかった。
俺の魂は怒りと無念さにねじれそうだった。
アイツラに報復を。
目には目を、歯には歯を。
だが、魂だけで何ができる?
生きかえりたい。体が欲しい。
俺の魂は狂おしく願いつづけていた。
俺の魂が永遠の暗闇の中に溶け込んでしまおうという瞬間、
突然、一陣のすがすがしい風が吹き抜け
死の世界の泥沼に、ほとんど沈み込んでいた俺の魂を巻き上げた。
瞬間の苦痛。
気がつくと、俺は戻っていた。
生きた世界に。
蘇った生身の体のなかに。
老呪術師ジマイアが、消滅しかけていた俺の魂を泥沼から引っ張りだして
俺を蘇らせたのである。
男手が欲しかったジマイアは、死者を蘇らせることのできるという禁呪の大鍋の中に、
野で拾った俺の骨をぶち込んだのだ。
おかげで俺は再び生身の世界に舞い戻ったという次第。
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蘇生が失敗していたら、俺の骨は犬の餌にするつもりだったらしい。
俺をスープのダシガラ扱いする気だったのかと怒り狂ったら
「生きかえらせてやったのに礼も言わんのか、この恩知らずめが!」と
逆にメタボロに罵られた。
なんてババアだ。
……せめて、もう100年、早く生きかえらせてくれていたのだったら
俺だって嬉し涙を流して、あんたに礼を言ったはずだがな。
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●復讐したくとも、すでに敵はなし。気の毒な浦島太郎状態です。 ●ツノの部族の族長の二番目の息子、コルバドル。死亡前の姿。死亡時は33歳くらい。 ●コルが持ってるのは松明…ではなくて、炎武器。炎剣。ライトセーバーの炎バージョンみたいなもんです。 ●ジマイアは78才の老呪術師。貯蓄が趣味の強欲ババア。 昔、息子を強盗に殺されてしまったという過去があり、愛の代わりに貯蓄に走ったらしいです。 最近、物騒だし、腰痛が激しくなったので男手が欲しくなり、拾った骨を蘇生させてみたという…(苦笑) ●呪術で魂が縛られているので、当分の間、コルはジマイアの下僕。たぶん、野良仕事&家事全般&用心棒仕事で、こき使われるはずです。(苦笑) ●口うるさいケチケチババアと無愛想な男とは、結構、いいコンビではないかと思ったり。 町に買い物に行くときなどは、コルはジマイアを背負わされてるに違いない。 「もっと、はよう歩けんのか!このグズが!」とか、バアサンは背中の上から文句ダラダラで。(笑) |
●Painter6.0+Photoshop5.0使用● |
●リハビリを兼ねて、バストアップなラクガキにゴワッと色つけ。ひきつづき、低彩度路線。 ちょっと思いついたムラムラな塗り方がやりたかっただけでして。 ●紙に鉛筆で、割とミッチリ陰影までつけた下絵ラクガキをスキャン。後はPainterとPhotoshop。 鉛筆線は一体、どこへやら〜(苦笑) |