【三毛猫ロック】

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　それは年末の大掃除の真っ最中の出来事。

亜「この子オスかな〜？メスかな〜？」
真「真美いい方法知ってるよ。こうひっくり返して股の間見れば一発で
　　わかるよ〜。」
律「アンタたち掃除サボってなにやってるのよ！」
亜「あ、律っちゃん。」
？「ミー。」
真「あっ！な、なんでもないよ、律っちゃん。」
？「ミー。」
亜「あ、コラ！ダメだってば！」
律「はぁ。…ほら、その隠した猫を出しなさい。」
真「…はぁーい…」

　亜美たちが恐る恐る目の前に出してきたのは手のひらよりちょっと
　大きめの三毛猫だった。

律「アンタたちこの子どうしたの？」
亜「事務所の前で拾ったー。」
真「真美たちで飼うんだもんねー。」
律「……家、マンションでしょ？飼えないじゃない。」
亜「じゃあ事務所で飼えばいいじゃん。」
真「律っちゃん、飼って飼って飼って〜！」
律「駄目よ。アンタたち絶対面倒みないでしょ？」
亜「んっふっふ〜、亜美たちのホントーのぢつりょくを見せる時が来たようだね真美くん。」
真「そうだね亜美くん。」
律「駄目ったらダーメ。大体社長がＯＫ出すはずないじゃない。」
亜「真美っ！シャチョーにお願いしてみよっ。」
真「そーだよねっ。真美のお色気で……んっふっふ〜。」

　そしてまさかの社長ＯＫが下るのだった。

…………………………
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………………
…………
……

律「まったく社長ったら……なにが『仲良き事は美しき事かな』よ。
　　アンタたちちゃんと面倒見なさいよ！」
亜「えーっ！律っちゃん手伝ってくんないの！？」
真「律っちゃんズルイよ〜。」
律「何がずるいのよ！亜美も真美もちゃんと飼えないんだったらこの子猫は……」
猫「ミー。」
亜「た、食べちゃうの！？」
真「律っちゃんひどーい！」
律「誰が食べますか！誰が！まったく……誰か引き取り手を探すって事よ。」
亜「じゃあもうその猫ちゃんと会えなくなるの？」
真「そんなのヤダよ〜＞＜」
律「じゃあちゃんと面倒みる？」
亜「ぶ〜、わかったよ〜。」
真「真美たちにまかしてくれればバリバリのニャンコ先生にしてみせるんだもんねー。」
猫「ミー！」
律「……なんでアンタたちが知ってるのよ。」
亜「どったの？律っちゃん？」
律「だーかーらー、なんでニャンコ先生なんか知ってるのよ。」
真「パパがねーＤＶＤＢＯＸ買ってたー。あれおもしろいよねー。涙がこーんな風に
　　カツーンカツーンってすんだよねー。」

　顔の前で人差し指同士をツンツンしだす真美。

律「……ま、まあいいわ。で、この子の名前はどうするの？」
亜「真美、いい名前ない？」
真「そんなこと急にふられてもー。」
猫「ミー。」

　とてとてとて……ころん。

春「かっ可愛いっ♪」
律「あら、春香おはよう。」
亜「はるるんおっはよ〜ん。」
真「おっはよ〜ん。」
春「律子さん、この子猫どうしたんですか？」
律「亜美と真美が拾ってきたのよ。」
猫「ミー。」
春「キャー！可愛い♪……くんくん、でもこの子なんか少し臭くありません？」
亜「……くんくん、そっかな〜？」
真「……くんくん、真美わかんないや。」
春「私、シャワー室でこの子洗ってきますね♪」

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……………………
………………
…………
……

春「キャーーー！！！」

　シャワー室から凄い悲鳴が響き渡った。

律「どうしたの、春香っ！」
春「こ、この子洗ってたら動く黒い斑点が……」
律「ちょっとその子貸してみなさい。」



　　　.　←ココにいる



律「ただのノミじゃない。のらなんだからいてもおかしくないわよ。」
春「で、でも……」
亜「はるるん、かっかになんかあったの？」
春「かっか？」
真「子猫の名前だよ〜。すぐころんって転がるから『かっか』♪」
亜「かっか！かっか！かっか！」
律「ふーん、かっかねぇ……」
春「わ、私そんなに転んでなんかいません！」
亜「どったのはるるん？」
真「かっかはかっかではるるんははるるんでしょ？」
春「う、うー……」
律「はいはいアンタたち、そろそろ大掃除の続きやるわよ！」
亜「はーい。」
か「ミー。」
真「かっかも掃除やるって〜。」
春「うう……みんな酷い……」
律「さっ、来年も１年頑張るわよ！」
か「ミー。」

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