【MAGIC MUSIC MAGIC】
春「じゃみなさーん、今からこのスプーンを曲げて見せ……ととわわっ!」

 ドテーン!

春「あいたたた………」
や「す、すごいですー!スプーンがグニャってなっちゃいましたっ!」
春「あの、これはその……あはははは……ううっ、また失敗しちゃいました。」
律「春香は何をやってるのよ!」

 私たちは何をやっているのかというと、新春の隠し芸の出し物練習を……

律「こらっ!やよいはジュースを飲まないっ!」
や「で、でもー新聞紙さんに入れるのはもったいないって言うかー」
律「そんな事したら手品にならないでしょ?」
や「そういえばそうですね。」
律「まったくもう……で、雪歩の方はどうかしら?」

 雪歩は箱に入ったプロデューサーに剣を差していく出し物の担当だ。

雪「で、できないですぅ……プ、プロデューサーに剣を刺すなんて……
  私には無理なんですぅ……やっぱり私はダメな子なんだ。ダメダメなんだ。
  こんな私は穴掘ってうまっておきますぅ!」

 ざっくざっく。

P「お、おい雪歩、ただの手品の練習だろ?だから掘るな!うまるな!」
律「はぁ……プロデューサー、あずささんの方もお願いしますよ。」
P「おう、まかせとけ!だーかーらー掘るのはやめなさいって!」

 ざっくざっく。

律「こんなんで大丈夫なのかしら?千早の方は……」
千「蒼い〜鳥〜もし〜幸せ〜近く〜に〜あっても〜♪」
律「ちょっと千早!何やってるのよ!!」
千「なにって…歌の練習ですけど?」
律「隠し芸の練習はどうしたのよ!」
千「私にはそんな芸は出来ません。ですので歌で勝負します。」
律「それじゃあ隠し芸にならないじゃない。」
千「?律子なにをそんなにピリピリしてるの?」
律「(ムカッ!)いいから手品の練習をやるっ!!」
伊「律子も大変ねぇ。」

 のんびりと紅茶を飲みながら休んでる伊織から声をかけられる。

律「伊織は練習どうしたの?」
伊「練習?ふふん、この伊織様がそんな面倒くさい事するわけないじゃない。
  いざとなったら新堂におn」

 スパーン!

伊「痛いわね!いきなり何するのよ!!」
律「何するじゃないわよ。伊織のファンはかわいそうね。」
伊「え?」
律「伊織の活躍を期待して見に来たのに実際には執事の新堂さんが動くだけ。
  ファンはがっかりするでしょうね。」
伊「あ、えーと……わ、私そろそろ練習しなくちゃ〜。」
律「まったくもう。真と亜美と真美はっと……」

 3人の方を見ると、

亜「まこちんま〜だ〜?」
真「真美疲れちゃった。」
真「ごめんごめん。じゃ二人とももう一回いくよ!」

 一応順調そうみたいね。とすると一番不安なあずささんは……

あ「プロデューサーさん、じっとしてて下さいね。」
P「ちょ、ちょっとあずささん、この縄あちこちからまってるんですけど……」
あ「えーと確かこうやってこうやって……」
P「あ、あずささん、本当に大丈夫なんですか?」
あ「ん〜、あ、こうだったかもしれません。」
P「あずささ〜ん><」

 うん、どうみても大丈夫のようには見えないわね。プロデューサーの首にも
 ぐるんぐるんに縄が巻きつけてあってとても縄抜け出来るようには……

あ「じゃあプロデューサーさん、縄をひっぱりますね♪」
P「あ、あずささん、ストップストップ!」
あ「えい!」

 パラリ。

律「えっ!?」
P「おっ、取れた、取れましたよ!」

 ありえない事を目の前で繰り広げられていた。どう見てもただの絡まった縄が
 あずささんの一引っ張りであっさりと解けたのだ。

律「あ、あずささん、今のどうやってやったんですか?」
あ「えっとですねぇ……なんとなくですわー。」
律「なんとなくって……プロデューサー!」
P「はいっ!」
律「あずささんにもう一度ってなに正座してるんですか!」
P「い、いやつい脊髄反射で……」
律「と・に・か・く!もう一度今のやってもらって下さい!」
P「あずささん、お願いできますか?」
あ「はい〜、またやってみますね〜。」

 やっぱりどうみてもぐっちゃぐちゃで適当としか思えない縛りかたなのに……

あ「じゃあプロデューサーさん、縄をひっぱりますね♪」

 パラリ。

あ「あらあら、またうまくいきました〜。」
律「なんでですか!?」
あ「なんでと言われましても………」
律「ちょっとプロデューサー!ちょっと私に縛られてください!」
P「えっ!?律子にし、縛られる!?(ドキドキ)」
律「じっとしてて下さいよ。」
P「え?あ、うん……」
律「確かここをこうやって……」
P「なあ律子、本当に大丈夫なのか?」
律「任せなさいって。」
P「でもなんか首もグルグル巻きなんだが……」
律「ああ、もういちいちうるさいわね。集中できないじゃないですかぁ。」
P「……悪い。」

 数分後。

律「じゃ、いきますよ。」

 ぐいぐい。キュッ!

P「グェェェェ!り、りちゅこ、ちょ、ちょっとタンミャ…グェッ!」

 バタン。

亜「あっ!律っちゃんがにーちゃん殺しちゃった!?」
律「殺してないっ!!プロデューサー、大丈夫っ!?」
P「ぐぐ……がが………」
や「プロデューサー!しっかりしてください〜!律子さん大変ですっ!
  口からぶくぶくと泡吹いちゃってます!このままだとプロデューサーが
  死んじゃうかもー。」
あ「あらあら〜ここはやっぱり人工呼吸かしら〜?」
春「あ、あのっ!わ、私がっ!」
伊「何言ってるのよっ!春香なんかに任せらんないわっ!しょ、しょうがないから
  私自らがやったげるしかないわね。」
雪「あ、あのぉ……」
全「雪歩はだまってて!!」
雪「あ、あうぅ…」
千「プロデューサー!しっかりして下さい!みんな、大変!プロデューサーの
  脈が……」

 ざわ…ざわざわ……

律「プロデューサー、お願いっ!しっかりしてっ!!」

…………………………
……………………
………………
…………
……

P「そして律子の熱い抱擁とあのくちびるが……」
律「くちびるがどうかしたんですか?」
P「くちびるがね、俺の……!?」

 ゴゴゴゴゴ!とでも形容すべきだろうか。律子から凄いオーラが発せられるのが
 感じられる。

P「や、やあ律子。今日もいい天気だね。」
律「ええ、とっても雨が降ってますね。で、そのノートを書くのは楽しいですか?」
P「うんっ!」
律「『うんっ!』じゃないっ!!!」

 スパーン!スパーン!スッパーーーン!!

P「このままでは終わらんぞ〜〜!」
律「終わっときなさいっ!!まったくもう……」




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