【Confession】
P「さてと、今日もプロデュース業頑張りますか。」

 俺はつい先日入社した新米プロデューサーだ。
 特にアイドルに興味があるって訳じゃなかったんだけど気が付いたらこうなってた。

春「あっ、プロデューサーさんおはようございますっ♪」
P「春香ちゃんおはよー。今日も可愛いねー。」
春「またまた〜。こんなとこ見つかっちゃったら律子さんに怒られますよ?」
P「ま、気を付けるから大丈夫だよ。それより今日も頑張ってね。」
春「は〜い。プロデューサーさんも頑張って下さいね♪」
P「バッチリ任せてくれよ。」
春「それじゃあ失礼しまーす。」

 春香ちゃんは相変わらず可愛いなぁ。あれ?あっちから来るのはもしかして……

P「千早ちゃんおはよー。」
千「あ、おはようございます。」

 あれ?なんか目のまわりが赤いような……なんかあったのかな?

P「千早ちゃん、今朝なにかあったの?」
千「いえ特には。すみませんけど失礼します。」
P「あっ、千早ちゃんっ!」

 ありゃ?振り切られちゃったよ。でもなんか様子が変だったな……
 後で先輩に話だけでもしておくか。

涼「プロデューサー、もう来てたんですかっ!?」
P「涼くんか。そりゃ毎回遅刻出来ないしな。いい加減怒られるのも嫌だしな。」
涼「そうですよね、律子姉ちゃん目の敵のようにプロデューサーの事怒鳴り散らしますからね。」
P「俺だって必死にやってるっつーの。まったく秋月のヤツ……」
涼「それだけプロデューサーの事を気にしてるんじゃないですか?」
P「そうかな?アイツも高校の時から態度変わってねーからな。」
涼「それよりも今日のレッスンはどうするんですか?」
P「そうだなぁ…デビュー曲のおさらいでもしておくか。涼くんのデビュー、来週だもんな。」
涼「僕、今度こそ男の子としてデビューさせて貰えるんですよね?」
P「ああ。秋月が『やっぱり涼は女装して再デビューさせます!』とか言わなきゃな。」
涼「ぎゃおーん!プロデューサー、なんとか頼みますよ〜〜〜><」
P「やるだけはやってみるよ。じゃあレッスンするか。」
涼「はいっ!」

…………………………
……………………
………………
…………
……

P「ふ〜、今日も疲れたなぁ。」
小「プロデューサーさんお疲れ様です。随分と様になってきたんじゃないですか?」
P「あ、小鳥さん。俺だって色々考えながらやってますから。」
小「でもプロデューサーさんが入ってきてから律子さん、はりきってますよ?」
P「げげ!まったく俺に構わなくていいっつーの!」
小「実は律子さんプロデューサーさんの事が気になってたりするんじゃないですか?」
P「っ!?ゲホッゲホッ!変なこと言わないで下さいよ小鳥さん。秋月が俺なんかに興味
  持つ訳ないじゃないですか。」
小「そうかしら?最近律子さんいつもプロデューサーさんの話ばかりしてますよ?」
P「あいつも暇だなぁ。俺なんか気にする暇あるなら別の事やりゃあいいのに。」
小「それでプロデューサーさんは今日も残業ですか?」
P「ええ。まだ伝票処理が終わってなくて……」
小「そうですか頑張って下さいね。それじゃあお先に失礼します。」
P「お疲れ様です。」

 小鳥さんが帰って事務所内は殆ど人がいない。先輩もどうやら今日は現場から直帰のようだ。

P「さてと、秋月にどやされる前に伝票やっつけるか。」

 カタカタカタ……
 カタカタ……
 カタ……

律「あれ?アンタまだいたの?」
P「うるせーよ!まだ伝票処理終わってないんだよ。」
律「半分貸しなさい。たまにはアンタの手伝ってあげるわ。」
P「いいよ。秋月こそ早く帰ればいいだろ?」
律「なによその言い方。半分ずつやれば効率よく終わるでしょ?早く半分貸しなさいって。」
P「いいっつーの!!」
律「いいから貸しなさい!!」
P「お、おい、あんま引っ張る……うわっ!!」

 俺は律子に覆い被さるように倒れ込む。

P「いってぇ……お、おい!秋月大丈夫か?」
律「え、ええ……っていつまで私の上に乗っかってる訳?」
P「あ、ああすまん。……秋月っていい香りするんだな。」
律「へ?この状況で何言ってるのよっ!!」

 心なしか秋月の顔が赤い気がする。

P「よっと。ほら秋月、立てるか?手貸すよ。」
律「あ、ありがと。」

 …………………………

律「……………」
P「……………」
律「……………」
P「……………」
律「なんかしゃべりなさいよ。というかなんでアンタうちの事務所に入ってきたのよ。」
P「いや、なんとなく。」
律「はぁ?なんとなくで来たの?本当呆れたわね。」
P「悪かったな!」
律「別に悪くはないわよ。思ったよりきっちりと仕事もしてるようだし、最近プロデューサー
  も忙しくて『彼が入ってきてくれて助かった』って言ってくるくらいなんだから。」
P「俺そんなに役立ってるのか?」
律「うーん私から見るとまだまだだけどね。ま、しっかり頑張んなさいよ田ー辺っ。」
P「うるせーー!!」




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