【STOP VIOLENCE!】

 バタンッ!!

律「お兄ちゃん、さっきからご飯って言ってるでしょ!!」

 さっきからうるさいのは妹の律子だ。
 最近アイドルとしてデビューしたらしいが俺にしてみればただの妹に変わり
 はない。

P「わかった!わかったからもうちょっと寝させてくれよ……」
律「なんで寝ちゃうのよっ!ほらとっとと起きるっ!!」

 ガバッ!っと布団をまくられて俺は渋々起きる羽目になる。

律「ちょ、ちょっと!なんでパンツ一丁なのよ!!年頃の妹がいるんだから
  少しは気をつけてよ!!」
P「ん〜〜〜?ん〜〜〜。」
律「『ん〜〜〜』じゃないわよっ!まったく……お兄ちゃん少しは働いたら?
  いつもゴロゴロしてばかりで………」
P「はいはい。メシだろ、メシ。」
律「お兄ちゃん!聞いてるの!?」

 俺はうるさい律子を無視して着替え始める。

P「ところで律子。」
律「なによ。」
P「いつまで俺の着替えを見てるんだ?」
律「!!いいからさっさと着替えてよねっ!お父さんもお母さんもご飯待って
  るんだから!!」

 バタンッ!!

P「ふわぁ……だりぃ………」

 俺はやる気も無さそうに着替えてからダイニングへと向かう。

母「おはよう。」
P「うぃーっす。」
父「じゃあ食べようか。」
律「いただきます。」
父「ところでお前就職のあてあるのか?」
母「そうですよ。もし無いんだったらうちのお店でも……」
P「大丈夫だって。今日面接行くから。」
律「本当に〜?お兄ちゃんの事だから『また駄目だった〜』ってオチなんじゃない?」
P「お前なぁ………」

−−−面接−−−

社「おお!キミこそ我が社に必要としていた人材だ!」
P「は、はぁ……」

 俺はとある芸能プロダクションの面接を受けていたがいきなりなんだこれ?

社「履歴書は見させてもらったよ、秋月くん。我が社も人材不足でなキミのような
  青年が来てくれて嬉しいよ。よかろう!明日からでも仕事に来てくれたまえ!」
P「ええっ!?い、いいんですか?」
社「ああ、早速頼むよ。秋月くんには期待しているよ。」
P「は、はい!よろしくお願いします!!」

…………………………
……………………
………………
…………
……

P「……と言う訳なんだ。」
母「よかったじゃない。でもいきなり明日からなんて大丈夫?」
父「まあお前もこれで一人前だな。いや、まだ半人前か?はっはっは。」
P「それにしても今日は律子遅いな。」
母「あの娘も色々と忙しいみたいだからねぇ。」
P「じゃごちそうさま。俺明日の準備とかするから。」
父「しっかりやるんだぞ。」
P「わかってるって。」

 俺は自分の部屋に戻り密かにガッツポーズを取る。

P「うっしゃあ!!この俺もやっと就職かぁ。」

 一人感慨に打ち震えつつ明日の準備をする。
 ……ダダダダダ バタンッ!!

律「お兄ちゃんっ!!」
P「おう、律子か。どうしたんだ?血相変えて。」
律「『どうしたんだ?』じゃないわよっ!!」

 スパーン!!

P「痛ってぇなぁ、何するんだよ。」
律「『何するんだよ』じゃないわよっ!!」

 スパーン!!
 俺は意味もわからず律子にハリセンでしばかれていた。

P「ス、ストップ!ストップ!ま、待て!待てってば!!」
律「はぁ……はぁ……はぁ……」
P「俺、なんか悪い事でもしたか?」
律「自分で考えてみなさいよ!!」

 バタンッ!!

