酒場にたむろしてたフォーティーナイナーズ達は、アタシを一目見てこう言った。
「ネエちゃん、あんたにゃ無理だよ。」
何が無理なものか。バカにしないで。
アタシ、こう見えても、今までにアイツの仲間を3羽、捕獲してる。

でも、肝腎かなめのアイツはまだ、アタシのネットにかすりもしていない。
力量580000ガルツの大物。
企業や科学者たちの垂涎の的。賞金首。
巨大な白い電磁鳥。
目撃者は大勢いるし、実際、アタシも見た。
新米ハンターだったとき。
父さんとエリオットと一緒に初めてのハントに行ったとき。

父さんがネットをぶっぱなしたけれど、かすりもしなかった。
アタシはと言えば、ただぼうっと突っ立てただけ。
エリオットが突き飛ばしてくれなかったら、アイツの発するプラズマで
全身、こんがり焼けちゃうとこだった。
それでも、左手と視力を失ってしまった。
今のアタシの眼と左手は生体補填パーツだ。

…アイツは何がなんでもアタシが捕まえなきゃならない。
生身の眼と左手を奪われたからだけじゃない。
だって、アタシ、たぶん一目惚れしちゃったから。
アイツのプラズマがアタシの視力を奪ってしまった、あのとき、あの一瞬で。
神々しいくらいの生きてるチカラの輝き。
あいつの白い姿が瞼の裏に焼き付いて離れないの。




フリーのハンター。リドル・アラニン嬢。25歳。電磁鳥を追い求め、星から星へ。「誰にも渡しはしないわよ」
  父親もハンターだったが、今は引退。エリオットは兄貴。今も現役ハンターで、リドルの良い相談相手。

手にした磁場ネット発射銃で生け捕りだ。電磁鳥を一羽、捕獲すると、数年、贅沢三昧できるので、狩りにも熱が入るのだ。(笑)

電磁鳥はエネルギー生命体で、渡りの習慣あり。繁殖地(星)など生態に関しては未だに不明な点が多いので、科学者連中と企業連は生体を手に入れようと、血眼状態。


たまに開拓基地に出没しては、それ自身の発する電磁波やらプラズマ波やらで、絶大な被害を及ぼすので、割と害鳥扱いですが、生け捕りしてそれなりの装置に組み込むと、一羽で小さな街一個が二ヶ月で消費するエネルギーをまかなえます。

ちなみに「フォーティーナイナーズ」とは、一攫千金をもくろんで、辺境惑星に押し寄せた鉱山師たちのこと。ガリンペーロ。

星歴3500年代に銀河系辺境の某惑星で、稀少鉱石「レジェナイト」の大鉱脈が発見され、ゴールドラッシュならぬ「レジェンドラッシュ」が勃発。
数千人の山師が押し寄せ、新たなる鉱脈発見とその権利を巡って、えげつない争奪戦を繰り広げてます。
…とか、考えてると、なんかワクワクするなあ。(笑)

Photoshop5.0使用

久しぶりに設定マニアな自分。「電磁鳥」って何やねん。「レジェナイト」って何やねん。安直すぎるネーミング。ゲラゲラ。
まあ、わかりやすくていいやん。(笑)
  次回絵はたぶん、フォーティーナイナーズ連中。荒くれ砂金堀りな連中を描くのは楽しそうです。燃えるなあ。

アメコミ表紙とか描いてるvan fleet氏みたいな和風なカオリの平面絵がかきたかったんで、チャレンジ。玉砕。(笑)

中途リアルな顔にはまってた時の絵ですが、今、見ると、無機質て味気ない顔でイヤかも。コントラストを強くして、リアル調を意識すると、お手軽にカッコヨサゲになるような気はしますが、無表情になりやすくて反省。見てもツマラン絵になりやすいですし。やはり表情がオーバーな漫画絵が好きなのだなあ、自分。

滅多にやらないペッタリ絵だったので、描いてるときは面白かったです。胸のあたり、もっとペッタリしたタッチにすれば良かったです。なんか全体的にタッチが中途半端な感じ…。塗りこみ系にするかペッタリ系にするか、どっちかにしろよって感じです。キレが悪いなあ。絵的にイケテないですが、リドル嬢自体は自分的に好みキャラだったり。(笑)