【relations】
 今日は私の誕生日。しかし決して忘れられない日になるだろう…

社「もう知ってはいるだろうが本日をもって彼は我が765プロを退社する事になった。
  色々と名残惜しいとは思うが全力で今日という日を過ごして欲しい。」

 ざわざわ……
 事前に分かっていたとは言え、私にはプロデューサーを直視することが出来ない。

P「今社長から説明がありましたが諸所の都合で本日付で退社する事になりました。
  まだ引継ぎが完全に終わっていませんのでもう暫くお付き合いをお願い致します。」

 ざわざわ……

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春「やっぱりプロデューサーさん、今日で辞められちゃうんですね……」
伊「もう我慢ならないわ、私社長に直談判してくるっ!」
律「伊織、やめておきなさい。」
伊「なに言ってるのよっ!そもそもアンタが一番アイツと付き合いが長いんでしょっ!!」
律「…っ!」

 わかってるわよそんな事……5年近くも一緒にいたんだから……

律「それでもよ。あの人が散々悩んで決めた事なんだから。」
伊「そんなの全然納得いかないわよっ!やっぱり私直接文句言ってくるわ!」
春「あっ!伊織ちゃん!律子さん、止めなくていいんですか?」
律「ああなったらもうどうしようもないわよ。」
春「それで律子さんはプロデューサーさんの事、本当にいいんですか?」
律「いいも悪いもプロデューサーが決めた事よ。担当アイドルがあれこれ指図するものじゃ
  ないわ。」
春「律子さん……たまには素直になることも必要だと私は思うんです。」
律「別に私、意地はったりしてはいないわよ?」
春「うーん…じゃあそういうことにしておきますね。」

 春香にはお見通しかぁ……

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P「おーい、律子ーー!」
律「プロデューサー……」
P「すまないな。今日は本当ならば律子の大事な日なのに……」
律「それはもういいです。」
P「いいわけないだろう?今日は律子の18歳の…」
律「ストップ!それ以上先はもう言わないで……」
P「あ、ああ……」

 ………………………

P「それにしても今まで色んなことがあったな。」
律「………」
P「たった3日間だったが律子をTOPに連れていけたのが俺には忘れられないよ。」
律「………」
P「初めて765プロでプロフィールを見たときから律子しかいないと思ってて律子が
  TOPにまで登りつめた時、狂喜乱舞したものさ。」
律「………」
P「それから…」
律「もうやめて下さい!!」
P「律子……」
律「なんで今日なんですか……もう少しいてくれたって構わないじゃないですか……」
P「すまないな。」
律「いちいち謝らないで下さい!プロデューサーはいつもそう……」
P「そうだ!律子は今日どこへ行きたい?」
律「は?何言ってるんですか!引継ぎはどうしたんですか!」
P「これからに決まってるだろ。仕事の引継ぎはとっくに終わらせてある。あとは律子だけだ。」
律「………」
P「それとこれ、誕生日おめでとう。」

 プロデューサーから渡されたのは小さなピンクの紙袋。
 中にはRのペンダントが入っていた。

律「これ……」
P「一応必死に選んでみたんだが…やっぱ駄目か?」
律「う、ううん。ありが…とう……」
P「お、おい律子、いきなり泣き出すやつがあるか。」
律「泣いてなんかいませんっ!ちょっと目にほこりが入っただけです!」
P「まあそういうことにしておくよ。」

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P「じゃあ律子、これからも頑張れよ。」
律「プロデューサーも……たまには連絡下さいね。」
P「そうだな。別にまったく会えないって訳じゃないしな。」
律「それじゃあプロデューサー、じゃあね……ううん『またね』」




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