P「………なんだ?アイツ。」

 俺は何が何だかわからない状態だがとりあえず明日の事がある為に早目に
 寝てしまった。

−−−翌日−−−

P「やっべぇ!!」

 起きたらもうとんでもない時間だった。俺は急いで着替えて、

P「親父!お袋!行ってくる!!」

 と朝食も取らずに会社へと走って行った。

P「初日から遅刻とかヤべえなぁ。」

 そんな事を思いつつなんとか会社にたどり着き急いで社長室へと向かう。

P「すみません!遅れました!!」
社「おう、キミか。待っていたよ。それじゃあ我が社のアイドル達を紹介しよう。
  ついてきたまえ。」
P「は、はいっ!」

 俺は社長の後をついて歩いて行く。

P「ところで1つ聞いてもよろしいでしょうか?」
社「ん?なんだね?」
P「俺……私はなんの仕事をやるんですか?」
社「ああ、説明してなかったね。キミにはプロデューサーとしてアイドルを育てて
  貰いたい。」
P「ええっ!?い、いきなりですか!?」
社「ははははは。大丈夫だよキミならきっと出来る!」
P「は、はぁ……」

 なんだか狐につままれたような気分になりつつも俺は後をついて行った。

社「ここだよ。諸君、今日から入社するプロデューサーの秋月くんだ。よろしく
  頼むぞ!」
P「今日から入社しました秋月です。よろしくお願いします。」

 ぱっと見、11人の女の子が並んで………ん?1人だけ後ろ向いてる娘がいるな。

小「私は事務担当をしてます音無小鳥っていいます。」
P「よろしくお願いします。」
春「私は天海春香です!プロデューサーさん、よろしくお願いします♪」
P「ああ、よろしく頼むよ。」
千「如月千早です。」
P「よろしくお願いします。」
伊「水瀬伊織よ。よろしく頼むわね。」
P「こちらこそよろしく。」
あ「三浦あずさです〜。よろしくお願いします〜。」
P「こちらこそよろしくお願いします。」
真「ボク、菊地真ですっ!へへっ、プロデューサーよろしく!」
P「ああ、よろしくな。」
や「うっうー、私高槻やよいでーっす☆よろしくお願いしまーっす☆」
P「よろしくね。」
雪「あ、あのぉ……萩原…雪歩……ですぅ……」
P「よろしくお願いします。」
雪「ひぃっ!!」
P(俺、なにか悪い事したかな?)
亜「亜美だよー。」
真「真美でーす。」
P「君達は双子なんだねよろしく。」

 で、残ったのは未だにそっぽ向いてる娘だけか。

P「あのー………」
律「律子です。」
P「ああ、律……え、ええっ!?」

 驚いた。まさか律子がいる芸能プロダクションだったのか!

律「なんでお兄ちゃんがうちに来るのよ……」
春「ええっ!!プロデューサーさんって律子さんのお兄さんなんですか!?」
伊「ふ〜ん……まあいい下僕にできそうね。にひひっ♪」
あ「あらあらまぁまぁ〜。」
律「こうなるから嫌だったのよ……」
P「ま、まあよろしく…というかなんというか……」
律「シャキっとしなさいシャキっと!!」

 スパーン!!

P「いひゃいっ!!」
律「いくらお兄ちゃんと言えどもこの私の仕事場に来たからには覚悟して下さいよ!」
P「ま!待て!は、話せばわかる!!」
律「問答無用!!」

…………………………
……………………
………………
…………
……

P「こんな展開どうだ?」
律「却下。大体展開が急過ぎだしありえませんよ。」
P「そうかなぁ……」

 兄妹物のドラマをと言う事で企画を律子と考えていたがどうも駄目出しばかり
 されてしまう。

律「大体なんで私がプロデューサーの妹なんですか!」
P「と言ってもうちにはそんなに人がいる訳でもないだろ?」
律「だからと言ってですねぇ!」

 はぁ……こんなのの繰り返しだよ。もう疲れたよ。

P「ふぁぁぁぁぁ…」

 ぽよん。

P「ん?」

 俺は手の甲にちょっと柔らかい感触を感じて視線を動かしてみるとりっぱな
 りっぱいの上に俺の伸ばした手が……

律「……何か言い残す事はありますか?」
P「ま!待て!は、話せばわかる!!」
律「問答無用!!」
P「ギャーーーッス!!」





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